34話 黄色い子は出てこない
「いい、絶対Cクラスに負けるなんて醜態は晒せないのですよ!?」
理事長室で、理事長カディナが教師に言えば
「SSクラスは元の能力値が高い上に、マジックアイテムでドーピングしています。
試合前には教師陣がバフもかけますし、学園の制服の下にマジック装備を装備させています。
それにくらべCクラスの、彼らは何も装備していません。学園の制服のみです。
どうやっても彼らに勝ち目はありませんよ」と、教師。
「それならいいのです。絶対マークちゃんを勝たせてくださいね!!!」
と、カディナが教師に怒鳴り散らす。
(――まぁ、俺たちがいるとも知らないでよくやるよな)
(そうですね。録音しましたから確実に首ですね)
と、その様子をクライムの護衛と、ジャンの護衛が彼らの音声を録音してながらやれやれとあきれるのだった。
■□■
「さぁ、いいところを見せて、宮廷魔術師や騎士団に入るぞ!!!」
SSクラスの控室で、マークが叫べば、SSクラスの生徒が歓声をあげた。
彼らはマジックアイテムでドーピングもしている。
そして相手はいままで授業すら受けていなかったCクラスの連中だ。
決して負ける事などない。
Cクラスなど前座にすぎず、次のSクラスが本番だ。
誰もが……そう思っていた。
なのに、どうだ。
いざ試合がはじまってみればCクラスの連中になぜかSSクラスが押されているのだ。
訓練をたった10日しかしていなかった、Cクラスに。
彼らの動きは洗練されていて、とても10日しか訓練を受けなかった生徒たちの動きとは思えない。
セレスをぎったぎたにしてやる。
そう思っていたのに、ゴールの旗を守っているセレスに近づく事すらできていない。
マークがチラリと客席を見つめれば
マークの母親がはらはらとこちらを見つめ、聖王や剣王などもCクラスを褒めたたえているように見えた。
すでに一試合目はSSクラスは最初の一回だけゴールの旗をとれだだけで、その後は一方的に負け続けている。
最初の一回はこちらをぬか喜びさせるために、わざと旗を取らせたに違いない。
Cクラスの奴らはSSクラスを一方的に負かして楽しんでいるのだ。
あと一回Cクラスに旗を取られてしまえばSSクラスの一回戦は負けになってしまう。
SSクラス最強のマークがいるにも関わらずである。
――負けられるか!!ここで負ければ俺の権威が失墜する!!!――
そう、各国要人の前でマークがいるのに、Cクラス相手に試合に負けたのでは今後どの面をさげて、SSクラスですごせばいいんだ。
今まで散々えばってきただけあって、その責任はリーダーのマークのせいだと責められるだろう。
それに理事長の母親の顔に泥をぬることになる。
Cクラスの旗のゴール前では、すました顔でセレスが棒立ちしていた。
あいつのせいだ!全部あいつのせいだ!!!
あの女がいるせいで、何もかもうまくいかないんだ!!!
マークは隠し持っていたアイテムボックスに手を伸ばす。
こうなったらスピードアップのドーピングアイテムをっ……
と、マークがドーピングアイテムをこっそりマジックボックスから取り出そうとした瞬間。
……誤って【モンスターボール】の方を床に落としてしまうのだった。






