至高の完遂者
リロード1「マフィアの掟」
イタリア南部に位置するシチリア島。
所謂【長靴のつま先】の先ににあるこの島は世界で最も有名なマフィア発祥の町
イタリアンマフィアの巣窟である。
ナッシュ: 依頼とはいえ・・・あまり寄りたくなかった場所だな。
運転手: 何かおっしゃいましたか?
ナッシュ: あぁ、すまない。独り言だ・・・後、どの位で着くかな?ミスター
運転手: そうですねぇ、今はカラシベッタ過ぎた辺りなので一時間弱って所です
カターニアかアウグスタ辺りで休憩します?
ナッシュ: いや、大丈夫だ・・そのままシラクーザまで行ってくれ。
運転手: かしこまりました。
(M)車に揺られ、高速からみえる街並みを見ながら依頼人の待つホテルへ向かった。
※ホテル前で車が留まりドアが開く
運転手: ありがとうございます。良い旅を
ナッシュ: あぁ助かった。こちらこそ有難う。
(M)パレルモから車で約3時間か、中々のドライブだったな
ナッシュ: ホテル「タナトス」・・・此処に来るのも久々だ変わってない。
※「タナトス」ロビー受付にて
受付:ようこそいっらしゃいました。本日はご予約で御座いますか?それとも・・・
ナッシュ: ナッシュだ。【ビジネス】で頼む
受付: ・・・かしこまりました。それでは此方でお荷物をお預かりいたします。
※キャリーケースをフロントに預ける
受付: ・・・お待たせ致しました。では右手に御座いますゲートを通って頂き奥へお進みください
ナッシュ: ありがとう
※ゲートが白色に光りバーが上がる
ロビー奥特別室受付
ジョバンニ: お久しぶりで御座います。ナッシュ・バルロイ様
また会えた喜びに感謝致します。
ナッシュ: あぁ、久しぶりだジョバンニ。・・・ところで、いつからあんな物を?
ジョバンニ: この間から近所の子供が忍び込む様になりましたので、少しばかり張りぼてを。見掛け倒しですよ。ところで約束のお時間までは少々先になります、ディナーはお済ですか?
ナッシュ: 済ませてある。ただ、カフェコレットを貰おう・・。荷物は部屋に届けておいてくれ。それと、「いつもの奴」も頼む。
ジョバンニ: かしこまりました。部屋は決まり次第キーと一緒に・・・少々お時間を頂くのでお好きな席でおくつろぎ下さい、お飲み物は席にお届け致します。合わせはグラッパで宜しかったですか?
ナッシュ: ~~ん、今日は気分を変えたい、ブランデーで何か香りの良いものを。使用したコーヒー豆の袋詰めも。
ジョバンニ: わかりました、ではトレーの上に置いて置くように伝えておきます。付け合わせにパニーニは如何ですか?
ナッシュ: ありがとう、だが遠慮しとくよ。
ジョバンニ: では、後ほど。
※ロビーの見える窓際の席
ナッシュ(M) ここなら通路から来た人間、ロビーが見えるな。このパーテーションも使える
(M) しかし、「近所の子供」・・ねぇ?・・・ホテル「タナトス」は確かに新興勢力だが、コーザ・ノストラが治めるシチリアに堂々と拠点を構えている、タナトスのオーナー【キームン】は相当やり手だ。「掟」を上手く使って中立という立場を手にして相互不干渉に持っていった、そんな奴にわざわざ喧嘩ふっかけるバカは居ないと思いたいが。ナポリ辺りの連中か?
※カフェコレットとコーヒー豆の袋が運ばれてくる
ナッシュ: ありがとう。ブランデーは何を?
給仕係: コニャックのVSOPを選ばせて頂いてます。
ナッシュ: 悪くない、しかしブランデーでとは言ったがVSOPか、贅沢じゃないか?
給仕係: かの高名な完遂者に飲んで頂くのです、遊び心は必要でしょう?
ナッシュ: ・・・・なるほど?
※頭をさげ下がっていく
ナッシュ(M) 遊び心・・・か。ランクでいえばもっと上のナポレオンやXOを出してこなかった事を言ってるのかな?彼女の意図は・・・
※エスプレッソを一口だけ飲んで、砂糖を一つ溶かしVSOPを注いでいく
トレーに置いてあるコーヒー豆の袋を取りながら
ナッシュ: あぁ・・・やはり落ち着くな。この匂いは
ナッシュ(M) マフィア共の縄張り争いなんか興味ないし、今は依頼について考えるか。今・・・20時か、約束は22時からだったな。時間は珍しくはない・・・。問題は
※ジャケットの内ポケットから手紙を取り出す
(M)〔ホテル・タナトスにて22時、ビジネスで受付されたし。〕
この悪戯にしか見えない文言の依頼・・・普段なら絶対届かない手紙。フランスに潜伏してた俺の元に届き「逆さ十字架に死神の鎌」の教会刻印が施されているのだから・・・正式な依頼ではある、が。たったこれだけで依頼を受けたのも初めてだ。差出人名前・性別・年齢共に不明、唯一救いなのは場所だけは【信頼】できるということ。