第7話 魔法習得【火】
「おい、やめろ!」
俺は火炎竜に向かって叫ぶと魔杖を放った。
「氷魔法!」
すると巨大な氷を生み出し火炎竜を凍らした。そして粉砕した。
「やった……のか?」
俺は何とか火炎竜を倒すことはできた。
だが、問題はここからだった。
「なんだ。全然街を守れてないじゃないか」
「なんだと」
俺は街を見渡すと確かにちゃんと守れていなかった。
「やっぱり氷の魔宝石を渡さないほうがよかったな」
「そうだ。この街の守り神の力を借りるんだったらちゃんと街を守れよ」
領主に続いて誰かが喋る。
それに続いてまた誰かが喋る。
それの繰り返しで次第には、たくさん人が俺たちを囲んでる状況になってた。
役立たずだの、あいつが封印を解いただの、他にも悪口をたくさん言われた。
封印を解いたのは俺じゃない。錆びてたからガタがきたんだろう。
それに役立たずって、だったらお前は全部守れたのか?
そんな勇気もないくせにそんな偉そうなこというなよ。
「ムツキはこの街を守ろうとしてやったんだ。燃やさせようとして氷の魔宝石を取ったんじゃない。それにムツキが氷魔法で火炎竜を凍らさなかったら街はもっと悲惨なことに…」
「リナ!いいんだ。俺が街を守れなかったのは事実だ」
「でも…」
「無駄に敵を増やすだけだ。今持ってるだけの金ならやる。行くぞ、リナ、クレア」
「あ、ああ」
「う、うん」
「いいのかよ、ムツキ。あんなこと言われて」
「俺のことは大丈夫だ」
嘘だ。俺はあの言葉に酷く傷ついていた。だが、それを口に出すと壊れてしまう気がして言わなかった。
「それより俺をかばってくれてありがとな」
「いや、ただムカついたから言っただけだ」
俺たちは街を出るところで知らないおっさんと出会った。
「おい、兄ちゃん、さっきはボロクソ言われてたな」
「なんだ、冷やかしにきたのか?」
「違うよ、火炎竜が粉砕したところにこれが落ちてたんだ」
その人は赤い輝いた石を見せてきた。
「なんだよ、これ」
「火の魔宝石だよ。お前、無属性なんだろ」
「かしてくれるのか?」
「ああ、礼はいれねぇ」
「ごめん。気遣わせて」「そんな暗い顔するなって、俺がやりたくてやっただけだからな」
「この街はああいう奴がたくさんいる。だが、いい奴もたくさんいる。それをわかってほしい。俺はお前が壊れいていく様を見たくねぇ」
「ありがとう。俺を心配してくれて」
いい奴もいるか。今目の前にいる人のことだな。
俺はこの人の話を聞いて少しだけ気が楽になった気がした。
俺はこの人に救われたのかもしれない。
「またいつか来れたら真っ先にあんたのところに行くよ。
「そいつはありがてぇな」
「じゃあ、俺たちはこれで」
俺たちは街を出ると氷と火がどんなスキルがあるのか、確かめた。
氷魔法は封印魔法でレベル52で習得できるのか。他にも麻痺耐性が習得できるようだ。これはレベル37か。後は透明化があってそれはレベル500で習得できるようだ。
火魔法は召喚魔法でレベル20で習得できるようだ。他には臭覚強化これはレベル23で習得できるのか。後、気体化があってレベル450で習得できるらしい。
「なあ、レベルってどうやって上げるんだ?」
「魔物を倒したりしてレベルを上げるんだ」
「魔物って俺たちにとってはどちらかというと仲間だよね」
「確かに仲間を殺すようなものだな」
「魔物って例えばどんなのがいるんだ?」
「スライムとかドラゴンとか」
差が激しいな。
やっぱりレベル上げといったらスライムだよな。
魔物ってどこから来てるのかな。
「魔物ってどこから来てるんだ?」
「南の魔王が作り出してるんだ」
俺のあの仲間も南南の魔王が作ったのかな。
魔法を習得したら仲間以外の魔物をたおしてレベル上げをするか。
「ちなみに書いてないけどレベル10上げると例えば火の魔法だったら自分自身が火になるんだ。後、レベル100を超えると周りの物まで火に変えれるんだ」
「それって最強じゃん」
「じゃあ、次の魔宝石を手に入れるか」
「おう」
「は、はい」
「次は水の魔宝石を手に入れるか。どこにあるんだ?」
「山に石碑があるんだけど、そこに魔宝石があったはず」
俺たちは水の魔宝石を手に入れるために石碑があるところに向かった。