3話
それから1週間はあっという間だった
母さん達は魔族の軍勢を食い止める為に王国首都付近の砦へと向かったようだ
村を出る時にザイスさんからは隣村にいる俺の弟子を連れて行けと言われて
これを村長に見せろと手紙を渡された、最後にクソガキ共が死ぬんじゃねぇぞと一言残して
村を出て数時間俺たちが向かっているのは西の森を抜けた所にある
サルファ村だ獲物や果実が多くとれた時とかにたまに食材を交換しにいく所だ
「ねぇ、リュート西の森を抜けたからもうすぐサルファだね」
「あぁ、そうだなあの村良い村何だがいつも俺が近くを歩くと睨みつけてくる子がいるんだよな」
謎すぎる
「その子に嫌な事でもしたんじゃないの?」
人の悪い笑みを浮かべながら俺の事を見るフェル
「別に何もしてねーよ、案外俺の事が好きだったりして」
それはないでしょ~と雑談をしているとサルファ村が見えてきた
まずは村の中央付近にある小さな店を訪れる
「おっちゃん久しぶり、何か良いものある?」と店の品を眺める
ウッドシールド ラウンドシールド ダガー ショートソード 武器屋兼防具屋だ今はあまり長居はしないが挨拶だ
「おう!リュート久しぶりだな?今日は何のようだ?またダガーでも買いにきたのか?」
うんにゃ、今日は挨拶しにきただけなんだよ村長に用事があってねと言いつつ 売り物を眺める
「リュート!見てみて!グリザレスの骨を使った強化弓だって!」
グリザレスとはサルファ村の近くの山にいる物凄い固い魔獣だ
「おう!この間村近くをウロついてやがったからな!村の勇士総出で狩ってやったのよ!」
そりゃ凄いなと感心しつつ弓の値段を見る10000ゴルズか
俺の手持ちは30000ゴルズ
「フェルお前今いくら持ってるんだ?半分払ってやるからお前コレ使えよ」
「え!?嘘!?良いの???リュートが半分も払ってくれる何て!珍しい!」
ちなみにフェルの持ち金は50000ゴルドらしい
いや、俺はダガーの消費が激しいから仕方ないんだよ
「ただでさえ戦力が乏しいからなぁ武器だけでも強化しとかないとな」
「そうだね!おっちゃんコレ買いだよ!」
まいどあり!と景気の良い声が響く
ついでにダガーも数本補充しておく
その後店を出て移動しつつ村の住民に軽い挨拶して
村長宅についた 扉の前のドアノッカーを叩きつける
すると中から年老いた爺さんが出てくる
「村長、こんにちは」
「なんじゃい、リュート何ぞ用か?」
「ザイスさんからこの手紙を村長にって」
ふむ・・・と一つ頷くとその場で手紙に目を通し
「もうそんな時期か、んなら入りなさい」
そういいつつ村長は俺たちが入った後に何処かに向かってホイ!っと一声手から鳥を出して空へと飛ばした
「連絡鳩じゃ、時期に帰ってくるじゃろうて」
まぁ茶でも飲んで待ってなさい
「ねぇ、リュート村長って魔法使いだったのかな?」
「さぁ?俺はよくわからんが魔術師って極めるの難しいんだろ?俺も魔法は苦手だし」
「嘘だー!リュート何かすぐ魔法使ってるじゃん!ボクの方が魔法苦手だよ!」
いや、俺はそんな高位の魔法何て全然使えない癒しの魔法も不得意だ
「そーいやお前は気の使い方は達者だったよな」
「当たり前だよ、それは母さんから教わったんだし!それに弓兵は気で矢の威力をあげるんだよ!」
そう、そうなんだよ、でもコイツのは効果がでかいというか まぁなんだ・・・おかしいんだよな
「ま、そこは期待しておくけどなお前のその力が頼りだわ」
まかしといてよ!とフェルが笑顔で答える
こんな笑顔全開で言われるとこっちもつられて口角があがってしまうな
「気持ちわるいですね」
冷淡な一言が扉の方から聞こえた
そこにはショートカットで栗色の髪をした女が立っていた
「あ、お前はよく俺を睨みつけてくるヤツ」
「あぁ、気が付いていたんですねザイス様の足元にも及ばない愚物が」
ザイス様の命令がなければこのような愚物と行動を共にするなど・・・
と小声でブツブツと呟いている
「リュートは愚物じゃないよ!ちょっと変でいじわるなだけだよ!」
おい、どういうフォローの仕方だ
「そうですか、ザイス様が傍にいて下さりザイス様が技を教えて下さるというのに他の先生とやらに現を抜かしていると聞くではないですか?」
否定もないという事は真実なのでしょうが と呟く
「でも!リュートは頑張ってるんだよ!」
まぁまぁとフェルを宥めつつ
「まぁ確かに色んな人に教わってるけど、結構真面目にやってきたつもりだよ」
まぁいいでしょうと一言言い終えると
「私が今後貴方達に同行するアイナと言いますしばらくの間よろしくお願いします」
と淡々と自己紹介が終わった
「どーいうことなの!?」とフェルの絶叫が響いた
いや、俺にもさっぱりだ