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第40話 2週目はソロでやろう

ネラのことを反省して愛せるキャラを作ろうとしたけど、これまたありえんほど難しい課題でした。

付き合いが長くなれば勝手に愛が芽生えるものなんでしょうかね?

これだ!っていう体験とはなかなか出会えないものですな。

 祭りが終わった次の日の朝。

 特にする事もなく、ぐだぐだとベッドでゴロゴロしていると、


「いてっ!」


神子都から輪ゴム鉄砲が飛んできて、見事に額に命中した。


「いつまであたしを待たせるんだ?」


「……何が?」


 本当に神子都が何を求めているのか分からなかったのに、彼女は指に2発目の輪ゴムを装填し始めたので、慌ててその何かを探す。

 幸いにも、答えはそう難しいものでもなく、昨日持っていったカバンの中にあった。


「これか?」


「正解」


「いてっ」


 なぜか、正解したのに2発目の輪ゴムも食らうハメになった。

 赤くなった額をさすっていると、神子都が顎で用意しろと促してくるので、3発目を受けないようにすぐさま準備に取り掛かる。

 ゲーム機の本体に近寄ってパッケージを空けようとすると、いきなり破壊音とともに大きな物体が高速で俺の方に飛んできた。


「またここに逃げたんでしょ! 出てきなさい!」


 怒りながら部屋に入ってきたのはチカだった。

 しかも、さっき高速で飛んできたのは俺の部屋の扉で、それがもとあった場所には大きな穴が開いていた。

 もちろん、俺に当たる寸前で神子都が扉を止めてくれた。


「今度は何があったの?」


「前に遊んだ日から、ずっとリアンと一緒にゲームしてたんだけど……」


 最初はかなりゲームに対して否定的だったチカだが、あの日からはリアンと仲良くゲームをするようになったらしい。

 なら全然問題ないと思うのだが、リアンは何をしでかしたのだろうか。

 ゲームの種類によってはチカに嫌がらせができるものもあるとは思うが、リアンの方が下手なのでその線は薄いだろう。

 今度は何をやらかしたんだと考えていると、


「1週間ぐらい休みなしでやってたら、いつの間にかいなくなってたの。やりたいことまだいっぱいあるのに……、どこに逃げたんだろ?」


 まさかの犯人はこっちだった。

 あの日をきっかけにチカがこんなにもゲームに嵌ってしまうとは思っていなかったので、作業の手が一瞬止まってしまう。

 その拍子に、俺が手に持っていたゲームがチカに見つかってしまった。


「あれ、それって前にやった奴の新作じゃない?」


「そうだよ、祭りでもらったんだ」


「ふーん、そうなの」


 そのままゲームの準備を終えて、コントローラーを2個もって神子都の方に振り替えると、なぜかチカも並んで座っていた。


「コントローラー足りないけど、(ミコト)君はやらないの?」


「リアンはもういいのかよ」


「大事な物から先にやらないといけないでしょ」


 ゲーム好きになったチカならもっと食いついてくると思ったのだが、

 そんな感じで大丈夫なのかなと思いながらコントローラーをチカに渡して、足りなくなった自分の分をまた取りに戻る。


「それとあと1人はどうするの? これ4人までできるでしょ」


「あー4人目? まあ欲しいなら呼ぶか……」


 ポケットからスマホを取り出すと、一番身近な友人に電話を掛けた。


「もしもし、今からみんなでゲームするんだけど暇なら来ない?」


 1コールも鳴り止まぬうちに電話に出たのは、姫乃だった。


「うん、暇だから行けるよー。いまから向かうからちょっと待っててね」


「おっけー、待ってるよ」


 そう言って電話を切ると、チカから姫乃に対しての質問が飛んでくる。


「その子を呼ぶのはいいけど、あんまり下手な人が来ても楽しくやれないかもよ?」


「確かに、このゲームのシリーズをやったことあるかわからんな」


 それを聞いたチカが口元を少しへの字に曲げたので、この時点では姫乃の参加を快く思っていないようだった。

 このゲームは難易度が高い上に、協力が不可欠なので足手纏いが増えるくらいなら3人でやる方がクリアがしやすい。

 しかも、プレイ人数が増えるほど敵も強化されるので、あまりに弱い人が来ると強化分のカバーができなくなる。

 しかし、そんな心配は彼女のことを知らないから出来るのだ。


「やったことないことでも、姫乃は俺をボコボコに出来るくないには強いから大丈夫だよ」


「それならいいけどね」


 そう言っても、チカはあまり乗り気じゃないみたいだった。

 俺より強くても、俺がそこまで強くないからたいしたことない奴なんだと思っているのだろう。

 そこらへんのイメージとの差は実際に見てもらって埋めてもらうとする。

 そうしているうちに家のチャイムが鳴った。


「早いね。さっき連絡したばっかりなのに」


「まあすぐそこだからね。お邪魔しまーす」


 それにしては早いと思ったのだが、気のせいだろうか。

 そのまま、自分の部屋まで案内すると、姫乃が浮かんでいるコントローラーを見て2人神様がいることに気づいた。


「神子都ちゃんの他にもう1人いるの?」


「そうそう、力の神様のチカって子が来てるんだよね」


 そういえばこっちの状況は何も伝えていないんだった。


「おーい、待ってるから早くしてくれ」


「はいはい、すぐ準備するよ。もう待てないってさ」


 俺は急いで追加のコントローラーを2つ用意して、片方を姫乃に渡した。


「それじゃあ始めるぞ」


 神子都がゲームのスイッチをいれると、軽快なBGMと同時にタイトルが表示される。

 新作のゲームなので初めて観るオープニングのはずなのだが、神子都は興味がないと言わんばかりにボタンを連打して一瞬でその画面をとばした。

 すると、何の操作説明もなしに最初のステージが始まってしまった。


「ねぇ、私何もわからないまま始まったんだけど」


「最初は簡単だからあの2人に任せとけばいいよ。この間に操作の確認すればいいから」


 俺が姫乃に操作方法を教えている間に、神子都達は縛りプレイをしているのか裸装備に木の棒を装備して敵を蹴散らしていた。

 なんでわざわざ縛りプレイなんかと思ったが、その装備でもサクサク敵がやられているので縛っているのではなく必要がないだけだった。


「最後にこのボタンが……。ちょっと、最初のステージ終わったんだけど!」


「そっちのチュートリアルは終わったか?」


「いや、全然終わってない」


 神子都達が容赦なく敵を倒していくせいで、姫乃に教える時間が全然なかった。

 まだまだ教えることがたくさんあるんだけどな、と悩んでいると姫乃から、


「とりあえずこのステージは普通にやってみるね」


 と言われたので、自由にやらせてみる。

 それから何秒だっただろうか、敵が全滅したのは。

 そして、俺は何をやればいいのだろうか。


「これは何作ればいい?」


「えっと、それは右から3番目、上から2番目のやつ作って!」


「こっちは?」


「一番右のボタンを連打!」


 姫乃が独り立ちしてからの俺は、彼女の質問に対して、神子都がいったことをオウム返しするだけの機械になっていた。

 そして、ほとんど3人でゲームが進んでいき、


「よし、いっちょあがりだな」


 イカつい見た目のボスが木の棒で無数に叩かれて散っていった。

 そのシーンを遠くから眺めていた俺は、さすがにボスが気の毒だと思っていた。

 そして、こんな簡単にクリアできらゲームが面白いのかと考えていると、俺と同じように感じている奴がもう1人いた。


「E381ADE38187、E38193E381AEE382B2E383BCE383A0E6A5BDE38197E38281E381A6E3828B?」


 リザルト画面を消すと、真っ黒の画面にメッセージボックスと意味の分からない英数字の文が表示されると同時に、モールス信号でこの文字列が打たれている音がした。

 画面の向こうの奴は何を言っているんだと不思議に思っていると、姫乃がこの文章を翻訳してくれた。


「『ねぇ、このゲーム楽しめてる?』って書いてあるよ」


 まさかの今度は俺が伝えられる側に回ってしまった。


「これって読めるんだ……。それより、誰が送ってきてるの?」


 誰なのかはわかっていないが、こんなことをできるのはどうせこいつらなのである。


「E38284E381A3E381B1E3828A、E38282E38186E381A1E38287E381A3E381A8E5BCB5E38184E3818CE381AAE38184E381A8E9A0ADE78197E3818FE381AAE38184E38288E381AD?」


「なんだって?」


「『やっぱり、もうちょっと張り合いがないと面白くないよね?』だって」


「テンポが悪くてムズムズするな」


「じゃあ、命もこれが読めるように勉強する?」


 そんな限定的な言語の勉強はしてられないので、向こうが日本語に変換できることを祈る。

 とりあえず最初にやることは、その変な文字列を日本語に変換してもらうことに決めた。


「ということで神子都よろしく」


「あたしは読めるからこのままでいいんだが?」


「私も何書いてあるかわからないから頼むよ」


 そうやってお願いすると、神子都はめんどくさうにしながらもゲームの本体を鷲掴みにして、本体からデータを無理矢理向こうの神様に送信した。

 少しの間、ロードが入ってから表示された文字はすでに日本語になっており、モールス信号も人の声に変わっていた。


「ごめんごめん、ゲームばっかりやってたから言葉変えるの忘れてたよ」


「それで、お前は誰だ?」


「僕はゲームの神様のニムだよ。いや、君たちがあまりにも簡単そうにクリアするから、僕が代わりに相手になろうかなと思ってやってみたんだ」


「ほう?」


 あのー、俺がまだほとんど遊んでないんですが。

 難易度を勝手に君たちのレベルに上げてもらわないでいただけるだろうか。

 ただでさえ難しいのに、これ以上難しくされたらリスポーンぐらいしかやることがなくなってしまう。

 しかし、神子都がもう止まりそうもない雰囲気を出しているため、普通のプレイはこれが終わってから1人でゆっくりやることにした。

ネラの前何やったっけって確認したら、その時もチカとゲームしてました。

前のことすぎて忘れてましたね。

これからも各話の間にゲームの話が挟まってきそうだな......。


進行度 39%


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