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アースハイドで彷徨う者

話の都合上とても短くなっています。ご了承下さい。

「…ここは…何処だ?。……それに、私は…誰だ?。」

 とある場所。酷く寂れて雪が積もり人も寄り付かぬその場所で少女は1人立っていた。周りには無数の血の跡。そしてなんらかの生物達の残骸。ただその少女の赤く美しい髪にも纏う服にも血の跡は付着していない。純白の世界に紅血だけが彩りを添える。


「…私は…なんなのだ?。…何故襲われる?…何故…、…くっ…」

 少女は額を押さえて蹲る。気がついた時にはこの場所にいた。周囲には異形の集団。恐怖に震えて振るった腕の一振りで集団は細切れになった。少女は自分が何者かも分からない。自分のした行動にすら嫌悪を抱く。


「…誰か…助けてよぉ。…クラウド…」

 少女は彷徨う。何も覚えていないはずなのに何故か口にしたただ1人の名前を呟きながら。








「おい!さっきの報告は本当か⁉︎。転移に失敗しただと⁉︎。」


「は、はい。アースハイドへの転移は成功したのですが…本人の記憶に障害が発生したようです。」


「…なんと…。あの者はもう自身の罪は償っていた。それが…そんな事に。…こちらからはどうにも出来んのだな。」


「はい、どうやらあまりの強さゆえに問題が生じたのかと。」


「…うぅむ、本来浄化される際に初期化される能力値をそのままに転移させる事にこんな問題が生じるとは。あの規格外の強さ故か。…アースハイドでは前世のように利用されずに生きてもらいたかったのだが。」


「…記憶が戻る可能性はゼロじゃないと思います。彼女があれだけの苦行を乗り換える原動力となった存在。その彼と出会うことが出来ればあるいは…。」


「広い世界で求めるただ1人に出会うのは奇跡に等しい。…だが彼女、シャルフォルン・アガートラムにはそれくらいの奇跡、起こっても不思議はない。彼女はこれまで報われない生を送ってきたのだからな。」



 シャルフォルン・アガートラムが転移したのは蔵人が転移したのとは別の国。力だけがその者の生き方を決め、弱き者は虐げられる、力の国。その名も『魔領ナルベルク』。シャルフォルンが蔵人と出会うのは未来はまだ来ない。

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