襲撃 3
レイとアカネの活躍により前線のモンスター達は殲滅することに成功した。周りの冒険者たちはアカネの事を"紅き稲妻"だとか"死神"だとか変な名前をつけられ、かくいうレイはというと"首狩りの魔術師"だの"死神の相棒"だの言われていた。
確かに僕が撃った魔法はゴブリン達の首をはね飛ばしまくったけれども首狩りはちょっとなぁなんて思っていた。
「よし、ここを野営地とする!皆の者、身体を休め次の襲来に備えよ!」とラインハルトは先程の戦闘地域より少し先にある森の入り口より少し離れたところで野営の準備をするように言った。
ここで野営をするのはゴブリン達はこの森から出てきたという情報を負傷した兵士より聞き出していたためだ。ラインハルト曰く森の入り口に罠を仕掛け、即座に対応出来るように交代で見張りをつけて一気に殲滅するそうだ。自分ならもうちょっと離れた場所で野営した方が良いのでは?と思ったがそれは口にしなかった。
しばらくして野営場からは良い香りが漂ってきた。大鍋で作られた料理に速攻で食いつくアカネ。人一倍大きい自分専用の鍋を持ってきて料理を取り分けていた兵士に怒られ言い争いになっていたのを治めるのには骨が少し折れてしまった。
「なによ!少しくらいいいじゃない!ケチンボ!」
「この料理はお前だけのために作ったわけではない!一人前にしては多すぎるだろ!」
「こんなのが一人前なわけないじゃない!言うなら少ないくらいだわ!」
はぁ、少し先が思いやられそうだ。
そして日は暮れ夜になると僕の元に満腹そうなアカネがやってきた。
「ねぇ、ちょっと散歩でもしない?」
「ん?うん、いいけどどこに行くの?」
「この森の中よ。ちょっと食後の運動にさ、いいでしょ?」
「いやいやいや、ダメでしょ!それに騎士の人たちが罠も張ってるし気づかれたらまた面倒な事に…」
「バーカ、大丈夫に決まってるじゃない、行くったら行くの。それにこれを使えば気付かれずに森の中に入ることはできるわよ」
そういうとアカネは何やら2人に銀色の粉末を振りかけた。しばらくするとアカネの姿がだんだんと見えなくなってきて最後にはほぼ背景と同化してしまった。
「これをかけると一時的に姿を隠すことができるのよ、どう?便利でしょ」
食後の運動のためになんでここまでしなきゃならないんだろうというため息がレイの口から出たが2人で散歩することに決めたのであった。
「いい?お互いの場所はウインドウの右上にあるマップのところをポチって押すだけでわかるから離れ離れになることはないわ」
レイはアカネの言う通りウインドウを表示してマップをタッチする。すると視界の右上に円状のウインドウが現れた。きっと真ん中にある矢印が自分で、目の前にいるアカネは緑色の矢印で表示されていた。どうやら自分が向いている方向をこの矢印は表示してくれるみたいだ。こんな便利な機能があるなら最初から教えてくれてもいいのに。




