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悠久のワールドガーデン  作者: 加治 翔馬
01 王都アグナハル篇
9/27

来訪者

《…実はあなたにお願いがあるの。ここから少し離れた洞窟があるんだけどそこに隠れているゴブリンロードを私と一緒に倒して欲しいの。このまま放置していたら三日後には王都へ侵攻してしまう…》

レイはその場にびっくりして立ち上がってしまった。周りからなんだなんだと変な目で見られていたのをみてそっと座り直した。


《誰に向かってこうやって話しても通じなくてね…。でもあなたは唯一反応してくれたの。未来に起きることなんてわかるはずないって思ってるんでしょ?でも本当なの、私を信じて…》

アカネは涙を拭いながら必死にみえた。

レイは頭の中で返事をしてみた。


《…?…わかった、君を信じてみるよ。俺の名前はレイだ。まだ冒険者登録もしてないし力不足かもしれないけどいいかい?》

《うん、聞こえてる。ありがとう。洞窟へ向かうには今日はもう遅いからまた明日の朝に出発しましょう。よろしくね、レイ君》


そういってアカネは席を立つと自分の部屋へと戻っていった。

レイは少し冷めてしまった食事の残りを食べると料理の支払いに大銅貨2枚を支払い自分の部屋へ入った。

部屋は少し狭くて質素だったがちゃんとしたベッドがあり、レイはそのまま倒れるように寝た。



翌朝、レイはそのまま寝てしまったことを少し後悔しながらも食堂へむかった。


「お兄ちゃんおはよー!ご飯出来てるよー!」


ベッカがそういうとアカネのいる席の目の前に食パンとスープとサラダが並んだ。


「お兄ちゃんこのお姉さんと仲良いんでしょ?ここに置いとくね!」


この子はめちゃくちゃ気が利く。いや、良く人を見ているな。凄い。


「おはよう、よく眠れた?」


アカネは普通に話しかけてきた。


「あぁ、そのまま倒れるように寝てたよ」

「疲れたのね、ほら、寝癖たってる」


慌てて髪の毛を直そうとするがどこが変なのかわからないため、髪の毛がぴょんとはねたまま食事に手をつけていた。



「お兄ちゃん、お姉ちゃん、また来てねー!」


ベッカは元気に手を振って二人を見送った。いい店だった、また機会があればこよう。


アカネが先導して歩いているとレイの方に振り向いた。


「改めてよろしくね、私の名前はもう知ってるわよね。アカネって呼んでくれて構わないわ。所謂冒険者ってところよ。職業は侍。サブ職業は忍者。武器は刀をメインに使っているわ。あなたは?」


サムライ?ニンジャ?それに職業って冒険者は冒険者じゃないのか?

様々な疑問が浮かんできたがその場ではそれについて言及しなかった。


「こちらこそよろしく。気軽にレイと呼んでください。俺はこの背中のロングソードと魔法がある程度使えます。職業はアカネさん風に言うならば魔法剣士ですかね?」


「わかったわ。あとは治癒魔法は使えたりする?」

「いや、使えるのは攻撃や補助の魔法だけなんだ、すみません…」

「いいえ、いいのよ。じゃあーうーん、そうだなぁ、ステータス!」


アカネはステータスと唱えたあとに昨日みたいに空中に向かって指で突いたりしている。


「これをこうしてっと…このスキルはとりあえずいらないから…よしっオッケーよ」


アカネは右手の親指と人差し指で丸を作り、残りの三本を広げてこっちへ向けた。一体何がオッケーなんだろうか。


洞窟へと向かう道はアカネが知っているそうなので、アカネについて歩き話は続いた。


「あ、そうそう。あなたには"Tell"が出来たからもしかして私と同じことができるかもよ?あ、"Tell"っていうのは 《…これ》のことね。えーっと何から説明しようかな。とりあえずステータスって言ってみてくれない?」


何が何だかわからないレイはアカネの言う通りにしてみた。


「ステータス!」


するとレイの目の前に四角い枠で囲まれた青いウインドウが現れた。あたふたして左右を見てもそのウインドウは視線から外れることはなかった。


「…どうやらできたみたいね。そのウインドウをよくみると自分のステータスや職業がわかるってわけよ。なんて書いてあるか教えてくれない?」


名前 レイ=ティンバー

種族 人間

年齢 15歳

レベル23

メイン職業 魔法使い サブ職業 剣士


HP:178

MP:2350

STR:83

VIT : 42

DEX:90

INT:862

LUK:85


スキル

【魔法系統】

魔法位 Lv3 火 水 風 土 光 無


【ユニークスキル】

螺旋魔力 Lv.2



称号

来訪者の加護

エルダーエルフからの信頼を得た者

九死に一生を得た者


残りSP 230



「見れたかしら?その画面私にも見せてくれない?私のも見せてあげるから。」


(私の鑑定スキルレベルはまだ低いからステータスくらいしか見れなかったのよね。それにこの子、箱庭の人のはずなのに来訪者と同じくコマンドが使えてるのも気になるわ)


そういってアカネは自分のウインドウに手を置いてレイの方にひょいっと手を振った。

すると自分のステータスの隣にアカネのステータスが表示された。

レイはそれを真似してアカネの方にウインドウを飛ばしてみた。


アカネのステータスはというと…


名前 アカネ=スターフィールド

種族 人間

年齢 18歳

レベル28

メイン職業 侍 サブ職業 忍者


HP:462

MP:320

STR:163

VIT : 90

DEX:121

INT:40

LUK:31


スキル

居合抜き Lv2

白刃取り Lv1

忍術 Lv3 土 雷 治癒

罠解除 Lv2

危険察知 Lv1

忍び足 Lv1

鑑定 Lv1


燈花一閃 Lv3

飛燕双斬 Lv2

紅時雨 Lv3


称号

異世界からの来訪者


残りSP 60




…本当に侍と忍者なんだ…。レイはそう思いながら自分とアカネのステータスを見比べてみた。


「…ねぇ、このINTの強さはなんなの?しかも螺旋魔力って?しかも貴方実は魔法剣士じゃなくてメインが魔法使いでサブが剣士になってるわよ。あと来訪者の加護ってなんなの?」


いきなりの質問責めだ。

こっちが質問したい気持ちをちょっとは考慮してくれてもいいのに。


「INTっていうのは魔力のこと?俺は詳しく知らないしこんな画面なんて生まれて初めてみたんだ。こっちが教えて欲しいくらいだよ…」

「そうだったのね、じゃあ調べてみるわね、鑑定!」


アカネはそう唱えるとアカネから共有化されたウインドウに鑑定結果がいろいろ出てきて、自分でもみることができた。

鑑定レベルが低かったとしても相手の許諾さえ取れれば色々調べることができる。


【螺旋魔力 Lv2】

螺旋状になった魔力。回転エネルギーが魔力を強化させ、安定度も増す。


★現在の威力増大割合 4倍


【来訪者の加護】

来訪者の●●●●●に送られる称号。

来訪者と同じようにコマンドを操ることができる。



《…なによこれ、螺旋魔力なんていうスキルはこの世界に存在しないはずよ?ありえない。しかも来訪者っていうのがなんとなく私のことだってわかるけど、伏字になってて見れない…》


「…あのー、アカネさん、聞こえてますよ」


Tell状態で考えていたことを全て喋っていたのに気付かずアカネは赤面した。

それにこのスキルがありえないとはどういうことなのか。疑問は深まるばかりだがそうこうしているうちに洞窟の前に到着したのであった。

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