表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夢現  作者: 天月
6/8

今回は短いです。

ガバッ!

ドクンドクンドクンドクン……

ハッと携帯のディスプレイを見る。

7月21日……。

(今日、だ・・・)

短縮の0番に登録された番号。昨日は躊躇って結局発信できなかったそこに、躊躇い無く掛ける。

「おはよう、鈴ちゃん。早いね」

2コール目で聞こえた大好きな雷くんの声。

「あ・・・お、おはようっ」

早いといわれて時計を見る。日にちばかりに気を取られ時間を見ていなかった。

人に電話を掛けるには非常識な時間だっただろうか?

(8:10? 平気だよね……2コールで出たってことは雷くんだって起きてたはず)

「あ、えっと……寝てた?」

くすっと受話器越しに耳元に届く笑い声。

(うゎあ……雷くんて凶悪っ)

「ううん、起きてたよ。ただ、鈴ちゃんが起きる時間にしては早いだろ?」

からかいを含んだ優しい声に、何時ものとおり膨れてみせる。

「もう! 意地悪なんだから」

ごめんごめんと笑いながら謝る雷くん。顔が見えなくてもその蕩けるような優しい眼差しを感じる。

ゴクン……。

「ねぇ、雷くん。今日は何か用事、ある?」

声が、震えてしまいそうだ……。どうしよう、怖い。

「ううん、別に何も。どうしたの? どこか行きたいところでもあるの?」

行きたいところなんて、別に無かった。

「あ、えっと……す。水族館に、連れてって」

雷くんと一日中一緒に居られるなら何処でも良かった。

「うん、いいよ。その代わりオレからもひとつお願い。昨日のワンピースでしっかりお洒落してきてくれる?」

あれ可愛かったから、と囁く雷くんの声にドキドキしながら電話を切った。


家まで迎えに来てもらって水族館へ。夕方まで遊んで夕ご飯を食べた後映画を見に行った。

バスに揺られて帰りながら、すっかり安心してた。

そう、アレはただの夢。雷くんは悠緋なんていう人に会いに行ったりしない。

アレはただの夢。

そう、ばかばかしい、乙女チックな、ただの夢―――。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ