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人形勇者&口先魔王  作者: 泥人形の娘【ゴーレムガール】
召喚
21/27

知らなすぎて

「勇者?

それはなんですかネ?」


おいおい、トム!

いくら馬鹿だからって自分の敵も分からないのか?

周りを見ると全員がキョトンとした顔でこちらを見ていた。

トレニアやレプス、理者まで初めて聞いた様な顔をしてやがる。

もしかしたらこっちでは呼び名が違うのか?


『お前らや魔王、魔物を多く倒している奴の事だ。

しかも周りと比べて超絶に強い奴だぜ。

魔王を封印したり、倒したりした奴が勇者とか呼ばれてなかったか?』


「確かに周りの人間と比べて強い個体が何体かいたのは覚えています。

ですがどのように呼ばれていたかまでは・・・。

私達は見つけ次第一体でも多く壊そうと躍起になっていましたから。」


サーチアンドデストロイってか。

闇雲に殺してたって事か?


『んじゃ、何か?

お前達は戦う相手を全く調べもせずに戦ってましたってか?』


(はい)。」


『はい、じゃねーよ!

はいじゃ!

分かってんのかお前ら!

戦いにおいて大事な情報を全く集めもせずにやってたらこっちが負けるっつうの。

はぁ、まずは情報収集からだな。』


「・・・魔王様・・・勇者って・・・何?」


『あ?

あー、そうだな。

この世界の勇者に当てはまるかどうか知らねーが勇者ってのはな魔王や魔物を殺す為の力を得た奴だって事だ。

俺の世界ではそうだったな。』


「・・・どういう力?」


『んー?

例えば魔物にしか効かない魔法が使えたり魔物に効果絶大な力だったり成長が速かったりと色々だ。

勇者は人々の希望であり、神の使者でもあるって奴かな?

で勇者は魔王を倒す事が目的であり存在する意味でもある。

対魔兵器と覚えておけ。

多分お前らを倒せるぐらいは強いと思うぞ。この世界を俺が分からない以上あくまで推測だがな。

勇者を知るまで戦うなという事だ。

後、勇者は人々を救済する為の使命もある。

だから困ってる人の願いを叶え、悪を挫き、世界が平和になるまで闘い続ける存在でもあったな。』


ま、俺が知ってる勇者は他人の家の道具を盗んだり女癖が悪かったりただ強くなる為に邪神を復活させたりする碌でも無い奴もいるがな。

多くの世界(ゲーム)救って(全クリして)きたが殆どが道徳的に駄目な奴だったしな。

俺がそういうのが好みだった訳だが。

創作の中じゃ色々楽しめたが本当に勇者が外道や戦闘狂だったらそんな奴には会いたくないな。

正義は清く美しくってね。


「・・・その話・・・もっと詳しく」


クァルドは妙に食い付きがいいな。

よし「竜のお使い」の話をしてやろう。

俺がやった中でも特に王道物だからな。


「ならその勇者を倒せばいいのですかネ?」


トム。

お前は話を聞いていたのか?

俺は戦うなと言ったばかりだぞ。


「クロシキ、調べるとゆうても誰がどう調べるん?

もしかしてウチらが人に交じって情報を集めるというんかいな?」


「そうですね、クロシキ。

魔人達は人の姿に慣れますが中身までそうなるとは言えません。

何らかの違和感を感じさせるでしょう。

それにあちらには「道具を創る者」ルクマスがいます。

何らかの妨害を受けると思います。」


確かに敵が何もしてこないというのはあり得ないか。

くそ、何も知らねーから手が出せねーじゃねーか!

物理的に動けねーけど。

このままじゃ異世界に来て無抵抗で殺されました、になっちまう。

それは嫌だな。

そういえばこの世界は後いつまであるんだ?

理者は俺の居た世界からエネルギーを補給したけどそれがどれくらいか聞いてなかったな。


『理者、俺の世界からエネルギーを盗ったんだよな。

現状が続けばいつまでこの世界は保つ?』


「そうですね。

多くて一万年は保ちますね。」


・・・結構長いな。

いや世界の寿命としちゃ短いんだろうか?

人の進化と同じくらいだから長いと思うけどな。

俺の世界からどんだけふんだくったんだよ。

というより魔王の体っていつまで保つんだ?

これで明日って言われたら暴れるぞ。

物理的に動けないけど。


「ですがこれは多く見積もってです。

人が増加すればそれだけ短くなりますし、それを壊す為にそれ相応のエネルギーを使って魔物を生み出さなければなりませんから。」


そりゃそうか。

人を殺す、か。

実際に俺が殺す訳じゃないんだがな。

それでも少しくるな。

は、皮肉なもんだ。

あっちで色々な良い事してきたっていう自信あるのにな。

こういう地獄ってあった気がするな。

・・・それよりも勇者の事とこいつらの強化か。


『理者、新しい魔物を生み出したいんだが出来るか?』


「新しい魔物ですか?」


『そ、新しい魔物だよ。』


人型か偵察に優れた魔物を、だな。

いや、人を何人か攫って情報を引き出すか?

秘密裏に計画されてる何かの情報とかを運良く手に入るかどうか分からねーし上手く拐えるとは考えづらいな。

いやこいつらを諜報員に仕立て上げるか?

得意な奴がいればそうするか。


ギギ〜ッ。

その時、突然あの大き過ぎる扉が開いた。

そしてそいつら(・・・・)はいきなりこの部屋に入って来て、


「魔王!

俺達がお前を討伐して世界の平和を取り戻してやる!

勝負だ!」


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