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29話 俺たち\(^o^)/オワタ

「はぁはぁはぁ」


 シャティルは乱れる呼吸をなんとか整えた。襲撃した魔族を何匹かは倒したが、それでも相手の数が多すぎる。

 まだシャティルを取り囲むように魔族が大量にいる。

 

 最初の奇襲でかなりのスペシャルナイトがやられてしまったらしく、各国の王族を守る護衛も残り少ない。


 セディス達から、魔族の動きが活発だと報告は受けていた。

 それが故、警備をいつも以上にして、かなりの戦力を警備にあてていたはずなのに、その警備がやすやすと突破されたとなると、もう人類の手に負えるレベルではない。



 ……まさか四天王が動き出したか?



 魔王復活が近くなると人類の前に現れるという四天王。

 彼らが動きだしたなら人類の対抗する術は勇者を見つける事以外方法はない。


 なんとか時間を稼がないと。


 リュートとスペシャルナイト達に各国の要人を任せ安全な場所に避難させるように命令し、自分一人が敵を引き付けるために残ったが……どうやら魔族の狙いは自分だったらしい。


 逃げた各国の王族とリュートに追手を差し向ける事もなく、全戦力をシャティルに向けてきている。


 流石にシャティルもこの数を相手にするのは無理があった。

 すでにMPはつき、HPをMPに変換して無理に魔法を放っているがそのせいで立っているのもやっとだ。


 何度かやられたと覚悟を決めたが、自分が張った覚えのない結界に身を守られた。

 この結界が絶対防御の結界なら、援軍が来るまで時間を稼ぐ手もあるが、不確定なものを考慮に入れるわけにはいかない。必ず防いでくれる保証もないし、いつまでこの効果が続くのかも未知数で、頼り切るわけにもいかなかった。


 自分が生きているうち、一匹でも多くの魔族を減らさないと……。


 少しでもレベルの高い自分がここの魔族の数を減らしておかねば、聖王国のスペシャルナイト達も各国の要人を守れない。自分がやられれば、次に狙われるのは逃げた彼らだ。

 リュートにこの魔族を相手にさせるわけには絶対いかない。


 ……せめて、あの子……リュートだけでも守らないと。


 シャティルが呼吸を整えていれば


「そろそろ無駄な抵抗は辞めて、死んだらどうかしら?聖王」


 妖艶なサキュバスのような恰好をした筋肉ムキムキのひげ面の魔族がだみ声で微笑みかけた。


「すみません、僕、他人のために死んであげるほど出来た人間ではなくて。

 絶対に生き残るつもりなので、出来ればあなた方が倒されてくれるとありがたいのですが」


 にっこり笑って返す。


「結界が張られてるからって、強気なわけ?

 確かにその結界を破る事はできないけれど、貴方を殺すだけなら結界を破る必要なんてないのよぉん?」


 と、髭面魔族がウィンクをして投げキッスをした。


 とたん。


 ガシャン!!!!!!


 シャティルの周りが黒い巨大な闇の牢屋となる。


 牢屋の中には燃え盛る松明がおかれていた。


「なっ!???」


「結界は破れないけど結界の周りに攻撃はできるわぁ♪ 

 四天王の一人妖艶のアフロリィーデ様にかかればこれくらい簡単な事なの。

 その中は何も通さないの。そう、人間には必要な空気さえも。

 そして大量に燃えている松明♪これだけ条件がそろえばわかるでしょ?

 あと1時間もすればその中の空気がなくなって、貴方は窒息死♪

 そこで待ってなさい、窒息する前に可愛い息子の首を目の前に飾ってあげる」


「…っ!!やめろっ!!!!!!!」


 シャティルが慌てて、闇を振り払おうとするが、MPの代わりにHPを犠牲にしたせいか足がもつれて倒れ込む。

 予想以上にHPも減っていたらしい。

 各国との会議で、敵意を見せぬよう、装備のランクを下げてしまったせいで本来の力がでない。


 立てっ!!動けっ!!と、身体に念じるが身体が動かない。

 じゃりっと瓦礫をつかむけれど、身体が立ち上がってくれないのだ。


 このままではリュートがっ。



 絶望に顔をあげればそこにあるのは、興奮したように顔を醜く赤らめた魔族の姿で――


「あ~ら♪ゾクゾクするわぁ♪やっといい顔になったじゃない?

 そうよその顔よ。絶望に満ちた顔。

 貴方みたいなすました美形が絶望する顔はとっても美味しいわ。

 本当はぐちゃぐちゃになるまで痛ぶってあげたけれど結界のせいで出来ないのが残念ねぇ。

 息子の首を飾ったらさぞかし素敵な顔をしてくれるのでしょうね?

 安心してね、息子と貴方が死んだら、聖王国も滅ぼしてあげるから。

 魔王様復活のために」


 と、おかま魔族が舌なめずりした瞬間。



 ゾクリっ!!



 圧倒的な何かを感じて、身を固まらせた。

 その場にいた魔族全員がそうだったようで、動けないまま、かろうじて視線だけ圧倒的な何かにむければ……。


 空中に物凄い怒りオーラを漂わせながら、人間の男を背負った、10歳くらいの少女が立っていた。


 くおおおぉぉぉと少女の背後には聖なる者も魔の者も等しく滅びを与える混沌と闇の女神が死神の鎌をもった状態で浮かんでいる。容赦のない無慈悲な瞳で見下ろしながら。



 そしてその場にいた魔族達は理解した。


 俺たち\(^o^)/オワタと。




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