星の掃除係
真っ暗な闇の世界が広がっていた。
そのところどころに、キラキラ光る星のお嬢様達が住んでいた。
ソアラはホウキを握りしめ、今日もせっせと働いた。
世界に漂う塵を丁寧に1ヶ所に集め、ふぅと息を吹きかけ、人差し指でつんとする。
すると、塵の固まりはピカピカと光りながら、真っ暗な闇の中をするすると進んでいく。
ソアラは星のお嬢様によく叱られた。
お嬢様の体を蒸しタオルでそっと拭き、ブラシで優しく撫でるのだが、時々お嬢様の体の欠片がぽろりと落ちてしまう。
そうしてソアラは「この役立たず!」とお嬢様に頭突きされるのだった。
お嬢様のお世話をし、落ちて塵となった星の欠片をせっせとホウキで掃いて集める。
そんな毎日を繰り返していた。
「短冊便、お届けに来ました!」
ソアラは1枚の橙色の紙を受け取った。
そこには「お父さんと流れ星が見たいです」と書かれていた。
ソアラはヒリヒリ痛むでこぼこのおでこを押さえ、またホウキを握り、掃除を始めるのだった。