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格差社会における異世界転生について  作者: ゆきしろ
第二章 ~ジル~
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~転生後 ジル5~

最初の冒険での事がトラウマになり、誰かとバーティーを組む気になれなかったため、その後はずっとソロで活動した。

その分用心深く、確実にこなせそうな依頼を、入念に準備をした上でこなしていった。

お陰で、着実に力をつけて行く事が出来たと思っている。前世でもコレクター気質だったため、RPGに出てくるクエストは、攻略できるようになった段階で全て虱潰しにクリアしていた。そういったところは今世でも相変わらず、という事なのだろう。

また、遺品として貰った魔剣が非常に役に立った。あれが無ければ厳しかったであろう難局が幾度となくあった。託してくれたガスさんの恩に報いるためにも、僕は生き抜かなければいかない。

ランクも着実に上がっており、気付けばガスさんたちと並ぶBランクへと到達していたのだが……。



「ジ・ル・さ・ん!いい加減にして下さい!

あれだけお願いしていましたよね?パーティーを組んで下さいと?」


 僕は受付のお姉さんに怒られていた。

 最初の冒険時から、基本的に拠点は変えていない(多少、各地を回ったりはしたが)ため、今では顔なじみとなった彼女だったが、最近では会うたびに小言を貰う。その理由は……。


「……いや、ちゃんと考えているんですよ?本当に。

 でも、中々ですね……。」


「もうっ!いつもそれじゃないですか?

 ジルさんは優柔不断過ぎるのです!もっとちゃんとして下さいよ!

 Bランクにもなる冒険者がずっとソロで……何て、新人たちが真似でもしたらどうするのですか!」


「いやいや、それは……。ギルドがちゃんと言い聞かせれば……。」


「そういう問題じゃありません!

大体、ジルさんだって、仲間がいた方がいいに決まっているでしょう!

ソロプレイヤーとパーティーとでどの位死亡率に差があるか分かっているのですか!

私もジルさんの事を思ってですね――。」


 と、いつものお説教を延々と聞かされる。慣れてきたため、半分以上聞き流しているが、そろそろパーティーを、というのは確かに考えている事ではある。ただ、選り好みをしている訳ではないが、踏ん切りがつかないだけだ。

 人探しという観点では、やはり世界中を回ってみた方が情報も得られ易い。だが、未知の領域へ積極的に足を踏み入れるとすると、ソロではリスクが高すぎる。ある程度の人数を揃え、あらゆる局面に対応できるようにした方が良いだろう。頭ではそう理解しているのだが……。


「中々、ね。」


「……私もジルさんに何かあったら、と思うと心配で心ぱ――。

 って!ちょっとジルさん!聞いてますか!!」


 聞き流しているのがばれ、従来対比1.5倍位の長さで説教し続けられる事となってしまった。

 心配して貰えるのは嬉しいが、やはり気が乗らない。結局はこのままソロプレイを続ける事になるのだろう。そう思っていた時期もありました。

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