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クラリス様のスキル…テンプレに強いよね。

 ダンジョンに向かう事になった俺たち。だがすぐに出発とはならない。やはりそれなりの用意が必要らしい。殆どはクラリス様が用意してくれているらしいが俺達個人の用意もある為出発は明日の朝となった。集合時間と場所を告げるとクラリス様は帰っていった。


「…ダンジョンか。アリアさんは入った事ある?。」

 明日からの事を考えてアリアさんに尋ねる。必要な物を見繕うにも中の情報が欲しい。


「あぁ、あるぞ。ダンジョンは幾つかの種類に分かれていて、魔物が発生する地点が多く重なった場所に出現する物、原因不明ながら出現し古代遺産が発掘される物等がある。今回の物は後者だ。それ故に魔族も古代遺産を狙って現れる可能性がある。」


「前者のダンジョンの特徴は魔物が多数徘徊している事だ。その上突然魔物が出現したりする。この手のダンジョンは多数殲滅型の冒険者が派遣されることが多い。」

 これは良くあるゲームの洞窟みたいな感じだな。魔物がリポップのなんかそのまんまだ。


「後者で私達が向かうダンジョンの中には基本的に魔物はいない。しかし数々の罠が仕掛けられていることがあり、中で迷うこともある。そして最深部には古代遺産を守る守護者がいる。それに勝てば古代遺産を手に入れることが出来る。」

 だからアリアさんが必要なのか。アリアさんの天眼なら罠などを見抜けるし道も間違い辛くなるはず。


「基本的には…どういうことなのよ?。」

 シャーリーが尋ねる。


「ダンジョンに元々生息する魔物はいない筈だ。だが…魔族が自らの領域を主張するために連れ込んでいる可能性が排除出来ない。だから頭の中には入れておいてくれ。」

 そのパターンね、頭の中にコーラルでの魔族の事が浮かぶ。あの魔族は魔物を大量に召喚していた。あんな感じで魔物でダンジョンを支配するのか。…って事は造匠は魔物特化にするか魔族特化にするかだな。でも俺の役目は魔族がいた時に戦力になる事だから魔族特化の方がいいだろうな。…いや、でも…


「その守護者っていうのは?。絶対に戦わないとだめなの?。」

 最悪のパターンは魔族と守護者両方と連続で戦うことになる場合だ。古代遺産を守っているぐらいだからその守護者も普通ではないはず。


「…それに関してはなんとも言えないな。前例が少ないから断定は出来ない。だが戦闘になる事が多いそうだ。そこで犠牲になった者も多いらしい。だから王国が知る限りでもこの大陸には未踏破のダンジョンが2つ確認されている。」

 守護者の前まで行ったけど守護者に勝てなかったから撤退したってことね。もしこの国が人の命より古代遺産を優先するような国だったら人の亡骸の上に古代遺産を求めただろうな。


「…私達はなんの用意をしたらいいのよ?。どれぐらいの行程になるかによって食料とか変わってくるのよ。」


「…あ、そうだ。果物買って来てたんだよね。二人にあげる。」

 シャーリーの発言でリンゴみたいな果物を買っていた事を思い出す。おばちゃんにおまけしてもらったから二人にも振る舞う。まぁ、元々分けるつもりだったけど。


「ありがとう、…当然だがそれぞれの装備は必要だ。それに服も損傷する可能性があるから何着か必要だろう。私達が準備するのはそれくらいだな。」


「え、何日かかかる可能性があるんだよね?。それなのに食料要らないの?。現地調達とか?。」

 それははっきり言って嫌だな。お腹壊すかもしれないし。


「それなら大丈夫だ。今回に限ってはクラリス様がいる。あの方はスキル持ちだ。ローゼリア様と同じ空間系スキル。クラリス様だけが認識できる空間を創造するスキルでその中に食料やテントなどを入れておいてくださる。」

 …王家は化け物なのか?。空間系といえばラノベとかでも最強の能力の一角。だけどその使い方はまるで…言うのは憚られるな。


「便利な荷物持ちみたいなスキルなのよ。」

 シャーリーがはっきり言っちゃった。王家の人間に対して荷物持ちって表現はどうかと思って悩んだ俺の気持ちを返してほしい。


「…ただクラリス様のスキルはそれで終わりではない。私も詳しくは知らないが絶対に防御が出来ない何かが出来るらしい。」


「…随分ふんわりしてるね。」


「同行した事がある冒険者の話だからな。その冒険者には何が起こったか分からなかったらしい。ただクラリス様が手を振ると魔物の体が抉り取られていたそうだ。」

 …なんとなく想像がつくな。亜空間を使った攻撃。敵の体に重ねて亜空間を創造して…閉じる。それで敵の触れていた部分は亜空間に削り取られる。確かにこれは防御不可だ。…恐っ。絶対に怒らせないようにしないといけない。


「食料の心配がないのは気が楽なのよ。素直に感謝しておくのよ。」

 食料の不安がないと分かり目に見えて上機嫌になるシャーリー。いつの間にか渡していた果物を食べ終わっている。速い、俺じゃなきゃ…


「いらないならもらうのよ。」

 ずっと手に持ったままだった俺の分まで取られた。いや、そんな事ある?。まぁ、別に良いけど。おまけで貰ってなかったら俺の分なくなってたぞ。


「今日は各々装備を確認。足りない物は使用人に伝えてくれ。今日の夜までには届けさせる。今日の晩ご飯は元気が出るメニューにしてもらおう。」

 …俺は手荷物のことを考え出したがシャーリーはアリアさんの元気が出るメニュー発言に夢中になっていた。この食いしん坊さんめ。

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