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格差社会における異世界転生について  作者: ゆきしろ
第一章 ~アーデルハイト~
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~転生後 アーデルハイト4~

「おお、ハイジ!我が妹よ!お前が来るのを今か今かと、待ちわびていたぞ!」


「お待たせして申し訳ございませんでした。お兄様もご健勝そうでなによりですわ。」


 祭りの準備で忙しそうにしながら、どこか浮ついた雰囲気の神都へと到着した私たちは、まずは先に都へ入っていたお兄様と合流致しました。祭りの招待客、各国代表の賓客という事もあり、豪勢な迎賓館が用意されているため、長期間の滞在でも何不自由無く暮らせそうです。


「途中何も不自由な事は無かったか?もし、何かあったらなら私に言うのだぞ?ハイジを煩わせるようなものがあれば、私が直ぐにでも焼き払ってやるからな!」


「……大丈夫ですわ。ご心配頂きありがとうございます。特段、気になるような事もなく、とても快適な旅でした。これもお兄様が街道の整備を進められたお陰ですね。」


 途中、襲われた事はとりあえず伏せておきましょう。幸いな事に、特段大事には至らなかったですし、下手すると本当に街を焼き払うとか言い出しそうです。仲間たちも、私の意を汲んでか、黙っていて下さいました。持つべきものは、言わずとも通ずる、良い仲間たちですね。

 この神都は本大陸で広く信仰されている(最近、それとは異なる新興宗教も出始めているようですが)神々――宗教の総本山で、各地の教会を束ねる中央機関を有しております。その代表は神々の代行者を名乗っており、かつこの都市の主権を有している状態です。従って、この神都はどこかの国に属した場所ではなく、自治権を持った一つの宗教国家である、という事になります。何とか市国というのを、何処かで聞いた事ありますね。


「さて、記念祭までにはまだ日にちがありますが、色々とこなしておかないといけませんね。」


 各国の要人が集まっている事もあり、そういった方々との情報交換や会合・交渉なども数多く予定しております。他にも、新進気鋭の発明家による講演や、奇抜な音楽団による公演など、数多くのイベントが企画・行われる予定となっております。

 私は、そういったものをお兄様と分担して(各国代表や要人のお相手は基本的にお兄様がされる形ですが)処理して行きます。私はギルド・商工関係者との会合がメインで、『魔鉱石』や武工具などの工業品の売込、流通チャネルの維持・拡大に努めました。つまり、商工業や冒険者関連が私の受け持ちです。

イベント的なものを重点的に参加させて頂ける、というのは妹の特権ですね。他国の訪問などはそうそう行えるものでは無いため、異文化を直に感じられて大変面白く思いました。また、そういったものの中に、前世の息吹を感じるものがところどころ混じっているところから、他の転生者の方々のご活躍を垣間見る事が出来ます。

 こうして、充実した日々を過ごしていると、気づけば記念祭当日となっておりました……。

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