27話 魔王ξ; ・ェ・ ξ<(我滅んでるからね?)
~魔王が滅んだのを知らずに暗躍する魔族さんたちの会話~
「どういうことだ!!学園に送った魔族が全部倒されただと!?」
「はい。理由はわかりません。報告するための部隊を一緒につけても、その部隊ごと殺されてくるありさまで」
「……こんなことが出来るのは……賢者だ」
「え?」
「エルフの大賢者ファンバードが動きだしたのだろう。
サラディウス周辺にエルフの魔導士らしき姿を見たという目撃情報もある」
「ああ、あの神に近い力を持つと言われる大賢者ですか。
確かに魔王復活が近くなると人間の世界に降りてきて勇者を選定するとは聞きますが」
「おそらくエルフの大賢者ファンバードが学園領内にいる。そこに戦力を向けても無駄だ。
魔王様が目覚めなければ我々にどうこうできる相手ではない。
こうなったら聖王を一気に叩く。
ファンバードを相手にするくらいなら、聖王を殺し、混乱した聖王国の住民を血祭りにあげるのだ!
そして魔王様を復活させる!
近いうちに、内密で3ヶ国で同盟を組むと言っている。
会議に集まった王族を血祭りにあげ、魔王様に捧げてやる!!」
「しかし、聖王や聖王国のスペシャルナイトはどうするつもりだ?
あれはわれらでも勝てないぞ?」
「それはもちろん考えている」
魔族の一人が言いながら扉に視線をうつせば、カランと扉が開かれた。
そしていかにも強そうな魔族が3体入ってくる。
「あらぁん♪やっと私達四天王の出番なのぉ?」
「ふふふ、我らが本気をだせば聖王や聖王国のスペシャルナイトなど赤子当然」
「しかし一人まだ来ないぞ?」
「いいじゃない♪3人で十分よ♪」
■□■
「それにしても一体学園で何があったのですか父上?
魔術王国と剣王国が私達と同盟を強化したいと申し出るなんて。
あれほどこちらを敵視していたのに」
正装に着替え、シャティルに付き従って神殿の廊下をあるきながら第一王子リュートが尋ねた。
今各国の王族は三国の中央にある中立の神殿で会議を行う事になっている。
今までの同盟を結んでいないわけでもなかったが、それよりも強固な平和条約と同盟をと剣王国と魔術王国側に不利な条件をつけてまで望んで懇願してきたのだ。
「うん。何でも我らの可愛いお姫様が学園で頑張ってくれているらしくてね」
「セレスがですか?平民のふりをしたいなど変わったお願いをすると思っていましたが……。
考えあっての事だったのですね」
「そうだね。前から少し不思議な子だったから、何があっても驚かないつもりだったけれど、親の想像を超える成長には驚かされるよ」
と、嬉しそうに笑うシャティル。廊下の前には大きな扉があり、参加国の兵士がずらりと並んでいる。
すでに会議室には魔術王国と剣王国の国王たちが待っているはずだ。
――が。
どこぉん!!
兵士たちとシャティルの中間地点あたりに巨大な魔法が直撃する。
「なッ!???」
シャティルがとっさに隣にいたリュートを庇い、
「子どもなど守ってる余裕があるのですかね?聖王様?」
背後に突如現れた魔族がにやりとシャティルに牙を向けるのだった。






