第18話 天気を操る技
相手に突っ込むトーマスを後にして、ソニックとリーフは階段を駆け上がっていた。
一方、青龍、イリス、霧咲の3人は順調に階段を上り、5階にいた。
そんな3人が6階へ上がる階段へと行く途中、天井を突き破って魔物が飛び降りてきた。
「めんどくさい奴らだな、イリスここは任せる、俺達は先に上がってるから」
青龍はそう言って、リーフを連れて、階段を走って上がって行った。
「え、ちょ、待ちなさいよ…ってもういないし…」
そう言って魔物の方へイリスは振り返って
「ハァ…まぁいっか、早く片付けていこうじゃないの」
イリスはそう言って、弓と矢を取り、相手に向けた。
その頃、トーマスは、魔物との激戦を繰り広げていた。
「良く避ける野郎だ、黙って斬られれば良いものを」
そんな事をいいながらも、楽しみながら戦っている様子である。
「じゃ、そろそろ本気を出させてもらっても良いだろうか?あぁん?」
喧嘩口調で言いながら、大剣を持って、魔物に詰め寄る。
そして、一刀両断のもとに相手を斬り落とした。
「お遊びが終わって残念だったな。
こっちも疲れるのは嫌なんだ、本気でいかせてもらったぜ」
トーマスはそう言い、大剣を背中にある鞘におさめ、また階段を上りだした。
一方、イリスの方は、いつの間にか、外に出ていた。
近くにあった窓から飛び出たのだろう。
「しつこいねぇ、アンタ。しつこい奴は嫌いだよ…っても男か女か分からないや」
と言って、矢を構える。
「この矢は、雷を呼ぶ。」
また矢を構える
「この矢は、強風を呼ぶ。」
そして同じように矢を構え
「この矢は、豪雨を呼ぶ。」
そう言って、三本の矢を一気にひき放つ。
すると三本の矢は塵となり、空に舞い上がる。
「一の矢、落雷」
そう言うと、魔物に向かって、雷が落ちるが、難なく避けられる
「まぁでしょうね。予想はできるわよ、そのくらい。
次の矢、雷風」
と言うと、強風が吹き、その強風につられ、落雷も激しくなる。
しかし、それを必死に避ける魔物。
「最後の矢、風雷雨」
そういうと、強風につられながら、落ちていた雷と共に雨が降り始める。
「その雨…変わるよ」
イリスはそう言って、空を見上げた。
その雨は矢に変わり、雷を良く通す矢になる。
より、落雷の速度が速くなり、矢も残った電力でどんどん強化されていく。
矢は1秒間7本ほど落ちるが、雷はそれより早くどんどん、落ちる。
流石の魔物もそれをよけられず、矢と雷をどんどん喰らう。
そして、魔物も最後の抵抗として、イリスに突っ込んで行くが、
「残念、そこは、降矢地帯よ」
イリスがそう言って、城へ向かって歩き出すと、
魔物の上に、数百本…いや、数千本の雷と矢がまとまって、できた岩のようなものが落ちる。
そして、その下にいた魔物はつぶされたのだった。
これが天気矢。
「ここで時間をつぶしてる暇は無いの、残念だけど、先に行かせてもらうわね」
イリスは振り返りもせずそう言って、立ち去った。
その頃、青龍と霧咲はやはり必死に階段を上っていた。
すると、今度は目の前にいきなり暴走したロボットが現れる。
「あの機械もぶっ壊していいのかなぁ?」
霧咲がそう言いながら、オーブを持ち直す。
「わかんねぇ…けど、俺らに危害があるなら、ぶっ壊せば良いんじゃね?」
青龍はすんなりそう言って、横目で暴走したロボットを見る
「なら、壊しても十分だね、ファイヤ」
軽くそう唱えると、急にロボットは燃えだした。
「すげぇな、黒魔法。いままで白魔法しか見たことなかったから、そんなに威力があるとは知らなかったよ」
青龍は驚いた口調で、霧咲を見る。
「ま、下級魔法だからそうでもないんだけど、上級…いや最上級まで来たら最強だよ」
霧咲は軽く言って、先に階段を上がって行った。
しかしまだ、最上階までは長い。どこまでいくのだろうか。