沈殿
壊れた夢や哀しさは 捨て去ることもできぬまま
時が過ぎれば、ひそやかに こころの底を沈みゆく
消えてしまえと願えども 忘れようとも思えども
忘れたことにしてみても 沈んだものの重たさは
いつか、こころを押しつぶし 鈍い痛みを伝え来る
「消えることなどあるものか 我は汝だ」と嘲笑う
こころが凪いで静まれば 想いの底の奥深く
朽ちることなく降り積んだ 哀しいものを映しだす
忘れたふりをしてみても 「ここにあるぞ」と気づかせる
こころの底の掻き乱れ 哀しき夢の舞い立てば
揺らめく色は、様々に いまへと過去を伝えきて
遠き季節を呼びかえす 遠き記憶を呼び覚ます
詮なきことと知りながら 甲斐なきことと知りながら