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Lonely nightmare  作者: アーヤ
チャプター2 赤を嫌う赤ずきんちゃん
6/9

#5

 ――ここ、どこだろう。

 何もない真っ暗なところ。


 目の前には、ドアが一つ。


「行くしかない」


 ドアの向こうは、森だった。

 そうだ、もし迷子になっても戻れるように、目印を……。


 そう思って振り向いたら、何もなかった。


 ドアすらなかった。どこを見渡しても森。そうだ、これはきっと夢なんだ。


 じゃあ、ここを歩いてもいいんじゃないか?

 何かに導かれるように、僕は歩き出した。


 少し歩くと、赤い一軒家が見えた。

 誰かいるかもしれない。


 そう思って、ドアをノックしてみようとした。

 すると、右手がドアの向こう側に行ってしまった。そう、感覚こそないが、どうやら僕は今透明人間らしい。


 もっと夢っぽくなったな。


「じゃあ、明日おばあちゃんの家に行ってきてちょうだいね」


「うん! おやすみなさい」


 赤い服を着た女の子と、その母親らしき人がいた。

 女の子は母親と別れて子供部屋に行った。


 僕は透明人間だから、気づかれることもなく子供部屋に入った。

 壁には「レイチェル・ホワイト」とサインが書かれた飾りが掛けられている。


 ってことは、この部屋を使っているこの子が子供のレイチェルか。

 それに、母親といるなら、孤児院に来る前の三歳くらいということになる。


 その時、目の前が真っ暗になった。


「じゃあ、ママいってきま~す!」


 レイチェルは次の日の朝、花の入ったかごを持って外に出て行った。

 鼻歌交じりにルンルンと、スキップしながら歩いてる。


 しかも何回かコケながら。その度に声を上げながら大泣きして、目に映った虫や花に気を取られて、涙が止まる。


 “おばあちゃんの家”らしきところに着くと、ドアをノックした後にすぐ入った。


「おばあちゃん! おみまいに来たよ~」


「おやおや、ありがとうねえ」


「うん」


 おばあさんも優しそうな人だ。

 レイチェルの頭をなで、微笑みかけていた。


 そして、昼食を食べて、おばあさんはレイチェルにこういった。


「今日はいつもより日の入りが早いから、今日はここに泊って行きなさい」


「え、でもママが……」


「大丈夫。ママにはもう連絡しているからね」


「分かった」


 レイチェルはおやつを食べながら、そう言った。

最後まで読んでくださりありがとうございます。

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