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白のネクロマンサー ~死霊王への道~  作者: 秀文
第十二章 宮廷魔術師編

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アレク、戦果に満足する

 竜の渓谷に到着し、早々にレッド・ドラゴンとの戦闘になった。しかし、結果を見れば、たったの一分で勝利を収める事となった。


 まあ、当然と言えば当然である。十人の騎士ナイトで壁を築き、三十人の魔導士ウィザードで集中砲火なのである。レッド・ドラゴンで無ければ、秒殺だったはずだ……。


 その呆気ない結果に、宮廷魔術師団のメンバーは自信を付けた。ドラゴンが恐ろしい存在としても、決して勝てない存在では無いと理解したのだ。


 そして、騎士ナイト二名、魔導士ウィザード六名、医術師ドクター一名で小隊を組んだ。今はアンナが二個小隊を引き連れ、マルコ副団長が三個小隊を引き連れて狩りに出かけている。


 アンナにはロレーヌを付け、マルコ副団長にはハティとルージュを付けた。いざ事故が起きても、ボクの『蘇生リザレクション』が有るし、半日もあれば問題無く狩りは終わるだろう。


 ……ちなみに、ボク、ギリー、ギルは、荷台の警護で待機中である。


「それにしても、良く三ヶ月でここまで育った物ですね……」


「まあね。皆のやる気が凄かったからね」


 ギルの呟きに、ボクは苦笑して答える。


 ギリーが周囲の警戒をしているので、ボクとギルは気楽な状態だったりする。


「これも、アレク様の実力と言う事でしょうか?」


「いや、彼等の気持ちの問題だろうね。これまでは宮廷内で、抑圧されてたみたいだから……」


 遠くから聞こえる戦闘音に耳を傾ける。怒声は聞こえても、悲鳴は聞こえて来ない。今の所は順調と思って良さそうだ。


 そして、ギルに視線を向ける。彼はいまいち理解が出来ていない様子だった。


「ゴーシュ小隊長の部隊は、騎士団の中では爪弾き状態だったんだ。『盾の騎士』の威光で設立したにも関わらず、最も成果を出せない最弱部隊ってね」


「確かに、その様な噂も耳にしております……」


 ちなみに、今でもチラホラと噂は耳にする。最弱部隊が運良く拾われたと……。


 そして、彼等如きでは、成果を出す事は出来ないだろうともね……。


「それと、マルコ副隊長が集めた魔導士ウィザード達も、元々が宮廷内で働く魔導士ウィザードだったんだ。ただ、騎士団から低く見られ、不当な扱いを受ける事が多かったみたいだね」


「そうなのですか? 宮廷に上がる以上、実力があるか、貴族の血縁者かと思うのですが……」


 ギルの疑問はもっとも。彼等は本来、それなりの地位を持つべき人達なのだ。


 ……しかし、それは他の国だったらの話である。


 この国では騎士の力が強すぎる。宮廷内でも強大な発言力を有しているのだ。騎士以外で有力な者達は、出る杭は打たれる状態となってしまったのだ。


「ただ、ボクが宮廷に上がってからは、騎士団も大っぴらに発言出来なくなったからね。ボクへの不満があれば、国王まで申し付ける様に、お達しが出てしまったからさ」


「ははぁ……。エドワード国王から、そこまで支援して頂いているのですね……」


 ギルは感嘆した様子だった。エドとボクの仲が、対外的なポーズとしか考えていなかったのだろう。


 しかし、エドにも思惑はあるが、ボクとの関係は本心から望んでいるみたいだ。ボクの知らない所でも、結構なサポートをしてくれてるみたいなのだ。


 ……正直、余りにもベッタリ過ぎて、時々怖くなる時もある位だ。


「そんな訳で、ボク……というか、エドの威光に守られ、活躍する機会が与えられたってこと。彼等からしたら、今までの鬱憤を晴らす、良い機会って事なんだろうね」


「……いや、それだけではあるまい」


 ボクの発言に、ギリーが言葉を挟んで来た。彼はジッとボクを見つめ、力強く言い放った。


「期待を掛けられたから……。それも、英雄と憧れる存在から……。だから彼等は、限界まで努力出来るのだ……」


「なるほど……。私としても、そちらの方が納得出来ますね」


 ギリーの意見に、ギルが納得した様子を見せる。ボクに向けられるその視線からは、敬意の色が滲み出ていた。


 ……というか、真顔でそういう事を言わないで欲しい。流石のボクも照れてしまう。


「ま、まあ……。いずれにしても、彼等のモチベーションが最大の要因だよ。ボクは強くなる方法を示した。それを信じ、実践し、強くなったのは、彼等の頑張りあっての事だからね」


「ははは、そういう事にしておきましょう」


「ふっ……」


 ……そのわかった様は顔は止めてくれないかな? 何とも言い返しにくい感じになり、ボクは一人で顔を顰める。


 ボクが一人でモヤモヤしていると、前方から一人の騎士が、ワイバーンに乗って飛翔して来た。


「アレク団長! レッド・ドラゴンを仕留めました! 荷台の準備をお願いします!」


「わかりました! すぐ、そちらに向かいます!」


 ボクの返事を聞くと、騎士は再び小隊の方へと戻って行く。その背中を見つめ、ボクはギルに声を掛ける。


「それじゃあ、引き取りに行こうか?」


「ええ、魔物調教師ビースト・テイマーの方々にも、声を掛けて来ますね」


 ギルは軽く一礼すると、そのまま身を翻す。そして、後方の荷台へと駆けて行った。


 そして、ボクは馬車の業者に声を掛ける。ボク達を先頭に、ドラゴンを乗せた荷台が前進を開始するのだった。

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― 新着の感想 ―
漫画から、話がしっかりしてて原作あるかも? と検索して辿り着き、一気読み中です。 ここまでは主人公の強さと脆さのバランスと、突然のイベントでハラハラさせされてとても面白く読み進めています。 本章か…
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