表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/41

―02― ユメカ、スライムを倒す! 前

 翌日、早速わたしは配信しようとダンジョンに来ていた。

 来たダンジョンは池袋ダンジョンというメジャーなダンジョンだ。


「はじめましてー、えっと、今からダンジョン配信を始めようと思います……」


 う、初めてのダンジョン配信だから緊張してしまって噛み噛みになってしまった。


【新人だ】

【うぽつ】

【うぽつ】

【新人ダンチューバーだ】

【新人だ、囲め!!】

【困ったことあったら教えるよ】


 お、おぅ、空中に映される画面にコメントが流れてきた。本当に、全世界に配信されているんだ。

 それに視聴者の人数は89人と、初めての配信にしてはなかなか上出来ではないだろうか。


【かわいい】

【君、何歳?】

【脇prpr】

【↑こいつ通報しろ】

【セクハラ○ね】

【君かわわいね】


 かわわいってコメントがたくさんある。

 か、かわいいだと……!?

 そ、そうか、わたしってかわいいんだ。

 思い返せば、部屋で引きこもりのようにポーションをひたすら呑んでいたから、自分を客観視したことがなかった。確かに、ポーション飲みまくったおかげで、お肌とかつるつるになったしね。

 かわわいって自覚した途端、胸の中がムズムズする。けど、悪い気分ではない。


「そんなかわいいなんて、恥ずかしいですよっ」


【かわいい】

【かわヨ】

【照れてるのぐうかわ】


 うわぁ……! 余計かわいいってコメントが増えてしまった!

 うぅ……恥ずかしいと同時に、うれしいかも! たくさんの人からかわいいって言われるのって、こんなに快感なのか。

 なんかダンジョン配信ハマりそうかも。


【名前教えて】


「あ、まだ言ってなかったですね。名前は虹天ユメカと言います。みなさん、よろしくお願いします」


【『10,000円』推しになりました】

【投げ銭乙】

【いきなり1万円はすごい】

【『1,000円』少ないけど、ボクも】


「お、お金ありがとうございます!!」


 う、嘘……!? いきなり11000円ももらっちゃった。

 生活費を稼ぐために始めたけど、これなら案外簡単かも!!

 よし、このまま華月リアンちゃんみたいにアイドルのよえに振る舞ってかわいい姿をアピールしまくれば、投げ銭だけで生活できるぐらい稼げるんじゃないか!?

 わたし、天才かぁ?

 よし、決めた! この調子で男たちから投げ銭を搾取しまくってやるぜ!!


【何歳?】


「えっと、にじゅう……じゃなくて、今、14歳です!」


 グッジョブ、わたし! 本当の年齢を言うより、若い年齢のほうが食いつきがいいはず!


【なんでダンジョン配信始めたの?】


 それはポーション密造して急いでお金を貯めなくてはいけないからです、とか絶対に言ってはいけない。


「えっと、華月リアンちゃんみたいなキラキラ輝くアイドル配信者になりたくて始めました」


 華月リアンちゃんみたいになりたいのは本当だし。間違ったことは言っていない。


【かわいい】

【天使かな?】

【『2,000円』一生ついてきます!】


「投げ銭ありがとうございます!!」


 よしよし、良い感じだ。くっくっくっ……こいつらわたしの本性を知らないくせに、かもにされてやがる。笑いがとまらねーぜ。


【ゆめたそはダンジョン潜ったことあるの?】


 ふと、新しいコメントが来てた。


「いえ、初めてです。だから、皆さんに教えてほしいです」


 ゆめたそってわたしのことか、と思いつつ質問に答える。

 そう、わたしはダンジョンに潜ったことがないのだ。

 というのも、わたしの初期ステータスはダンジョンを潜るにはあまりにも貧弱すぎた。それに運動とか嫌いだし、戦うのだって怖いし。

 だから、わたしは冒険者をあきらめて、ポーションの密造に力をいれていたという経緯がある。

 ダンジョン配信者でアイドル売りして稼ぐと決めた以上、そんなことは言ってられないのだけどね。


【スキルはなにを持っているの?】


 えっと、スキルは確かステータスを表示すれば、確認できたはず。確か、こうして……、


▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽


〈虹天ユメカ〉

 レベル:1

 MP:50

 筋力:20

 スタミナ:18

 敏捷:16

 スキル:〈鑑定〉〈アイテムボックス〉〈調合:レベル9999〉〈ポーション中毒:レベル9999〉


△△△△△△△△△△△△△△△


「ああああああああああああああぁああああああああッッ!?」


 叫びながらわたしはステータス画面を慌てて閉じた。


 待って、今見せてはいけない物が見えた気がする!?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ