ステータスと運命の預言者 その2
前話のタイトルと後書きを修正しました。
「ま、まぁあくまでスキルは予想だから、まだ希望は……」
「無いよ」
そうきっぱり言い切った声の方向を見るとフード付きの白のローブを着て顔がわからないようにしている不審者がいた。
「鍵は掛けてたと思うんだけど、不法侵入じゃないかな?」
「そんなことより今日は君に忠告をしに来たんだ」
「忠告?」
白のローブから少し出ている髪の色は金色で声は中性的で性別がわからない。
そんなよくわからない不審者は話を続ける。
「そうさ、ボクは君を導くためにやって来たんだ。よーく聞いた方がいいよ」
そう白ローブの奴は言っていつの間にか右手に持っていた『運命の書』とタイトルに書かれた本を読み始めた。
「本の運命によれば……君は数日後、自身のスキルを活用せずしてクラスメートのピンチを救わなかった。その行動は世界滅亡へと導く。だからこのボクが君を導きにやって来たんだよ」
「何それ……意味がわからない。どうして僕が世界を滅ぼすことになるんだ? そもそも君は何者なんだ?」
「ボクは……そうだな、『運命の預言者』とでも呼んでくれ。スキルの詳細は世界図鑑で確認するといいだろう。……あぁそれと、紅蓮竜也には気をつけた方がいい。彼は君に世界滅亡をさせることを望んでるからね」
「ちょっ! 答えになってないだろ……。っていない!?」
すっと歩くようにして消え去った謎の預言者。
クラスメートには金髪はいなかったし声も聞き覚えがないから怪しい人物には変わりない。
それに紅蓮竜也って人、日本人っぽい名前だけどクラスメートにはいなかったし……。
とりあえず運命の預言者はスキルの詳細は世界図鑑で確認するといいって言ってたから発動してみるか。
……どうやって発動するんだろう?
「まずは……スキル名を口にしてみる、とか? 世界図鑑」
その言葉を口にした瞬間、一瞬意識が遠のいたかと思えばいつのまにか目の前に無数の本が浮かび上がっている一面真っ白な場所に来ていた。
「何処なんだここ……」
[ここは世界図鑑の中に用意された特殊な空間です]
少女らしき声が僕の問いに答えるように返ってきた。
「特殊な空間? どう言うこと?」
[この空間の24時間は外の世界では1秒も経ちません。ここでナビゲーションの私に知りたいことを言っていただければその内容に相応しい本が読めるようになってます]
なるほど……たしかにこれなら僕のスキルの詳細もわかるかもしれない。
どうして運命の預言者がこのことを知っているのか……本当に預言者なのかま怪しいけど、未来予知のようなスキルがあるかもしれないから今は考えないようにする。
「だったら今僕が持ってる言語理解、タキオン加速、絶対空間、永久機関、特異点、世界図鑑、錬金術、この七つのスキルについて知りたい」
[了解ですっ!検索を開始します……完了しました。本が降りるので頭上にご注意ください]
何故か今まで抑揚を感じられなかった少女の声が急に嬉しそうに返事をした。
……もしかして少女の声はこのスキルに宿ってる意思なのか?
そんなことを考えていると目の前に一冊の題名やあらすじが書かれていないラノベサイズの茶色の本が降りてきた。
「この本を読めばいいの?」
[はい。また何かあればまた言ってくださいね]
「わかった」
本を開くと勝手にページが捲られてページが固定された。
「ここを読めってことか?」
捲られたページには都合よく僕のスキルが載っていた。
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スキル解説▽
スキルは
任意で発動する(A)スキル
常に発動する(P)スキル
主にこの二種類に分けられている。
言語理解(P):あらゆる言語がわかるようになる
タキオン加速(A):一時的にタキオン粒子を取り込み光速を超える速さで動ける。また、移動に限らず行動全般や、思考・感覚までもが加速される。動ける時間はスキルレベル×10分で連続発動は可能だが1秒につき魔力を100消費し、魔力が0以下になった場合解除される
絶対空間(A):何でも入る無限の広がりを持つ全てが静止した空間
永久機関(P):食事をしなくとも生きられる。また、食事をすると食べた物によって体力や魔力が回復する
特異点(P):自身の存在する時間軸が消滅しても存在できる。また、時空干渉の影響を受けにくくなり、強い意志があれば時空干渉の影響は受けない。特性の特異点と効果は全く同じ
世界図鑑(A):ナビゲーションのアクセス権限レベルによって世界に接続して情報を得られるスキル。接続するとスキルの持ち主と共に図書館のような場所へ行き、スキルレベルが高い程重要な情報を知れる
錬金術(A):魔力を消費することで物質を変化させたり作り出したりできる。魔力消費量は作る物の大きさや質量で変化し、スキルレベルが上がると魔力消費量は軽減される
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なるほどね。(A)と(P)はそう言うことか。スキルの効果も分かったし運命の預言者の言った通りだった。
……そう言えば運命の預言者や紅蓮竜也、それに黒影留空。
この3人はわからないことだらけだし、聞いてみようかな。
次話は新しい話となります。
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