14話 寡黙キャラが頭脳派キャラというのは印象にすぎません(真顔)
こんにちは。見かけは知的派美人に見えるのに中身が残念すぎて単なる脳筋陰キャのセレス・キャラデュース(10歳)です。
今日はマジで「あれ?私何かやっちゃいました?」を再現してしまったかもしれません。
学校から親が用意してくれた宿泊施設に戻る帰り道、アリーシャも凄い凄いとしきりに褒めてくれました。
クライム君にいたっては、「ついていきます師匠」となぜか慕われる始末です。
け、決して嬉しくなんてないんだからね!と思いながらも頬が緩むのを隠すので手一杯です。
ほ、褒められました。
家族や国に関係ない人たちに褒められました。
これは快挙です!陰キャの私が褒められるなんて!
私が自室で一人、ベッドに転がって悶えていれば
「さて――一連の事を説明してもらいましょうか。セレスティア様」
と、宮廷魔術師セディスが姿を現しました、
……ですよね……。
■□■
こんにちは。目的のために手段を選ばないという言葉がありますが、私はどちらかというと手段のためには目的を選ばないタイプ、脳筋のセレスティア・ラル・シャンデール(10歳)です。
目の前の問題に全力投球してしまい、のちに起こる問題にまで頭が回りません。
10歳という年齢のせいなのか、元々の性格なのかはよくわかりません。
その性格のせいで、いままで王宮では隠していた力が父の腹心にばれてしまいました。
ベッドで一人嬉しさの悶えていたら、空気を読まない宮廷魔術師が私の前に現れました。
おそらく父の命令で私の護衛をずっとしていたのでしょう。
「英雄召喚なんて魔法どこで覚えたのです?英雄召喚の資料は極秘資料でお嬢様が入れる図書館では読めるはずもない。いままでのお嬢様の生活圏で英雄召喚を憶える場所なんてなかったはずですよ」
と、逃げ場を全てふさいだ状態で聞いてくる、セディス。
くっ。ここは大人の情として逃げ道くらい残しておくのが優しさと言うものではないでしょうか。
大人げがありません。遊びの勝負事でも子供に全力投球して負かすタイプに違いありません。
こちらは可愛い10歳幼女なのだから少しくらい情けを残しておいてほしいものです。
大体一体どこから説明すればいいのでしょう?
実は前世の記憶があるなんて気持ち悪いと言われるだけなので絶対言いたくありません。
今の家族は大好きです、愛情を失うのは流石に嫌です。
「気が付いたら、いつの間にか身についてた」
嘘は言っていません。0歳で4歳兄にガチギレしたら勝手に身についた力です。
「ではなぜ私たちに隠していたのですか?」
「お父様もお兄様も強いからこれくらい出来ると思ってた。
でも今日の反応でなんとなく凄い事わかった……もしかして出来ない?」
と、上目遣いに聞いてやります。そうです、もうこの路線で通すしかありません。
元々兄たちも人間の中では強い部類なのです。
なぜか王族は生まれもってレベルが高く、スキルなども複数所持しています。
これくらい出来ても不思議じゃないと思っても何ら不思議ではありません。
私の言葉にセディスが困った顔をします。
「……まぁ確かに貴方の周りには常識を逸した強さの持ち主だらけですから
……そう思っていたとしても不思議ではありませんね」
と、納得してくれました。
ちょろいです。思わず顔がほころびそうになるのをこらえます。
表情をださないようにするのだけは得意です。
「……わかりました。とりあえず、貴方の力は異常です。これだけは自覚しておいてください。
今後訓練をするときは私がミラーの魔法で周りからは見えないようにしますから。
他の人には絶対やらないでくださいね?
そもそも陛下に願い出ればこの理不尽な状況を変える事ができますが、それはなさらないのですか?」
セディスの言葉に私はこくりと頷きました。
とりあえずみんなが強くなりたいと思っているのなら今この状況が最適なのです。
目標にむかってみんなで一致団結する。
素晴らしい青春ではありませんか。
ただ学園を卒業するだけでいいなら、みんなあんなに真剣に修行しないと思います。
「学費を無駄にするかもしれないのに、私について来てくれた子達を強くしてあげたいです。
3ヶ月後、試合に勝ったら、父に頼んで退学していった子達も戻してもらおうと思います」
私がそう言えば、セディスは困ったようにため息をつきました。
「……それはかまいませんが、あの中に二人、他国の王族がいます。
もちろん姫様はそれがわかっていてやっているのですよね?」
と、言う。
え?そうなんですか?
やばい知りませんでした。全く気が付きませんでした。
そういえば隠れているのが3人いたので全部私の護衛だと思っていましたが、セディスしか出てこないという事は他2人隠れていたのはその王族の護衛だったのでしょうか?
私が何と答えようか迷っていれば こんこんっと扉がノックされるのでした。






