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格差社会における異世界転生について  作者: ゆきしろ
第一章 ~アーデルハイト~
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~転生後 アーデルハイト3~

帝国の首都は国土の北側に位置しており、西側には極僅かながら内海に面した領土があり、その先は小国が群を為している地域があります。その更に西側には帝国と比肩する大王国が存在しておりますので、小国群はある種の緩衝地域として機能していると言えます。

とはいえ、その中には海上貿易でそれなりの繁栄を謳歌しているところもありますので、帝国が従来路線を貫いていた場合は、立場が逆転していた可能性があります。また、大王国も優秀な王が若くして即位し改革を断行し発展が加速、大商家がユニークな商品や南方共和国との貿易で稼いだ金を元手に銀行業を始めたという話もあり、帝国の地位は安泰とは言えません。

北方にも未開ながら侮れない数の民族たちが国を形成しており、度々ちょっかいをかけて来るため、その備えも必要です。まあ、こちらの方々は帝国だけでなく、小国軍や大王国にも積極的に手を出していかれているのですが。勿論、西部諸国が未開住民の侵略を容易く許すはずもなく、彼らは手を出しては各国の軍隊に追い返されるというのを繰り返しております。そんな状況ですので、あまり海路貿易はあまり有望ではないとはいえ、内海に面した部分にはある程度の規模の港町、そして軍事拠点が存在します。まあ、今回は海路で神都に向かう訳ではないですが。

 首都の南側は神都まで大きな街道が整備されており、その途中途中には比較的大きな都市がいくつも発展しております。そして、まだ敷設中ではありますが、共和国にて開発された乗り物――魔鉱石動力を利用した鉄道の整備も始まっております。何と言っても、陸上輸送が帝国の肝となりますので、この物流強化は非常に重要です。現在は、国の総力を挙げて計画に邁進しております。そんな工事現場を横目にみつつ、馬車にて南下を続けました。舗装もされているので、かなり快適な旅です。

 途中にある主要都市には余さず訪問・宿泊し、市長・参事会の方々や、冒険者ギルド等の有力者たちと懇親を深めました。こういった事も、皇族としての責務でありますし、また、こうした繋がりが帝国の発展を下支えしていると考えておりますので、手は抜けません。当然、そういった事を織り込んだ旅日程にしてあります。知らぬところで汚職の温床となっても困りますので、適切な距離を保つ必要はありますが。

そんな形で旅は概ね順調に進み、訪問先でも友好的に出迎えて頂けたのですが、全てがそうであった訳ではありませんでした。

皇帝の方針展開により国は栄えましたが、急激な技術のシフトや国政の変化により割を食った人たちも当然いらっしゃいます。人間至上主義の方、軍事や従来の魔法技術の独占で儲けていた方、自分たちの利益を優先して高税率賦課し私腹を肥やしていた方、等など。

そういった方々は皇帝・皇族に対して良い感情を持っていない、或は敵意を持っていてもおかしくはありません。表立って反乱などはできないにしても、小さな嫌がらせ・妨害をして来る事はございます。まあ、そういった事も、ある程度は受け流す(度を越していれば別ですが)というのも、上に立つ者に必要な度量ではないかと思います。

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