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第39話 初めての帰宅

やっとこさ書く時間が取れるようになりました。

自由になった代わりに言い訳ができなくなるところが現実って感じがするな。

とりあえずは書くことを習慣づけるとこから始めようと思います。

定期的な自由が最高ですな。

 ネラとアルヴァが建て付けの悪い小屋まで帰って来ると、(ミコト)に貰った紙粘土が膨張を再開し始めた。

 紙粘土は球状のままある程度の大きさまで膨らんだ後、むにゅむにゅと下側から形成が行われ、形ができた部分から色も付けられていく。

 完成した後に中に入ると、そこにはネラが破壊したものと全く同じ光景が広がっていた。


「うわ、中まで完璧に再現されてる」


 城内に1歩踏み入れた時点で今後の展開を察してしまったネラは、思わず苦い顔をしてしまう。


「良かったですね。あの小屋に長い間住むことにならなくて」


「私、ここにいるのが嫌で逃げ出したんだけど……。誰視点の良かったなの?」


「もちろん、姫様視点ですよ。あっちはいつ崩れるか分からないので」


 顔色1つ変えずに話すアルヴァに疑惑の視線を送りながら進んでいると、とうとうネラが1番見たくないものが出てきた。

 外側からちゃんと見るのは初めてだが、扉の大きさと両開きの構造から簡単にその部屋だと感じ取れた。


「またここに入るの?」


「申し訳ございません。私はまだ姫様を完璧に守ることができませんので」


「だってこの中にいてもやることないんだよね」


ネラが大きなため息を吐こうと息を大きく吸ったところで、何かに気づき吸ったまま息を止める。


「あっ、射的の練習しないといけないか」


「そうですよ、私も姫様もあの神子都様との勝負を控えているのですから」


 今回は協力して遊んだが、今度やるときは敵同士になる。

 あんなデタラメな能力を相手にするというのに、こっちは1発弾を撃ったら行動不能になってしまうという何とも大きなハンデを背負っているのだ。


「でも、練習して神子都ちゃんに勝てるようになると思う?」


「そうですね、1撃でも当てられたら上出来でしょうね」


「う~ん、多分無理ね」


 アルヴァの最大限の譲歩をバッサリを切り捨ててたネラは、その理由を淡々と述べた。


「神子都ちゃんまだ全然本気出してなさそうだったし、できても抜剣までかな?」


 それを聞いたアルヴァは無表情のまま首だけ動かしてネラの方を見始めた。

 その顔からは全く感情は読み取れないが、全身から放たれる雰囲気が彼が考えていることを教えてくれる。


「私の力ではそのくらいが限界でしょう。ですが、私よりも分が悪い姫様は勝てるのですか?」


 そこまで言うあなたはどうなんですかと言わんばかりのカウンターをぶつけると、ネラは視線を上に向けて数秒黙り込んだ。


「……勝てるわけないでしょ」


「そこまで考える必要はないと思いますが」


 そうやって言い返すと、下からジトっとした目で睨みつけられる。


「いいでしょ! 微かに可能性があるかもしれないんだから!」


 微かになんて言葉を使われたら、まあそうだなと言うしかない。

 運やら少しの状況の変化で結果が変わってくるのは間違ってないからだ。

 しかし、その確率の小数点以下には何個0が付いているのかはあまり考えたくない。


「ふぁ〜ぁ、今日は疲れたからもう寝るわ」


 ネラが大きくあくびをすると、自分で扉を開けて部屋に戻って行った。

 ネラが自室に戻ると、アルヴァにも久しぶりの休息が訪れる。

 祭りの時には神子都がいたとはいえ、警戒は怠っていなかったので、城の中にいる時よりも精神がすり減っていた。

 アルヴァは少し肩を落とすと、短く息を吐いて体に残っている緊張を外に追い出した。


「ふぅ~、流石に私も疲れましたね」


 ネラの部屋の扉の近くの柱に身体を預けて、少しだけ休憩をする。

 すると、ネラが扉を顔が出せるだけ開けて、何かを差し出してきた。


「今日の分の加護が残ってたから、これあげる」


 差し出された手に持っていたのは、神子都をイメージして作られているであろう人形だった。

 黒いボタンの目に黒の毛糸の髪、灰色のフェルトで仕立てられた服を着ているので、彼女で間違いないだろう。


「神子都ちゃんを意識して作ってみたの。これで練習してみたら?」


「これで……、ですか?」


「そうだよ。感想はまた明日聞かせてね」


 ネラはやりたい事だけやって、バタンと扉を閉めてしまった。

 説明が足りないまま帰られてしまったが、多分この人形を相手にしろという事なのだろう。

 アルヴァは窓の縁に神子都人形を置いて、修復した愛剣の柄に手を当てる。


「ふっ」


 脱力した状態から瞬時に力を入れる事で、初速から最高速に近い速度を生み出す。

 剣の軌跡はちょうど神子都人形の首を捉え、その風圧で毛糸の髪が一斉に逆立ったが、いつまで経っても神子都の首が床に落ちることはなかった。


「……やはり、ちゃんと抜剣できるようにするところからですね」


 アルヴァが手に持っている剣は、また刀身が根本から折れておりほとんど柄だけにされていた。

 それを鞘にしまいながら、ため息に似た息を細く吐き出す。


「どうしましょうか」


 その後も無数に攻撃を仕掛けてみるアルヴァだったが、結局は人形に触れることさえ敵わなずにその日は終わってしまった。

 ネラの衝動的な行動から始まった外出は、神子都を出会ったことによって2人の世界観を大きく変える出来事となった。

ネラとアルヴァの話は一旦ここまでですかね。

黄身が姫で白身が騎士だなと思ってからすぐに書き始め、かなり地獄を見ましたが、最後はなんとかなったんじゃないでしょうか。

キャラを作る際はアリスやチコのような、好きな物がハッキリしてるように作らないとダメみたいですね。


進行度 37%

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