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第42話 アメとバグ

半年ぶりぐらいに投稿できました。

11月頃から忙しかったのと、春から環境が変わったのとでかなり書くのをサボっていましたが、なんとか復帰しました。

これからもこのまま行ければいいんですけど……。

「うわぁ、これ1人じゃダメージ受けずに攻撃当てられないかも」


 セクテラにダメージを与える方法を探しに行った姫乃だったが、1人では攻撃を回避するので精一杯となっていた。

 上下左右から迫り来る剣の隙を突いて攻撃をしても、良くて相打ちにまでしか持っていけないので、手が出せない。


「あれ避け続けられるって、この子ほんとに人間なの!?」


「人間の限界の権化みたいな奴だからな」


 姫乃のあまりのプレイに驚愕するチカだったが、神子都は見慣れているので特に反応はしない。

 針に穴さえあれば糸を通せるのが姫乃なのだ。


「おい、あたし達も早く行くぞ」


 神子都が準備をしている間、俺とチカは姫乃のプレイを眺めていたため、早く準備しろと怒られてしまった。

 さっきの突撃で防御力がいらないことを確認したので、今度は何の確認しようかとアイテムボックスの中を漁っていると、神子都から何かが飛んできた。


「次はこれの確認をやれ」


「あ~、魔法ね......」


 神子都が投げてきたのは杖だった。


「でもこれ20種類くらいあるけど」


「なら、これに入れていけ」


 次に渡されたのは、農家が野菜を入れるのに使っている竹で編まれた背負いカゴだ。

 神子都とチカはどちらも姫乃と同じような素早さ重視の装備に、それぞれ得意武器を担いでいるのに対し、俺は魔力を限界まで高めた装備にパンパンに杖が入った背負いかごというなんともミスマッチな格好をしている。


「よし、じゃあ行くか」


 その合図で神子都とチカは疾風の如くセクテラの元まで駆け抜けて行った。

 一方の俺はエッホエッホと魔法使いと農家の混ざった姿で走っている。

 ……装備だけでこんなに差が出るか? やっぱりキャラ性能が違うと思うんだが?




「ふぅ、やっと到着」


 俺が着いた頃には神子都達はとっくに戦いを始めていた。

 神子都と姫乃がセクテラの剣を1本ずつ対処して、チカは背後に回ってハンマーをセクテラの背中に叩き込んでいるが、やはりダメージは入っていない様子だ。


「バリアも削れてる感じじゃないし、違う方法じゃないとダメかも」


「守る素振りも見せんかったからな、胸と背中は無敵なのかもな」


「なら次は腕か足、あと頭もか……。うーん、いける気がしないよ?」


「わからんことだらけだから仕方ないな。バリアが硬すぎるだけって可能性もあるが、とりあえずは弱点があるか確認だな」


 神子都たちが頑張って考察していたが、まだ攻略法がわかっていないようだったので、俺は背負いかごから杖を抜き取って魔法を撃つ準備をした。

 結局全部試すのだからどれでもいいやと、適当に選んだ杖は振るだけで火の玉を撃ち出せる炎の杖だった。


「それじゃあ炎の魔法行きまーす」


 神子都達から離れたところで杖をブンと振ると、武器の説明に書いてあった通りに火の玉が撃ち出される。

 装備によって魔力を上げすぎたせいで、メラメラした火の玉ではなく、太陽みたいな質量を感じる火球がそこそこの速さで飛んでいった。

 そこまでは別によかったんだけど、問題はそのあとで……。


「ちょっと、(ミコト)こっちに来てるって」

 

「えっ!? これって自動で狙ったところに行かないの?」


 火球は姫乃のところに一直線で向かっていた。

 勝手に対象指定だと思っていたのだが、どうやら撃った後に自分で操作をしないといけないみたいだ。

 焦った俺はコントローラーをガチャガチャと操作すると、急に球が向きを変え……。


「バカッ! 曲げすぎだ!」


 姫乃に当たらなくなったのはいいものの、向きを変えた先には神子都がいた。

 セクテラと戦いながらも、間一髪で避けることに成功したのは流石としか言いようがないが、1手無駄な動きが入ってしまったせいで、神子都のキャラはまた真っ二つにされてしまった。

 神子都が避けた後の火球はセクテラの元に向かったが、それも斬られて光となって霧散した。

 その後も……。


 毒魔法


「攻撃躱せてるのに体力残ってないんだけど!」


 混乱魔法

 操作が逆になる程度なのでセクテラ含め全員ノーダメージ。


 睡眠魔法


「眠ったら何もできなくなるんだが?」


 空間魔法


「んっ? あたしたちのキャラどこ行ったんだ?」


 という感じで、神子都達に散々迷惑をかけた挙句セクテラに効果的な魔法は見つけられずにいた。

 背中が軽くなってきたところで俺が次に手に取ったのは、砂嵐の杖だった。


「砂嵐って砂の混ざった茶色の竜巻みたいな感じ?」


「いや、砂の雲みたいな感じだよ」


「視界を奪う系の魔法ってことか?」


 姫乃の説明からすると、攻撃系の魔法ではないようだ。

 多分、画面が茶色に染まって、気がついたら全員やられて拠点にいるとかそんな感じになる気がする。

 まあ、予想は単なる予想なので、とりあえず杖を振ってみる。

 杖を振ると、草原に場違いな砂漠の砂が少しずつ舞い始めた。


「これ、意味ある?」


「……うん、今までの魔法で1番有効だったね。だってあれ」


 姫乃が指で示したのは、セクテラの2本の剣。

 その剣の刃先は砂嵐が濃くなるにつれて、強い光を放つように変化していた。


「刃先だけ?」


「あの剣は刃先にしか触れた物を光にする効果がないんだと思う」


「つまり刃先は以外は守られてなさそうってこと?」


「多分だけどね」


 1つ大きなヒントが得られたところで、もう1度作戦会議を挟む。

 議題はもちろんセクテラの持っている剣をどうするかについてだ。


「折るか、弾き飛ばせたらあのバリアが無くなると思うんだけどね」


「これまた難しいことを言うね」


 チカのハンマーで柄頭の部分をぶっ叩けば、セクテラの手からスポンと抜けるだろうか。


「どうせならあの剣奪いたいけどな」


「あの剣があれば全て解決しそうだよね」


「もっと難しくない?」


 確かに、セクテラから剣が奪えたらこっちが有利になるのはそうだが、そこに行くまでの過程が見つからない。

 結論の出ないまま会議を続けていると、


「ねぇねぇ、なんで一緒にゲームしてるのに、こことここの会話はないの?」


 とニムが話しかけてきた。

 そして、薄暗くなったゲーム画面の上にデフォルメされた俺たち4人が描かれており、俺と神子都とチカ、俺と姫乃が同じ円で囲われているベン図が出来ていた。


「私はただの人間だから、人間に出来ることしかできないんだよね」


「……それだと俺が人間じゃなくなるんだけど」


 どっちかって言うと姫乃の方が人間じゃないと俺は言いたい。


「でも、ゲームをするならやっぱりみんなで楽しめた方がいいよね」


 ニムは画面にターゲットマーカーを表示させると、姫乃に照準が合わせて、姫乃のプログラムを解析を始めた。


「なんだ、あるじゃん」


「あるって?」


「神様が見えるようになるコードだよ」


 その言葉を聞いた姫乃の身体が一瞬だけ固まった。


「本当に?」


「本当だよ。でも、無理矢理実行することになるから、ゲームのバグ状態になるかもね」


「なら、問題ないね。すぐにでも実行できる?」


「だよね、楽しみには変えられないよね。じゃあ、やろうか」


 おいおい、そんなに即決して大丈夫なのかよ。

 人間が相手ならそんなには不安にならないけど、神様が相手だと予想がつかないので心配になる。

 しかも、メリットに対してデメリットの大きさが把握できてないので、尚更である。

 そんな俺の勝手な心配をよそに、姫乃はもうやる気満々だ。


「えーっと、(ミコト)君だっけ? 僕が手順を説明するから、ちょっと手伝ってね」


「えっ?」


 ニムがなんか加護でヒョイってやるんじゃないの?

 手順間違えたら、姫乃の記憶がぶっ飛ぶとかないよね?

 頼むよ?

相変わらず小説を書くのは難しいですね。

でも最近は少し余裕ができたので、難しいのもある程度は楽しみながら書けました。

熱くなりすぎるとすぐ冷めるので、弱火でじっくりあっため続けられたらと思います。


進行度 53%

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