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ランク上がったよ。でも初心者なんだって

 初めてギルドで生活の糧を得てから1週間が過ぎた。俺は毎日街の外に出てスライムとゴブリンを狩り続けた。週七勤務ということになる。それも俺の稼ぎが少ないからだが。1日に大体銀貨10枚を稼ぐのを目標にやっている。宿代で1日銀貨5枚、昼食に1枚、4枚は蓄える。いつ怪我をするか分からないからだ。案外蓄えれているのは俺が酒を飲まないからだろう。他の冒険者は浴びるように酒を飲む。だからCランクぐらいにならないと蓄えが出来ないんだ。天癒があるといっても発動するか分からないものに頼るのは不安すぎるだろ?。


「あんたそろそろEランクにしてあげても良いのよ?。安定してスライムとかを倒せるみたいだし次の段階にいっても大丈夫だと思う思うのよ。勿論強制はしないのよ。自分はチカラが足りない無能だと言うのならやめておいて良いのよ?。」

 いつものようにギルドに魔石の換金に訪れた俺にシャーリーがそう提案?罵倒?してくる。相変わらずの毒舌だが俺が行けばちゃんと担当してくれるし嫌われてはいないと思う。


「Eランクか。なったらどれくらい稼げるようになる?。」


「1日に銀貨15枚から20枚くらいなのよ。突然魔物も強くなるけどそれでもメリットの方が大きいのよ。」

 1日に銀貨15枚か。それだけ稼げたら週休2日取れるかも知れないな。…いや、やっぱり週休1日にしよう。


「でもEランクになるなら装備をちゃんとしないとダメなのよ。そのクソみたいな剣じゃ危ないのよ。」

 シャーリーが忠告してくれる。そう、俺が今持っている剣はアリアさんに借りた物じゃない。武器屋で銀貨5枚で買った剣だ。明らかに斬れ味はアリアさんの物より劣るし既に刃こぼれしている。


「あと回避優先の剣士だとしても少しは防具がないとダメなのよ。最低でも手甲と胴当てぐらいはするのよ。」

 そうなんだよな、今まではスライムとゴブリンで動きがそこまで早くないから防具をしてこなかった。だけど今度からそうはいかないようだ。この際まとめて良い物を買うべきだろうか。


「もし上を目指す気があるのなら良い武具屋を紹介してあげるのよ?。でも現状維持の負け犬で良いならそれはそれで別に構わないのよ。どうするのよ?。」

 1週間シャーリーとじゃれあってきて(主観)その言葉に隠された真意を見抜けるようになってきた(願望)。これは俺を推してくれているんだ。俺ならもっと上へ行けると。ならその想いに応えなければ男じゃない!。


「俺をEランクにしてくれ。それと良い武具屋も紹介してほしい。」


「分かったのよ。それじゃあカードを出すのよ、更新してあげるのよ。」

 俺からカードを受け取ったシャーリーが奥へと消える。


「…ふーー…、アリアさん早く帰ってこないかなぁ。」

 アリアさんは今Aランクの指名依頼を受けてこの街を離れている。1ヶ月ぐらいかかる依頼らしくてアリアさんの天眼がなければ不可能らしい。出来ればアリアさんが帰ってくるまでにDランクぐらいになっていたい。


「はい、出来たのよ。これであんたはEランクなのよ。見習いから初心者になったのよ。」

 シャーリーが新しいカードを渡してくれる。黒から青になったカードはなんだか誇らしいと思っていたが罵倒された。


「それで、これが紹介状なのよ。私からの紹介だって言えば多分大丈夫なのよ。」


「待って、その武具屋も見えない系?、それとも気難しい系?。」


「そんな事ないのよ。いつも優しくしてくれるのよ。マスターの次に信用しているのよ。本人はマスターより頼りになるって言い張っていたけど。」

 紹介状が必要と聞いて警戒してしまう。しかしその不安は不要だったようだ。


「そこでいい武器を揃えるのよ。Eランクを超えてDランクになれば普通に街道を通って旅が出来るのよ。出来ることが一気に広がるのよ。」


「…あぁ、そっか。普通に街道にもずっと魔物が居るのか。なら商人はどうやって移動してるんだ?。」

 これも地球との違いだな。普通に道を歩いていて命の危険に晒されるなんて…ある所はあるか。日本との違いだったな。日本では早々ない。その世界では普通の人は一つの街で生涯を終えることもある。


「護衛を雇えば良いのよ。街から街へ移動する商会はその都度冒険者を雇い護衛させるのよ。大手になると専属の護衛をもってることもあるのよ。」


「ほぉー、面倒だな。」


「心配しなくてもあんたに関係ないのよ。護衛に選ばれるのはCランク以上が殆どなのよ。逆にあんたに声をかける奴がいたならそれは何かの詐欺なのよ!。」


「…ですよねー。俺は先ずは強くなるのを目標に頑張るよ。」


「うんうん、しっかり頑張るのよ!。」


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