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白のネクロマンサー ~死霊王への道~  作者: 秀文
第四章 クラン飛躍編

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アレク、地下墳墓(B1F)へ挑む

 今日のボク達は、ヴォルクスの北西に存在するダンジョンの入口にいる。正式名称は『忘れられた墓地』。その中に存在する隠しダンジョンの事を、通称『地下墳墓』と呼んでいる。


 地下墳墓の入口は、石碑を調べる事で発見出来る。知っていれば、誰でも簡単に入れるダンジョンである。しかし、隠しダンジョンと言うだけあって、今の所は冒険者の誰にも知られていないらしい。


ボクはマジックバックから、魔法のランプを取り出す。名前の通り、魔力で明かりを灯すランプである。ゲーム時代では必要なかったけど、この世界の冒険者は当たり前に使っているマジック・アイテムだ。


「ふわ~。本当にこんな場所があったんだ……」


 先頭を歩くロレーヌが驚いている。見ればハティとルージュも同じ状態。多少なりとも、冒険者の知識があるからだろう。


 ギリーとアンナは反対に、周囲への警戒を強めているだけだ。驚いた様子が無いのは、そもそもが全てのダンジョンに対する知識が無い為だ。


 冒険者としては新人である二人にとって、新規ダンジョンがどれ程珍しい物かわからないのである。


「それにしても、これも賢者様が残した知識なのですか?」


「ええ、そんな所です」


「やはり、そうなのですか……」


 ルージュは感心した様に頷いている。しかし、当然ながらこの知識は爺ちゃんの物では無い。ボクが生前に持っていたゲーム知識から来る物である。


 ……面倒だし、本当の事を言うつもりは無いけど。


 全員が階段を下りた事を確認し、全員の顔を見渡す。ボクの意図を察して、全員の視線がボクへと集まる。


「さて、ダンジョン攻略に向けて作戦を伝えます。ここの地下墳墓はゾンビ系、スケルトン系、ゴースト系の魔物が出現します。その中で、ゴースト系は物理攻撃が効きません。まあ、対策装備があるのでボク達には関係無いですけどね」


 ボクの説明にハティを除いた全員が頷く。アンナは元より魔法攻撃を行う。ロレーヌには火のダガー、ギリーには火の弓がある。そして、ルージュにも火のショートソードを買っておいた。


 ……ハティはいざとなれば、エンチャントウェポンを使う方向だ。


「この地下ダンジョンは地下二階まで存在します。地下一階の魔物は弱めなので、ギリーは温存しておくつもりです。まあ、難易度は海底洞窟地下二階と、同程度と考えておけば良いでしょう」


 ギリーを除く全員が頷く。魔物のレベル感が分かり、程よい緊張感が生まれた様だ。とはいえ、行き慣れたダンジョンと同レベルと分かり、安心した様子も見えてはいる。


「そして、地下二階からは地下一階よりも難易度が上がります。地下一階で出た魔物の上位種が出現するからです。更には魔物の密度も濃いです。処理能力が要求されますので、ここからギリーに活躍して貰います」


 ギリーは静かに頷く。そして、皆の視線はギリーに注目する。ギリーの実力を知らない三人にとっては、ギリーの実力が興味津々だろう。


 だが、ギリーの実力なら問題無い。スナイパーになる以前から、並外れた能力を持っていたからだ。メンバーの期待を裏切る結果にはならないだろう。


 ……ただし、アンナの実力を知ってる皆が、桁外れの期待をしていなければの話しだが。


「後の細かい説明は、ダンジョンを進みながらにしましょう。とりあえず、攻略を開始しますね」


 ボクの指示に全員が頷く。気合は十分の様だ。この様子なら心配はいらないだろう。


 ボク達は魔法の明かりを頼りに、薄暗い洞窟の中を進みだした。




「ちょっ! スケルトン・ソルジャーが再生したんだけど!?」


「火属性武器で止めを刺して下さい」


「ぬう……!? シールドスタンが効かないだと!」


「アンデッド系に状態異常は効きませんよ」


「あの、オレは何をすれば……?」


「倒した魔物から、魔石を取っておいて下さい」


 戦闘は想定通りの出だしとなった。ロレーヌ、ルージュ、ハティの三人は初のアンデッド戦で苦戦していた。まあ、これも経験と思って、詳しい説明をしなかった為なのだが。


 そして、ギリーとアンナの二人は、そんな三人の戦闘を見ながら、しっかりと分析を行っている様子だった。この二人は自分で考えて最適解を導き出せる。ボクがしっかり見ていなくても大丈夫だ。


「ギリー、後ろをお願いして良いかな?」


「ああ、任せろ……」


 三人が手間取っている間に、数体のゴーストが背後に回っていた。ギリーは烈火の弓を試す為に、一体一体を丁寧に倒して行った。


「ギリーも流石……。私も負けてられない……!」


「精神力に気を付けて、程ほどに頑張ってね」


 ギリーへの対抗心を燃やすアンナに、苦笑しながら言葉を投げる。今のペースでもアンナは問題無いのだが、戦闘では常に全力な彼女らしい限りである。


 この調子で成長を続けて行けば、アンナが成人する頃には、今のボクのレベルを超えるかもしれない。そうなれば、誰であっても簡単に手出し出来ない事だろう。後は魔術師の弱点である近接戦闘を補う為に、どういう方向でサブジョブを選択するかだな……。


「それにしても、あの三人は凄いな……」


「え、そう……?」


 ギリーが人を褒めるとは珍しい。ボクが驚いていると、ギリーはフッと笑う。


「あの三人は少し前まで素人同然だったのだろう……? 既に環境に適応して、このダンジョンでの戦い方を身に着け始めている……」


「ああ、確かに適応能力は高いよね。リリー師匠流のスパルタで鍛えたんだけど、しっかりと付いて来たお陰かな?」


「リリー師匠流か……」


 ボクの説明に、ギリーが憐れみの目となる。過去の特訓を思い出して、三人に対して同情したのだろう。


 まあ、行ったボクが言うもの何だけど、あの特訓に付いて来た三人は凄いと思う。


「リリー師匠って、そんなに凄い人なの……?」


「うむ、賢者様と肩を並べる程の人物だからな……」


「そうなんだけど、リリー師匠は凄さの方向性が違うくない?」


 アンナの質問にボクとギリーは過去を思い出す。投げやりな態度だけど、責任感は強い人だった。


 そして、負けず嫌いだった為、こちらが課題をクリアする度にムキになっていた。


 ……思い出してみたけど、六歳の子供相手に大人げない人だったな。


「って、ボスが和気あいあいと談笑してるんですけど!?」


「しかし、支援と回復はキッチリとこなしているぞ!」


「うう、アンナちゃんを含めて次元が違う……」


 普段通りに狩りながら話をしていたら、三人がショックを受けていた。そんなに驚かなくても、いずれは三人も同じ感じになると思うんだけどね。実際、アンナも既に仲間入りしてる訳だし。


 ボクはギリーとアンナに肩を竦めて見せる。そして、未だに苦戦を見せる三人に対して、アドバイスを行う。


「ロレーヌ、ゴーストの横湧きが多いから索敵の距離を短めに! ルージュ、グールは動きが遅いから位置取りを意識して! ハティ、魔石を拾うのは安全を確認してから!」


「「「は、はい……!!」」」


 ボクの指示に、三人が背筋を伸ばして応える。その姿を見て、ギリーが呆れた声を出す。


「良く訓練されているな……」


「まあ、リリー師匠流だからね」


「リリー師匠怖い……」


 ボクの回答に、何故かアンナが怯えてしまう。リリー師匠は厳しいけど、怖い人では無いんだけどね。アンナにも、どこかで紹介出来たら良いんだけどな。とはいえ、フラッと村から出て行ったので、今はどこにいるのやら……。


 そんなこんなで、地下墳墓1階は大きな問題も無く、簡単に突破する事になった。

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