2学期の始まり
2学期が始まり今日は始業式だけで、学校は終わりだ。オレは屋上へ続く階段を歩いていると後ろから声をかけられた。
「しんちゃん、帰らないの?」
声をかけてきたのは、燐だった。
「帰っても暇だからな。ってかしんちゃんはやめろ。」
「えー、今更まことって呼ぶのもなんか違う気がするし…」
(名前を間違えてるのに、違うって、)
言葉に出さず心の中でツッコミを入れた。そう燐は幼い頃からに間違えて呼んだ呼び方をずっとしている。
オレは残りの階段を上り、ドアを開け屋上に出た。そのタイミングで呼び出しの放送が流れた。
「1年、伊藤燐、学校に残っているなら職員室に来るように。」
「おいっ!呼び出しだぞ!」
「聞こえてました〜。わたし何かしたかな?」
生意気な返事をし、呼び出されたことを疑問に思いながら職員室に向かっていた。そのうち、竜馬と直也が来るだろうと思い、屋上で日向ぼっこをしようとした。
日向ぼっこをして、10分程経った時に直也が走って屋上に来た。
「真さん、今の放送聞きました?燐ちゃんが呼び出しくらってますよ!何かの間違いですよね!」
「何で呼び出しで悪い事が確定なんだよ。それはお前だけだろ。」
「燐のことだから、教師の手伝いでしょ?」
と、直也とは対照的に冷静に屋上に入ってきたのは、竜馬だった。ちなみに竜馬は学校1カッコいいと噂されている。背が高く、勉強も出来て、合気道の有段者でもある。ハイスペック過ぎだ。直也の紹介をしとくと、こいつは田舎によくいるヤンキーでアホだ。
「まあそんなところだろうな。」
オレは返事をした。そして、屋上に隠してあるタバコを出して火をつけた。
「オレも吸っていいっすか?」
「1本くれ、真」
タバコを竜馬と直也に渡し、ライターの火をつけた。屋上で吸っていることは、オレ達3人を除けば、楓と燐しか知らない。
「竜馬さんがタバコ吸ってるのは意外ですね。今更ですけど。」
「オレは意外じゃないのかよ。」
「真はヤンキーよりだから、吸ってても違和感ないだろ。オレはこいつの付き合いで吸ってるだけだよ。」
「どこがヤンキーだ!何回かケンカしたことあるだけだろ。」
「2人共、成績良いっすもんね。見つかってもそんなに怒られなさそうっすね。」
「直也は1発で退学だろうな。」
などと、話をして笑っていた。