最終試験は個人面接
筆記試験の後集団面接が行われた。ここでは特に何もなかったな。良くある、いきった奴が場を仕切りたがったけどああいうのって案外評価は良くなっかったりするんだよな。場の空気を読めてないってことだし。まぁ何やかんや俺自身は無難な答えを返せたと思う。俺的にはこの後の個人面接が転生での大きな比重を占めると思っている。結局のところ人の事を理解するには話すしかないからな。そんで俺は今個人面接の待機中ってわけ。長かった転生待ちもこれで終わりか。…1年もこんな所にいたのか。だから出生率が下がってるんじゃないのか?。…ってそれは日本だけか。
「…面接前は目を閉じて集中すること、だったな。」
呼吸を整え目を閉じる。そうすると思い浮かぶのは…あの光景。シャルさんのスカートの中には無限の世界が広がっていた。…ダメだ興奮してきた。だってそうだろ!童て…清い男には厳しいって!。
「2000035番さん入ってください。」
おっと呼ばれちまったか。さてさて何が待ち構えているのやら、圧迫か?圧迫なのか?。
「失礼します。…2000035番玉地蔵人です。宜しくお願いします!。」
先ずは基本の元気な挨拶。これは大事だぜ。
「はい、宜しくお願いします。どうぞお座りください。」
部屋の中には3人いた。真ん中の人は男だが後は女だ。ふむふむ、3対1か。ギリ圧迫だな。
「それでは書類を確認しますねー。んー、玉地蔵人さん、死因は…ぷっ!ウケる!バナナの皮に滑って頭を強打して死亡。マジ久しぶりじゃない?。」
俺から見て左の方の女が笑いながら言う。…ギャルっぽい。正直苦手なタイプだ。
「そうですね、約20年ぶりになりますね。その他の特記事項は特になしですか。あ、童貞ですね。」
俺から見て右の委員長っぽい女が言う。最後の付け足す意味あった?。ん?。
「顔はそんなにわるくないのにねー。あれかな?陰キャラだったのかな?。」
「どうやらそのようですね、現在友達呼べる者はゼロ。典型的なボッチのようです。」
ちょっと待って。これって面接なんだよね。いじめの現場とかじゃないよね。
「それじゃあ特に特典なしでの転生かなぁ。生前も特に悪いこともしてないみたいだし。人間で良いよね。」
「…そうですね、私もそれで問題ないと思います。筆記試験の成績も問題なしですしね。」
さっきから女の人しか話していない。真ん中の男の人は手を組んで目を瞑っている。この人に決定権があるのか?。もういいですよ、転生で。人間ならなんの文句もないです。
「…彼は悲しい人生を歩んできたようだね。それなのに腐らず真っ当に生きた。僕はそれは評価に値すると思う。」
真ん中の人がいきなり目を開けたと思ったらなんか言い出した。人の人生を悲しいとか言ってんじゃねーよ!。
「これまで彼女はおらず女性と会話することも少ない。それに加え友達もいない。これはCクラスではなくBクラスでの転生で良いと私は思う。」
おっと初耳の単語が出たな。転生のランクか?。
「…えーと、CクラスよりBクラスのの方が良いんですか?。」
これは確認しなければならない。
「はい、そうです。Cクラスは標準的な人族、又はそれに類するものに転生します。また転生する世界は比較的平和、あなたが前世にいた世界のような世界になります。Bクラスになりますと何か特殊な力を与えることも可能になり、転生する世界も選べます。」
マジで!一気に優遇されるんだな。…でそれに俺が選ばれたと。…やったぁ‼︎。色々失礼なことを言われたが許してやってもいい。
「それでは主任彼はBクラスに転生ということでよろしいですか?。」
あ、真ん中の人が主任だったんだ。
「あぁ、処理はよろしく頼むよ。それで能力についてだが…君の生い立ちから最適なものが与えられる。楽しみにしておいてください。と言っても転生する時に記憶は消えるか。でも…生まれながらに理解できるはずです。」
成る程、…俺の生い立ち。…大丈夫なのか?。
「あとは…」
転生する世界を選ぶんだったな。…なんかカタログとかあんのかな。
「ねぇねぇ、転生する世界さぁ、私の管轄の世界にしなよ!。そこならスキルとか魔法とか一杯あるよ!。男の子そういうのは大好きでしょ!。冒険と魔法の世界だよ!。Bクラスならそこで有名な冒険者になったり出来ると思うよー。」
ギャルっぽい方がなんかグイグイくる。圧が凄い。俺としては…少し引いてほしい。でも、冒険の世界か。なんか能力を貰えるなら…それもありかな。んー…、
「…それじゃあ、そこで…いいかな。」
頑張れよ来世の俺。
「それではBクラス、転生先はアースハイド、能力は未定。それで処理させて頂きます。」
「それではこれにて面接を終わります。」
「あ、はい、ありがとうございました。」
面接って感じはしなかったな。だが俺の来世はそこそこいい感じになる気がした。