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サクッと読めるホラー:少年の冒険

作者:
掲載日:2023/11/14

いつの間にかまっくら。

さっきまで人がたくさん居たのに、皆んなどこに行ってしまったのだろうか。

虫取りに夢中になっていて気づかなかったが、あたりは一歩先もわからないくらい真っ暗闇だ。上を見上げると綺麗な星空が見えるが、木々が邪魔をして道を照らすほどの光はない。

困った。とにかく山を降りなければ。


そうだ、ポケットにライトがある。お父さんがALSライトって言ってたけど、懐中電灯のかわりに持ってきたんだった。


カチッ。


うーん、思ったより明るくないけど、さっきよりはマシかな。

とにかく、道なりに歩いてみよう。


テクテクと歩いていると、道の先にライトに反射して光っている点がある。

ピンときた。

これ、ヘンゼルとグレーテルに出てくる光る石みたいだ。たしか、道に光る石を置いて、道しるべにしたんだよね。

光っている点の先にライトを向けると、予想通り光が点々と続いていた。


やっぱり。アスファルトの道から外れるけど、きっとこっちが近道なんだ。

ワクワクしてきたなぁ。


雑草の生い茂る道をかき分け進むと、どこからかザクザクと土を掘るような音が聞こえる。

なんの音だろう?


少年は一旦立ち止まり、耳を澄ませた。


ホーホーというミミズクの鳴き声と、ピーポピーポピーという高い声の鳥のさえずりが聞こえた。


気のせいかな?


再び歩き出したが、小道がなくなり、ただの草むらになってしまった。


うーん、道を間違えた?でも、光は続いているし、とりあえず進んでみよう。


光っている点は途切れ途切れになったが、なんとか先を見つけて進んでみた。


ふと、人の目が近くにあるような、気味の悪い視線を感じた。バッと振り返ったが、もちろん誰もいない。


なんだか怖くなってきた。


視線を戻し、先に進もうとしたところ、硬い何かにつまづいて転んでしまった。

「いたた」

何だろうと思ってライトを当ててみると、靴下と革靴のようなものだった。

人であれば頭があるだろう方向へ光を向けるが、暗くてよく見えない。

間近で見ようと顔を近づけると、


「見たな」


耳元で男の声が聞こえた。

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