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Lonely nightmare  作者: アーヤ
チャプター1 明るい日常
5/9

#4

「さてと、僕も部屋に戻ろうか」


 エールは今日も一人。寂しがっていないだろうか。

 ――明日、屋敷に行ってみよう。


 僕は眠りについて、翌日を迎えた。


「じゃあ、行ってきます」


「行ってらっしゃい」


 エールの好きな作家の新作を買って来たけれど、読んでくれるかな。

 それに、彼女が外の世界へ行く日は来るのだろうか。


 来る……。いや、やっぱり来なくていい。

 だって、もし外で生きてしまったら……僕も一人になるじゃないか。


 エールはベッドの上で本を読んでいるだろう。

 そう思って、僕は寝室の窓をノックした。


「久しぶりだね、エール」


「ええ、今開けるわ」


 寝室に入ると、彼女はせき込みながらベッドに座った。

 ベッドサイドの机には大量の本が積み上げられている。


「エールは、寂しくはないのかい?」


 そう言いながら、僕もベッドに座った。


「――平気よ。一人の方が良いもの」


「そう……」


「でも、あなたには離れないでほしいわ。……おかしいわね。だって、一人がいいのに、あなたが私の世界から消えたら、私壊れちゃいそうなの」


 ――ッ! いや、違う。もう彼女は壊れているんだ。

 だって、彼女と会う時はいつも頬に涙の流れた跡があるんだから!

 僕の前で泣いたことはないけれど、一人きりの時はいつも泣いているんだ。


「どうしたの?」


「ううん、何でもないよ! あ、今日は星がきれいに見えるらしいんだ。だから、エールも外を見るといいよ」


「ええ、分かったわ」


「うん、じゃあね」


 屋敷から出て、僕は持っていた本を見た。


「あーあ。結局渡せなかったなあ」


 日本にはチョコレートを好きな男の子に渡す日があるらしい。

 僕もそんな日の女の子みたいだ。


「あ、おかえりなさい! 先生」


「うん、ただいま」

最後まで読んでくださりありがとうございます。

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