#2
「えっと、私はまだ勉強しないといけないので、これで」
エティはすぐにドアを閉めてしまった。
「あ、行っちゃった」
でも、セシルから口下手ってことは聞いてるし、刺激しない方が良いよね。
まだどんな子かも知らないし。
そう思って、僕はフローレンスの部屋に向かうことにした。
紅茶を飲んでみたい。ここ数日何にも食べていなかったからお腹空いたから、アップルパイも食べたい。
ドアをノックすると、部屋の中にセシルがいた。
「あら、どうしましたの?」
「えっと、紅茶飲みたいなと思って……。もしかして、今話してた?」
「いえ、大丈夫ですわ。どうぞ」
セシルの隣に座って、僕は紅茶とアップルパイをもらった。
「ありがとう。二人は何していたの?」
「フローレンスに宿題教えてもらってたんだよだよ。俺、頭悪ぃから、たまにフローレンスに教えてもらってんだ。ここに来る前は、学年トップの成績だったらしいから」
「ふふっ、それはもうずいぶん前のお話ですわ」
「えっと、二人は年齢近いの?」
「ええ、私もセシルも十六歳よ」
「でも、一番最初にここに来たのはレイチェルだよな」
「ええ、三歳の頃に来たようですわね。さあ、セシルまた勉強を再開しましょう」
「じゃあ、僕はもう部屋に戻るね。おいしかった、ありがとう」
それだけ言って、僕は部屋に戻った。
荷物の整理もしないといけないし。
ここにいる人はみんないい人そうだ。
そう思いながら本棚に本を入れる。
「あ……」
本に挟んでいた写真が落ちた。
「……もういないんだから、思い出さないように読み終わった本に挟んでおこう」
一通りの整理が終わって、勉強していると、レイチェルが呼びに来た。
「エドワード、夕食の時間だよ」
「分かった」
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