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この世界の大国、聞いてたのより1つ少ない

本日より1週間連続投稿します。

2月23日分まで投稿したいと思っていますのでよろしくお願いします。

(途中で力尽きた場合はまた連絡させて頂きます。)

 アリアさんの案内で蔵書院ってとこにやって来た。日本でいう図書館みたいなところ…だと思ってた。だけど俺の考えは間違いだと思い知る。渋い造りの大きな建物。門には兵士が立っており大きな扉が構えられていた。そして中は中央に吹き抜けがありそれを囲むようにフロアが展開されている。四階建てだ。


「それではこちらで身分証の確認及び身体検査をさせて頂きます。」

 俺は今ゴツい兵士に身体検査をされています。アリアさんは女性の兵士の人に同じく身体検査をされている。貴族でも関係なくするなんてこの中には一体何があるんだろう。


「確認致しました。アリア・サクスベルク様及びクラヒト・タマチ様、ようこそ蔵書院へ。本日はどのようなご用件でしょうか。」

 身体検査が終わり俺とアリアさんが出したギルドカードを改めた人物がカードを返しながら尋ねてくる。俺にも様付けなのはアリアさんと一緒にいるからか俺自身の騎士の称号故かは分からなかったけど丁寧な対応である。


「えーと、特に決まっていないのですが地図と、後は魔法に関する物を見たいと思っています。」

 アリアさんに目線で促され俺が答える。まぁ今日ここに来たのは俺が希望したからなので当然だ。


「…ふむ、それではこちらも案内をつけない方がよろしいですかな?。」


「えぇ、そうですね。入ってはいけない区域とかがなければ自由に探したいと思っています。」

 俺の意思を汲んでか、中で自由にさせてくれるようだ。一応入っちゃいけないところを聞いておく。


「閲覧制限の棚は御座いますが地下に御座いますので地上のスペースは御自由になさって頂いて構いません。何かご用が有れば申し付けください。」

 俺の質問に丁寧に答えた後受付の人は頭を下げなごや手で階段を示す。一階には本は置いていないようだ。礼を言って階段へ向かう。これだけ広いのに音が殆どしない。というより足音がしないのだ。


「…アリアさん、ここって魔法がかかってます?。」


「あぁ、吸音の魔法がかかっている。足音が消されるんだ。本を読むなら静かな環境の方が良いからな。」

 俺の予想通りだった。建物全体に音を消す魔法がかかっていないのは業務に差し支えるのと完全に無音だと逆に集中できないからだろう。二階に到達し、少し進むと4人掛けの机が見える。本を読む為のスペースもしっかりしている。俺はその中の1つに腰掛け探す本の目星をつける。


「先ずは地図だな。…それから…アリアさん、スキルについての本はありますか?。」


「…スキルについてか。…スキルは希少かつ重要な戦力だからな。殆ど公開されていない。だからそのような本はないと思う。」

 …だよねぇー、みんな隠すよな、普通。


「じゃあ魔法の本にするか。俺は本を探しに行きますけどアリアさんはどうします?。」


「私は魔物について調べたいことがある。その本を探すとするよ。」

 俺たちはそれぞれの目的の本を探しに別れた。俺より第一目的は地図だ。アースハイドって名前しか分からないけどそれは多分"地球"みたいな感じだと思う。この今いる国について知らないと。


「…地理学、…街道地図、これでも良いけどもう少し大きく…あ、これで良いかもしれない。」

 それっぽい場所を見つけた俺はその中から一冊の本を取り出す。


「…当たりだな。…えーと確か…ローゼリア様は…タキシオンって言ってたから…ここか。神聖ハートラルク王国。…でかいな、いやでも縮尺がどれくらいか分からん。」

 俺が今いる国は神聖ハートラルク王国だということが判明した。転移してくる前に五つの大国って言ってたけどその一つっぽい。他の国よりも大きく描かれている。で、コーラルはそのハートラルクのほぼ真ん中に位置すると。悪くないんじゃないか。種族の差別とか無さそうだし、転移して来たときはしっかり仕事しろと思ったけど許すことにする。


「…他の大国は…えーと西の方に獣王国グローデッド、南東にアルカナ帝国、んで海を挟んで北にフォトン聖域と。…一つ足りないな。聞き間違えだったのか?。」

 他にも国はあるけど覚えられる気がしない。その都度確認することにしよう。今日のところは転移して来た場所が当たりだったことだけで十分だろう。


「獣王国とは普通に国交がある。鉱石資源が豊富で、冒険者を志願する者も多い。」


「アルカナ帝国は様々な種族が入り乱れている国。ハートラルクとは国としての取引はないが各種族ごとに取引がある。」


「フォトン聖域は代々受け継がれる位(長すぎて覚えられない)を持つ者が治める。祈りの民が存在する。世界で唯一神樹の生育する場所である。」

 俺が記憶できた大国の情報はこれぐらい。…十分すぎるだろ。良くやったよ俺。視線を上げるとアリアさんも本を読んでいた。熱心に読んでいるようで俺が見ていることに気づいていないようだ。


「…え、竜?。…そんなのもいるんだ。」

 アリアさんが読んでいたのは竜種の生態についてのページだった。挿絵だが明らかにヤバいのがわかる。


「…ん?…あぁ、見ていたのか。私もAランクだからな。竜種の討伐を目指したいと思うんだ。竜殺しの称号はSランクへの近道になる。」

 …いや、竜を殺してもSランクになれないのかよ。どんだけ化け物なんだSランク。


「いつかクラヒトも竜種と会えるかもな。」

 できれば全力で遠慮したい。一生会わなくても良い。


「…魔法の本探して来ます。」

 また食い入るように竜種について調べ出したアリアさんを置いて俺は魔法についての本を探しに向かった。目指せ魔法使い。

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