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Exceed  作者: 肉球ぷにぷに
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潜入、ブラッククレイドル


朝焼けが荒野を赤く染める中、シトラ達は新たな隠れ家で次の行動を計画していた。岩窟のテント内で、リナがSkyのデータログを解析し、興奮気味に声を上げた。「シトラ、ここのデータ…『アルテミス』は宇宙にあるエネルギー供給システムだよ! ルナリスの復興に必要な無尽蔵のエネルギーを作り出せる。これが本当なら、戦争を終わらせる鍵になる!」


シトラは胸元のペンダントを握り、父の言葉を思い出した。「アルテミス…それが父さんが追い求めた希望の光なんだね。」彼女の瞳には決意が宿るが、同時に不安がよぎる。ガロンの裏切りと軍の追跡が、彼女たちの背後に迫っていた。


カイが地図を広げ、斥候から得た情報を確認する。「ガロンは荒野の廃墟に潜伏し、軍と手を組んでいる。奴の狙いはそこにあるイクシードの奪取だろう。軍の秘密施設『ブラッククレイドル』に、Skyと同じ技術を使ったもう一機のイクシードがあるらしい。そこにガロンも向かっている可能性が高い。」


リナが工具を手に、ニヤリと笑う。「それなら先にその施設に潜入しようじゃないか」


シトラは静かに頷いたが、心には重い予感が広がっていた。父が残したSkyとアルテミスの秘密、そしてガロンの裏切り――全てが絡み合い、彼女を新たな試練へと導いていた。ペンダントが微かに光り、まるで彼女を励ますように温かさを放つ。


「よし、準備しよう。ブラッククレイドルへ向かう。」シトラの声は静かだが、揺るぎない決意に満ちていた。


シトラ達は軍の秘密施設「ブラッククレイドル」に潜入した。岩山に隠された施設は、鉄壁の門と無数の監視ドローンに守られている。シトラはSkyを戦闘機形態で低空飛行させ、岩陰に着地。リナがハッキングツールでドローンの警戒網を無効化した。


一方、カイは施設の兵器庫で発見した戦闘兵器「バルスリーパー」に乗り込み、周囲を警戒する。

バルスリーパーは、ブラッククレイドルで開発された軽量戦闘機で、青白いプラズマキャノンと高機動スラスターを備える。その流線型の装甲は、Skyの白銀の輝きとは対照的に、暗い青灰色に輝く。カイはコックピット内で操縦桿を握り、ニヤリと笑う。「借りるぞ。」


「監視システムを無効にした。時間がない、急ごう!」リナが囁き、三人は施設の裏口に滑り込む。暗い通路には金属の匂いと機械の低いうなり音が響き、シトラの胸に緊張が走る。ペンダントが微かに光り、彼女の心を落ち着かせる。


通路の奥に巨大な格納庫が現れた。そこには、Skyと同じ変形機能を備えた「イクシード・Abyss」が鎮座していた。真紅の装甲が照明を浴びて妖しく輝き、まるで血に染まった巨人のような威圧感を放つ。Skyの流麗な白銀の機体とは対照的に、Abyssは重厚で攻撃的なシルエットを持ち、赤い光がその関節を走っていた。シトラはその機体を見つめ、父の記憶がフラッシュバックする。「父さん、まさかこれもあなたが作ったの...?」


その時、格納庫に重い足音が響き、ガロンの声が轟いた。「お前達も来たのか、だがこれは俺のだ。この玩具は俺の為に使わせてもらうぜ。」

「ガロン!」

彼はAbyssのコックピットに乗り込もうと梯子を登り始めるが、突然、冷酷な声が格納庫に響く。


「ガロン、貴様のような駒ごときにこの機体は過ぎた代物だ。」


現れたのは、冷たい目をした軍のパイロット、ゼクス・マーロンだった。彼は手に持った銃をガロンに向ける。ガロンが驚愕に目を見開くが、言葉を返す間もなく、ゼクスが引き金を引いた。銃声が格納庫に反響し、ガロンの身体が梯子から滑り落ち、床に倒れる。血が真紅の装甲に滴り、ガロンは動かなくなった。


シトラは息を呑み、恐怖と怒りが交錯する。「あなたは…。」


ゼクスは冷たく笑い、Abyssのコックピットに乗り込む。「お前が反乱軍にいる白いイクシードのパイロット、シトラだろう?...お前の父親にそっくりだ。

お前の父親と俺でイクシード計画を始めたが、空の果てなど幻想だった。イクシードはただの戦争の道具、所詮は人を殺すための兵器に過ぎん。」


シトラの心臓が締め付けられた。「父さんの同僚…? あなたが、父さんを裏切ったの...!?」


「さぁ、どうかな?」

ゼクスは薄く笑い、Abyssを起動。真紅の機体が低く唸り、格納庫内に圧迫感が広がる。「裏切りは相手が過剰な期待をしたからそう錯覚するのだ。俺は現実を選んだ、それだけだ。アルテミスは軍の支配を確実にする道具。お前のような子供には分からんよ。」


Sky vs Abyss:激突


格納庫の扉が爆発し、軍の警備部隊が突入する。リナとカイが迎撃に向かい、シトラはSkyに飛び乗る。Abyssが真紅の人型形態に変形し、巨大なキャノンを構える。シトラはSkyを戦闘機形態で急上昇させ、格納庫の天井近くを旋回。Abyssのキャノンが火を噴き、爆炎が格納庫を揺らす。真紅の機体から放たれる赤い光が、まるで血の奔流のように空間を切り裂く。


「シトラ、後方!」リナの声が通信機から響く。シトラは操縦桿を倒し、Skyを急旋回。ミサイルが壁に激突し、破片が降り注ぐ。Skyを人型形態に変形させ、ギアソードを展開。青白い光の刃がAbyssの真紅の装甲に突き刺さるが、Abyssの重装甲はびくともしない。「くっ、硬すぎる...!」


ゼクスが嘲笑する。「その程度か? そのイクシードは所詮試作機だ。Abyssの火力には敵わん!」


Abyssの両肩からミサイルが連射され、真紅の軌跡がシトラを追う。シトラはギアソードで迎撃するも、爆風に巻き込まれる。Skyの装甲が軋み、シトラの身体に衝撃が走る。「くっ…負けれない!」


その瞬間、ペンダントが強く輝き、Skyのモニターに「オーバードライブモード起動」の文字が浮かぶ。シトラの感情が機体と共鳴し、Skyのコアが眩い光を放つ。白銀の機体が光の軌跡を残し、超高速で動き、Abyssの攻撃を紙一重で回避。真紅の装甲が放つ赤い光と、Skyの白銀の輝きが格納庫内で交錯し、まるで光と闇の戦いのようだった。シトラの視界が揺れ、身体に激しい負担がかかる。


「うぅ…クラクラする…!でも、止められない!」シトラの叫びがコックピットに響く。Skyは光の軌跡を残し、Abyssの真紅の装甲にギアソードを突き刺す。火花が散り、Abyssの左腕が切り裂かれる。真紅の破片が格納庫の床に散乱し、金属の悲鳴が響く。


ゼクスが驚愕の声を上げる。「コイツ、急に動きが…! 何だ、この反応速度は!」


シトラは意識が朦朧とする中、ギアソードを振り上げる。Skyの刃がAbyssの胸部装甲を切り裂き、火花と爆炎が格納庫を包む。真紅の機体は膝をつき、ゼクスがコックピットに拳を叩きつける。「まだだ…まだ終わらん!」



父のメッセージとアルテミスの真実


戦闘の混乱の中、リナが施設の制御室に侵入し、データバンクをハッキング。「シトラ! アルテミスのデータを見つけた! 宇宙に浮かぶエネルギー共有システムで、Skyのコアがその起動キーだ!」


カイが通信機越しに叫ぶ。「シトラ、ゼクスを抑えろ! 俺とリナでデータを確保する!」


シトラはAbyssに最後の一撃を与えようとした瞬間、大きな爆発が起き体勢を崩す。ゼクスはそれを見逃さなかった。

その隙に体勢を立て直し、ゼクスは歯を食いしばりながら戦場を離脱する。「試作機の分際で...。親子揃って俺を不快にさせる!」


シトラはSkyから降り、格納庫の奥にあるデータルームへと急ぐ。そこには、父のホログラムメッセージが残されていた。モニターに映る父の姿は、優しく、だが力強く語りかける。


「シトラ、アルテミスは希望の光だ。ルナリスに平和と復興をもたらすエネルギーシステム。Skyはその鍵だ。お前なら、この空を切り開ける。信じている。」


シトラの目から涙が溢れる。「父さん…私、絶対にアルテミスを守るよ。」彼女はペンダントを握り、父の夢を継ぐ決意を新たにする。



ガロンの再来


その瞬間、施設の警報が再び鳴り響く。死んだと思われていたガロンが小型飛行艇で施設に突入し、施設内の物資を回収していた。「グハハッ!死んだと思ったか?往生際が悪いのは俺様の専売特許だ!」


Skyは再び起動し、ガロンの飛行艇を追おうとするもオーバードライブの反動でシトラの体は限界を迎えガロンを捕り逃す。


希望の光


新たな隠れ家に戻ったシトラ達は、アルテミスのデータと父のメッセージを手に、未来を模索する。カイが静かに言う。「軍はまだSkyを狙ってる。ガロンも。アルテミスにたどり着くには、宇宙への道を開く必要がある。」


リナが笑顔でシトラの肩を叩く。「でも、あんたにはSkyと私たちがいる。絶対に負けないよ! アルテミスを見つけよう。」


シトラはペンダントを見つめ、父の言葉を胸に刻む。「力は心を映す。憎しみは破壊を、希望は未来を生む。」彼女は仲間と共に、星空を見上げる。戦争はまだ続く。だが、アルテミスの光が彼女の心に新たな希望を灯していた。


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