ナビゲーションな彼女
ようやく一章の終わりを随筆し終えたので投稿します。
「それじゃあ帰るわね? あなたの目的は晴兎くんを手助けすることみたいだけど私もある程度は手助けをするつもりだから」
「いいだろう。……もう一人のワタシよ、これだけは忠告しておこう。紅蓮竜也にだけは信用するな。絶対にな」
「じゃあ行くわよ」
「わ、わかった」
僕は結局よくわからないままいつのまにか制服姿に着替えていた黒影留空に腕を掴まれると次の瞬間には目の前に無数の本が浮かび上がっている一面真っ白な場所に来ていた。
「……ってことは戻ってきた? ……そうだ! ナビゲーションの彼女は!?」
辺りを見渡すがいつの間にか黒影留空の姿も消えていた。
[……はっ!? 私はいつのまに寝て……。ごめんなさいマスター! け、検索を続けますね!]
「いや、調べなくていいよ」
これ以上調べると何が起こるかわからないし、身の安全も保証されないからね。
「それより、ここから出る方法を教えてくれる?」
[わかりました。ここから出たい、そう言えばここから出ることはできます]
「わかった。ありがとね」
[ま、待ってください! マスターのサポートをさせてください!]
「サポート?」
[ナビゲーションの が宇美矢晴兎をマスターに認定しました][ナビゲーションに命名してください]
僕が彼女に聞き返すと彼女の声とは違う機械的なアナウンスが聞こえた。
「今の声は?」
[今の声は恐らく天の声と言うこの世界のシステムです。天の声は本人しか聞こえないので確証はありませんが]
天の声……そしてシステム……まるでゲームみたいだ。
それにしても名前……名前をなんてつけようか。
彼女はナビゲーション……ナビって言うよりいろいろ教えてくれる案内人みたいな気もする。
それにしても彼女はスキルの意志みたいな気もする。
だったらスキル案内人?
いや、それが名前だと酷いから……『すきるあんないにん』を並べて何かできないかな……。
そうだ、スキルの最後の文字の「ル」と案内人の頭文字の「あ」をとってルア?
いやでも黒影留空と名前が被ってるからルーアにしよう。
何故か僕は懐かしいような思いすらするほどこの名前にしっくりときた。
「ルーアなんてどう?」
[ルーア、ですか。ありがとうございますマスター! 今日から私はルーアと名乗ります!]
[命名が完了しました][スキル学習するサポーターを習得しました][スキル学習するサポーターは本来の習得条件を満たしていないので能力が制限されます][スキル限定憑依を習得しました]
天の声が再び聞こえる。
内容的にはスキルを2つ習得したらしい。
「今手に入れた2つのスキルについて知りたい」
[わかりました]
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スキル解説▽
学習するサポーター(A):世界の情報にアクセスできる権利の最高ランク、アクセス権限レベルXを持ってしてレベルXまでの権限のスキルを無制限に取得できる(全効果封印中)
限定憑依(A):学習するサポーターに宿っている人格を自身に憑依することで身体の主導権を渡す。その間は封印中の効果を使用でき、アクセス権限でスキルを取得したスキルはスキル解除後に全て失われる
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「ルーア、これからよろしくね」
[はいマスター!]
やる事も終わったしここから出るか。
「ここから出たい」
そう言うと一度真っ白に視界が染まった後、元の部屋の景色が目に映った。
「戻ってきた……のか?」
そんな息を吐く暇もなくドアを誰かがノックをして来たのだった。
「今度はいったい誰が来たんだ」「続きはよ」「展開が読めない」
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