表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/5

4話

今現在俺達は村長宅の中だ


もしかしてコイツがザイスさんの言っていた弟子なのか?


「ザイスさんが言っていた弟子ってのはキミの事なのか?」


「ザイス様がどうおっしゃっていたかは存じ上げませんが弟子という括りで間違いないでしょう」


という事は今後このアイナと一緒に行動を共にするわけだけど大丈夫なのか?


フェルは不満そうに唇をとがらせているし


「今回の同行は不本意ですが、ザイス様から直々の手紙に私は感動しています」


と言うと虚空を見つめ心ここにあらずといったような恍惚な表情でどこかを見だした


あぁ、ザイス様私をもっと使って下さいなどとのたまっている


「あ~忙しい所悪いがアイナさんが同行するのはわかったんだが魔国にいくにはあの山を越えないといけない」


俺達の村から西の森を抜けてサルファ村をさらに西に行くとネブラ山脈があるそれを超えると魔国はすぐそこだ


「そうですね、あの山を越えるのが一番の近道となるでしょう」


「ネブラ山っていうと魔獣ガリムントの住処じゃないか!大丈夫なの?」


ボクは心配だなぁとぼやくフェル


「えぇ、ガリムントは自分の縄張りに入る者には容赦がないと有名な魔獣です」


ですがとひとつ区切り


「このミュリスの結界石があればかの魔獣も気配をとらえられないでしょう」


そういうと小さな緑色の宝石を懐からだしこちらに見せる


「ミュリスの結界石か確かにそれがあればいけそうだな」


ミュリスの結界石とは魔封術師ミュリスが作ったとされる結界石だ


ミュリスはこの世界では少数しかいないエルフ族で魔と気を融合させる事に長けているとされる才能ある術師だ


今は何歳なのか何処に住んでいるのかなどは不明だがどこからかミュリスの品が流れてくる事がある


この小さな宝石でも結構な高値になるはず


「どこで手に入れたかは聞かない事にして一応ネブラ山は抜ける目途はたったみたいだな」


「では、一旦話はここまででよろしいですか?私は明日には出られるように準備をしておきます今晩はこの村でゆっくりしていくと良いでしょう」


「あぁ、そうするよ」


それだけ言うとアイナは用は済んだとばかりに部屋から出て行った


「リュート、ボク達は村の宿に泊まろっか」


部屋の外で待っていた村長に挨拶をしてその日は村の宿に泊まらせてもらった


もちろんフェルと部屋は別で


次の日朝の支度を終えて宿から出ると


出入口近くでアイナが待っていた


「準備はよろしいのですか?」とでかいリュックサックみたいなのを背負っている


「あぁ、大丈夫だそれにしても大きいな重くないのか?」


「そんな軟な鍛え方はしておりません、この程度造作もない事」


とかいってあの子気を使って身体能力をあげてるよ


と俺に小声で囁いてくるフェル


俺もうっすらだがそれには気が付いていた、ただ俺の場合は気を張っていないとなかなか判別しずらいのだ


「問題ないならいいんだ、よし行くか」


しばらく街道を進むと少しずつ人があまり通った痕跡のない道に出る


簡素な立て看板に左ネブラ山脈右イセルナ湖と書いてある


こっちですね、と迷いなくアイナが進んでいく俺達もその先へと進む


道中黙って進むのも何なので少し話しかけてみる


「アイナは主な武器は何を使っているんだ?」


「呼び捨ては非常に不愉快ですが、お答えすると短刀と短剣ですね」


そういうとくるりとこちらに体を向け膝にかかるぐらいのスカートの中から素早く抜き得物を見せる


「こちらはザイス様が私の為に用意して下さった短刀アツトウです」


日本の短刀に本当に似ているなこの形


「そしてこちらは短剣ゲセル」


刀身が黒く特徴的な短剣だ


「私の戦闘方法は力業が主体ではありません、あくまで隙をつく事に重点をおいています」


ですから真正面からの戦闘は苦手ですねとそこで話を区切る


「俺達も力業が苦手なんだ、真正面からの戦闘はなるべく避けたいな」


まぁフェルは馬鹿力があるからいざって時にはいいんだろうけど


それは言わなくてもいいだろうあくまで弓主体だからな


「ボクは結構気が扱えるんだ!アイナも結構使ってるみたいだし!一緒だね!」


「驚きました、私が身体能力を底上げするのにオーラを日常的につかってるという事を見抜くなど」


普通の人間ではなかなか気づかないのですが・・・と呟いている


「まぁ、コイツはそっち方面は昔から結構得意みたいでな俺も頼りにはしている」


「なるほど、ただのアホの子ではなかったという事ですね」


「ボクのイメージが既に定着してる!何でアホの子なの!?」


あぁぁぁ~と頭をかかえるフェル


いや、所作とかそういうので既に感じ取っていたのでは・・・?俺はフェルを見ながら考える


そうこうしている内にネブラ山入り口についた


ネブラ山、山道の手前には小さな小屋があり 手書きの文字で巡礼者用休憩所と書かれている


こんな所に巡礼の道?聞いた事もなかったが


「ネブラ山ってのは巡礼ルートのなのか?」


「いえ、そういうわけでもないはずですが聖都アルセリアスは王国より北にありますしかなり距離があるはずです」


巡礼というと聖都アルセリアスの巡礼が有名だ信徒が心身共に鍛える為に決められたルートを歩いていくというものだ


じゃあ、何の巡礼ルートなんだ?


「あれ小屋から誰か出てくるよ!」


銀色の長い髪で可愛い感じがする女性が小屋から出てきた


「あら!?まさか信徒の方ですか!?」


仲間を見つけましたといわんばかりの笑顔でこちらに近づいてくる女性


「ワタクシ、各地の巡礼ルートを回っているセルデウス教のエリスという者です!よろしくお願いしますわ!」


セルデウス教・・・聞いたことがないな


「えっと、俺達は旅の者で今からネブラ山を越えようと思いまして」


あら・・・そうだったんですの・・・と気落ちしたような顔でガックリとする少し怪しい女性


「ワタクシはネブラ山の向こうから来たのですが、今山は魔物・魔獣が増えているようですねお気を付けください」


「ご忠告ありがとうございます、腕に自信がないというまではないので大丈夫だとは思いますが気をつけますね」


「その方がよろしいかと、あ!ここで会ったの何かの縁祝福だけでもさせてもらえないでしょうか?」


正直どんな祝福かわからないがあまり大それたものでもないだろう


「いいですよ、お願いします」


では・・・と深呼吸をして術を唱えだす


「我が主神に願う、生命力に今一度の活力をレッドアゲート!」


術が完成すると同時に体に力がわいてくる


何だか疲労も少し回復したような感覚だ


「何だか少し元気になった気がします、ありがとうございます」


「ほんとだ!疲れが消えた!」


「これは・・・」


「いえいえ!主神セルデウス様の加護がありますように!ではワタクシはこれで」

と言いつつ手を振りながら俺達が通ってきた道を歩いていく



「リュート、フェルあの者の耳偽物だと気づきましたか?」


え?と二人して驚き声をあげる


「もしや、エルフなのでは?高度な擬態魔法とお見受けしましたが」


まさかエルフがこんなところにはいないだろうと俺達は苦笑した

次話投稿少し遅れます 申し訳ありません

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ