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格差社会における異世界転生について  作者: ゆきしろ
第一章 ~アーデルハイト~
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~転生後 アーデルハイト6~

 事後の調査・報告によると、事のあらましは次のようなものでした。

 神の代行者を名乗るものはどうやら魔物たちの首魁だったらしく、建国祭を機に各国を制圧すべく準備を進めていました。各国の教会へと紛れ込ませていた魔物たちに、式典に合わせて各国要所を襲わせ、可能であればそのまま制圧をする。一方で式典に集めた要人たちは人質として確保し、その後の交渉に利用する、という形。その仕込みに何十年、或は何百年とかけていたようです。

 ただ、事前に冒険者ギルドへ計画が漏れていたらしく、式典のタイミングで送り込まれた優秀な冒険者たちによって、代行者は排除されました。各国における魔物の襲撃に関しても、有事に備えて待機していた各地の冒険者ギルド・冒険者たちの活躍により、最小限の被害(といっても、騒動の最中犠牲となられた著名人や、行方知れずとなった貴重品などもありますので、被害が軽微であったとはとても言えません)で鎮圧された模様です。ですが……。


「い、一大事でございます!!皇帝陛下、皇帝陛下が!!魔物たちの襲撃でお、お亡くなりになられました!!」


 魔物による帝都制圧は免れたものの、不運な事に、お父様がお亡くなりになられた、というのです。しかも、お母様もご一緒という!何という不幸でしょうか。そして、その知らせを聞いたお兄様は恥も外聞もなく取り乱してしまわれました。


「ハ、ハイジ!私は一体どうしたらいいのだ!!こ、こんな事が……。」


「落ち着いて下さい、お兄様。父上・母上亡き今、帝国を導いて行けるのはお兄様だけなのですよ?」


「……だ、だが私だけでは、ど、どうすれば……。」


「ご安心下さい。私も微力ながらお手伝いさせて頂きますわ。お兄様は自信をもって、陣頭に立って下されば大丈夫です。」


 私は子供にかけるが如く、優しく、それでいて力強く言い聞かせました。兄妹的には逆転しておりますが、精神年齢的には前世の分だけ私の方が上ですので、致し方ない状況かと思います。お兄様に奮起頂かない事には、帝国も立ち行かなくなってしまいますので、ここが正念場だとも言えるでしょう。


「……、そ、そうだな。お前さえ居てくれれば何とかできそうだ。そ、それで、私はまず何をしたらいいのだ……?」


 私は、これからやるべき事を順に頭に思い描きながら、助言を求めて来られたお兄様に対して言葉を続けました……。

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