プロローグ
つたない感じですがよろしくお願いします
更新は1週間事を予定してます
何処で生きるのにも勇気が必要だ
剣と腕を信じて生き延びるんだ・・・
矢が飛来し俺を貫こうとする戦場の中
俺は目の前の敵をたたき切る
豚の顔をした魔物オークの斧をまともにうけず
剣でながし腹の肉を裂き 首に剣を滑らす
一体また一体数えるのも面倒なほど魔物がいる
リースやアイラ・・・それにウォルドやザイスは大丈夫だろうか
余計な事考えていたせいか
体の横から全身に衝撃がはしる
しばらく地面を転がり続ける
何かに吹き飛ばされたようだ
息ができない
バカみたいにカッコつけずに故郷に戻ればよかったのかな・・・
魔物が俺に群がりだす
近くで戦っている者もいるが一度地面に倒れた奴を助ける余裕があるやつなんて・・・
「馬鹿がよ・・・だからテメーはアホだっていうんだよ」
そんな呟きが聞こえた瞬間俺の周りの魔物は一瞬にして爆裂した
肉と血がくせぇ・・・
「おい・・・もっと綺麗にやれねぇのかよ・・・」
「あ?テメーのピンチに駆けつけてやったってのに・・・ケンカうってんのか?あぁ?」
正直助かったとか絶対言いたくない
「うるせぇな・・・これから俺の超必殺技で周囲を吹き飛ばす予定だったんだよ」
「あぁ、そうかよ」
呟きながら目を細めて一点を見つめる先には
弓を持った赤髪の女アイラが周囲の敵を討ち続けている
こちらをチラりとみて
「おう!おう!ケントよぉ!アタイが助けにきてやったからもう大丈夫だ!」
「遅すぎだっつーのお前が来た頃にはコイツ死んでんぞ・・・」
ボソボソ呟いているコイツの名前はザイス
暗殺稼業をやっていた過去があるらしいのだが
今は頼れる仲間だコイツの前では言いたくはないが
「へいへい!助かったよアイラ!!!」
と叫びつつ重い腰をあげまだふらつく体で戦場に立つ
「で?何でお前らがここにいんだよ?」
「クソリーダー様が勝手に指示も出さずに敵陣に突っ込んだからだろーが」
「うるせーよこんな戦い敵将討ち取ればなんとかなるんだよ」
こんな何の益もない戦いにお前らを付き合わせたくなかった・・・
とかいうとブチギレられそうだからな
「で?敵将討ち取れたのかよ?クソザコリーダー」
「お前俺が休んでたの見てただろが、今からいくとこだよ」
「ケッ、素直に手伝って下さいザイス様って言えば気持ちよく戦ってやるのによ」
戦場で暢気に雑談してる暇はないんだが
もちろん周囲の警戒はしている
ドスドスと重い何かが迫る音がこちらに近づいてくる
そちらに目をやると眠そうな顔をした男ウォルドとその横にリースがついてきていた
プレートアーマーの大男と金髪の女魔法士
目立つなぁ
「ケント!やっと見つけたよ!一人は危ないからな!」
「そうよ!ケントこの軍勢の中をパーティメンバーほったらかして!」
うるせーよ皆一緒に死ぬぞ?何なんだこの馬鹿共は
「ハッ!馬鹿共がおせーぞ!俺がいなけりゃコイツは土に帰ってるところだったな!」
「ケント!そんなに危なかったのかぁ!?俺が盾をやるから連携とっていくぞ!」
「ウォルドありがとな、お前がきてくれれば百人力だ!」
「私も魔法で援護するわ!その前にケント!ハイヒール!」
重かった体が軽くなっていき傷が治っていく
だが失った体力は戻りはしない
「ありがとな!これでまだまだいけそうだ!」
「なんだい!元気そうじゃないか!!!まだやれそうだね!」
いつのまにか合流したアイラがさっぱりした笑みを俺にむける
「やっと5人集合だな、おいクソリーダー目指すはあの砦だな?」
「あぁ、あの中を制圧すればこの戦いも一旦は落ち着くだろう」
皆多くは語らないが気持ちは同じのようだ
本当に馬鹿な仲間だ
「よっしゃ!いっちょ目にもの見せてやるか!」
この5人の奮闘により砦を占拠していた魔族を退けたのをきっかけに
魔族の侵攻を一時的に食い止める事に成功した
王国歴326年、後にこの戦いは「グリンヘルデ砦の攻防」と呼ばれ
英雄ケントの初陣だったとされる