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何か非常事態が起こったらしい。

これからは週に1回、毎週日曜日の午前0時に投稿します。他の作品との兼ね合いも有りますがなんとか週一回の更新は出来る様に頑張りたいと思います。よろしくお願いします。

「うん、美味い!。これもおかわりが欲しいです。」

 ラスターさんが持ってきてくれたご飯をかき込む俺。やっぱり3日も寝てたら腹が減ってるんだな。凄い量を食べてる。でもその料金は王女様が払ってくれるって言うし遠慮はしないぜ!。


「ふふっ、分りましたからゆっくり食べて下さい。あまり急ぐと喉に詰まりますよ。」


「そうだぞクラヒト。それにしてもお前…少し雰囲気が変わったか?。」


「え?そんなことはないと思うけど。」


「…気のせいか。」

 アリアさんが妙なことを言ってくる。雰囲気が変わったって3日間寝てただけなのに変わるわけない。…それにしても自分でも驚くほど食べてる。なんだろ、こう…体に成ってるって感じがする。行き渡っていく感じ。


「そういえばアリアさんは普通の依頼こなさなくていいの?。」


「あぁ、それなりに蓄えもあるしお前の監視の報酬も中々のものだ。それにAランクともなると逆に大きい依頼を待つことの方が多いんだ。その依頼を3つも受ければ1年は暮らせるほどの報酬になる。」

 …Aランクまじやべー。年3回の依頼で暮らせるって。でもそれだけ難しいって事なんだろうな。…俺この世界で暮らしていくとしてどうすれば良いんだろう。…一応冒険者について聞いておくか。


「あの、普通の冒険者って儲かるの?。」


「…完全にその者の強さ次第だな。いや、強さではないか。能力次第だな。ランクはFからSまで。Fだと毎日依頼をこなしてやっと暮らしていけるぐらい。一人前はDランクでこのランクだと少しは蓄えが出来る。まぁ冒険者は蓄えなど考えず飲み食いする者が多いからCランクまで上がるべきだと私は思うがな。」


「そして凡人と秀才の壁がBランク。ここまで来ればどこでも下に見られることはない。貴族のお抱えになることも出来るしな。そして自分で言うのはあれだが秀才と天才の壁がAランク。一芸に秀でただけではない者達のランクだ。貴族と変わらない暮らしが出来る。その上のSランクはまさに人外。はっきり言ってAとSの間が最もかけ離れていると私は思う。」


「…普通の20歳の男なら今から始めたらどこまでいける?。」


「…それまでの暮らしによるだろうな。今までロクに鍛錬を積んでいなければそして魔法やスキルがなければ良くてDだと思う。」


「…はぁー、…やっぱりそんなもんだよな。」

 要するにスタートが遅すぎるってことだよな。子供の頃からしっかり鍛錬すればCまでは上がれるんだろうな。…転生じゃなくて転移だった弊害が出たな。俺には経験が圧倒的に足りない。


「クラヒトは冒険者になりたいのか?。」


「うーん、…他に選択肢がない気がするんだよ。」

 他の職業が思いつかない。


「…そうか、なら乗りかかった船だ。私がある程度の手ほどきならしてやっても良い。」


「…デレ期きた?。…なんで突然。」


「この1週間ぐらい共に過ごした。見捨てるには情が湧きすぎただけだ。嫌なら断ってくれて構わんぞ。」


「いや、願ってもないことだよ。マジで素人だから本当に助かる。」

 Aランクの冒険者に師事出来るのは僥倖だ。大事なのは技術だけではない。ノウハウを学べるのは大きい。それと…七つの顔を持つ男、これが少しでも使えたらラッキーだ。


「そうか、ならばローゼリア様がもう一度お目見えした後お前に冒険者の基礎を教えることにする。短時間で使いものにする為に少し厳しくするから覚悟しておけよ。」


「ならそれまでにしっかり体を戻さなくてはいけませんね。クラヒト様、回復の基本はよく食べよく眠ることです。まだ食べられますか?。」


「えぇ、ラスターさん。なんか体に染み入ってる感じなんですよね。なのでもう少し貰っても良いですか。」


「分かりました。貰ってきましょう。」


「私もお供します。」

 アリアさんとラスターさんが俺のご飯をとりに出ていく。なんか申し訳ないな。取りに行くぐらい自分ですれば良かった。


(…いよいよ俺の第二の人生が動き出すか。…そういえば人見知りしなくなったな。…そんなのしてたら生きていけないか。…うっ…⁉︎。)


「…なんだ…?。…肌がピリピリする。…空気が…重い。」

 明らかにさっきまでと違う。何か変だ。そう思った俺は部屋の窓から外を眺める。殆ど見る機会がなかった街並みだけどこれだけは分かる。…異常事態だ、黒煙が上がっている。ダダダっと駆ける足音がする。バンっと開いたドアから焦った表情のアリアさんが飛び込んできた。


「…クラヒト‼︎。逃げる準備をしろ!。…魔族だ!。…私は前線に出る。ラスター殿にお前のことは頼んでいる。出来るだけ街の中心から離れろ。」

 俺が思っている以上に異常事態だったみたいだ。

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