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剣道強い俺が異世界転移したら最強剣士として年上お姫様たちと甘々な暮らしを送ることになった

作者: ホークス

 1. 武道館


 ここは武道館。部員や応援に来てくれている生徒の声援が地鳴りのように響き渡る。それでも、面をつけるとその声援は聞こえなくなる。ここからは俺一人だけの世界。全国大会の決勝の舞台。高校生、男子個人の部。ふうと息を吐く。程よい緊張感で胸が高鳴る。手が少し震えている。これは、武者震いだ。


 神童と呼ばれていた。物ごごろ着いた時から父の教えにより竹刀を握っていた。毎日のように道場に通い、竹刀を振った。もともと単調な作業が得意だったのだろう。ただ竹刀を振り上げて、下ろすという動作は自然と体に身についた。小学校に上がる頃には、型や足の使い方を教え込まれた。普段は優しい父だったが、道場においては厳格だった。何度も叱られた。夏場は汗臭いし、冬は寒い。防具をつけていても、体を打たれるとやはり痛い。それでも俺は努力を続けた。そして気がついた時には、全国大会小学生の部で優勝していた。


 高校は剣道の推薦で強豪校に入った。俺の後ろには、100人以上の部員の応援がある。まだ一年生だけれど、団体戦では大将を務めた。中には強く当たって来る先輩もいたが、この競技は実力の世界だ。顧問も強い先輩も俺を庇ってくれた。


「お前の強みはその速さだ」

 今、客席の最前列で腕を組んで見守ってくれている父はよくそう言った。

「お前は体の使い方がすごく柔らかい。だから竹刀が最も自然な出方で振られる。そのスピードは、まさに才能だ。頑張れよ」

 小学四年生、日本一になった時、父は初めて俺をそう褒めた。剣道においては厳格だった父からの賛辞。あの言葉が、俺を今ここに立たせているのだ。


 審判の合図で俺は立ち上がる。これを勝てば優勝だ。相手は高校三年生の剛田力丸(ごうだ りきまる)。去年のチャンピオン。華奢な俺よりふた回りほどでかい。俺とは対照的に力で押してくるスタイル。スピードと力の対決。わかりやすいじゃないか。俺は竹刀をぎゅっと握りこむと、ゆっくりと歩き出した。


 礼をして、竹刀を抜く。俺は中段の構え。剛田は上段の構え。180センチをゆうに超えるであろう体格と相まって、なかなか迫力がある。面越しに見える表情は、口を結んで鬼のようだ。それでも、俺も怯まずに睨み返す。


 少しの沈黙。そして、審判の「はじめ!」という号令。俺の最後の戦いが始まる……。




 2. 転移


「……」


 ここはどこだ?

 俺はさっきまで武道館に立っていたはずだ。確か、試合は劣勢だった。剛田のパワーに押されて、少し怯んだ隙に面を一本取られた。そして、2本目がいざ始まろうとした時に視界が暗転して今に至る。

 ここは武道館ではない。そもそも室内でもない。見渡す限りの草原。小学生の遠足で、牧場でピクニックをしたことがあったが、そんな雰囲気だ。のどかな空気、静かな丘。雲ひとつない青い空。

 体が軽い……?

 俺は自分の体を見る。半袖のシャツに長いジャージのズボン。防具は着けていない。面もない。しかし手には竹刀が握られていた。


 少しの間戸惑っていると、ドドドという音が聞こえて来る。その音はだんだん大きくなって響いて来る。

 そちらの方に目を向けると、何やら金髪ロングのお姉さんがこちらに向かって走って来ているところだった。


「ちょっと君、危ないよ逃げて!」


 お姉さんが叫ぶ。RPGのゲームで見るような剣士の格好をしていた。つまり、胸と腰のところに甲冑のような防具をつけていて、すらりの白い腕と足を露出している。また、胸の谷間が大胆に見えており、走りながら大きく揺れている。俺は思わずそちらの方に気を取られる。


「聞いてる!? 逃げてってば!」


 だんだんお姉さんが近づいて来る。地鳴りもどんどん大きくなる。はっとお姉さんの後ろをみると、熊のような生き物が彼女を猛追していた。


「う、うわああ!」


 俺は彼女と一緒になって走り出す。なんだあの生き物!? 体長は二メートルを超えているのではないだろうか。それが二本足で人のように走りながら追いかけてきている。

 ここがどこか、彼女は誰かなんてことを考えるより、あれから逃げる方が先だ!

 俺は竹刀を片手に彼女に並走した。


「な、何あれ!!」


 俺はお姉さんに向かって叫ぶ。


「ロックベアーの親玉よ!」


「は!?」


 意味がわからない。


「とにかく逃げるよ!」


 なんだかわからないがとても怒っているようだ。というか俺は巻き込まれただけだから許して欲しいんだけど……。

 そう思いながらダダ広い草原をひた走る。ロックベアーとかいう生き物との距離は縮まりも広がりもしない。


「きゃっ!!」


 お姉さんは足がもつれて転んでしまう。


「ちょっ!! 大丈夫!?」


「ハァハァ、わ、私のことはいいから、ハァハァ、逃げて!」


「そ、そんな!」


 彼女はとても息切れをしていて、到底立ち上がれそうにない。

 そうこうしている間にロックベアーはどんどん距離を詰めて来る。


「……」


 やるしかない。俺はお姉さんの前に立ちふぅと息をつく。向かって来る大きな生き物を睨みつける。剛田よりはるかにでかい。


「ちょっと君何してるの!? 早く逃げて!!」


「どっちみち逃げきれないよ、戦うしかない」


 俺は背中越しに言う。俺が初めて竹刀を握った日から繰り返し父に言われていることを思い出す。「お前は誰かを守るために剣を振るうんだ」。それが今なんだね、父さん。


 俺は一瞬目を瞑り精神を統一させる。大丈夫、落ち着け。ゆっくりと竹刀を構える。

 ロックベアーはいつの間にか四つん這いになっている。そして牙を剥いて俺の方に飛びかかってきた。


 俺は体を横に逸らしながら大きく踏み込み、やつの開いた口に竹刀を突き刺す。そしてそのまま押し込む。

 竹刀ごと押し込んで手を離す。奴はグオオと唸り倒れこむ。


「す、すごい……」


「お姉さん、剣貸して!」


「あ、は、はい!」


 俺はすぐさま振り向いて彼女の腰に刺さっていた剣を借りる。やつは竹刀を吐き捨てて立ち上がる。竹刀で倒せる相手じゃない。本物の剣を握るのは初めてだ。リーチは竹刀より少し短い。それを考えながら間合いを調整する。

 やつもそれを感じ取ったのか、ギリギリの間合いから動かなくなった。その間は二メートルほど。そこから睨み合いの状態になる。


「え、何これ、どういうこと?」


 固まって動かない俺たちを見てお姉さんは困惑しているようだった。確かにこれは俺とやつにしかわからない。本当にギリギリの距離。どちらかが一歩でも踏み込めば、その瞬間に決着がつく。まさに一触即発。


 俺はイメージする。やつの動きを。これは経験から得られる直感的なものだった。相手の呼吸や筋肉の収縮から、次の行動を直感で予測する。そしてそれに対して俺はどう切り込むのか。幾通りものパターンをイメージする。その間もじっとやつから視線をそらさない。


 そんなにらみ合いの状態が、おそらく1分ほど続いた。

 先に動いたのはやつだった。

 といっても、腕を下ろして四つん這いになり、警戒を解いたのだ。どちらが勝つにしても、相当の深手を負うのがやつにもわかったのだろう。俺もそれに応えるようにゆっくりと剣を下ろす。お互い少しずつ後ろに下がる。そして十分に距離が離れるとやつはこちらにくるりと反転して、すごすごと帰っていった。


「ふうう」


 俺は大きく息を吐く。人以外の相手に剣を持ったのは初めてだった分、かなりの労力を消費した。


「あ、あの、ありがとう……」


 いつの間にか立ち上がっていたお姉さんが言う。


「うん。お姉さんは平気?」


「う、うん……」


 金髪のお姉さんは近くでみると思ったより背が高く、170センチの俺とほとんど変わらなかった。西洋人のような彫りの深い顔をしており、可愛いというよりは美しいという印象だ。露出された手足もすらっと長く、肌も白くて綺麗。そして何より、その大きい胸に目が行ってしまう。


「……あの、聞いてる?」


 ジト目で彼女が言う。胸に気を取られて彼女の話を聞いていなかった!


「ごめん、何?」


「とりあえずお礼がしたいからついて来てくれる? 私の名前はレミール」


「わかった、俺はユウキ」


 こうして俺は彼女と出会った。




 3. 出会い


「本当に記憶喪失なの? 私のことも知らないの?」


「うん」


 馬車の中で俺はお姉さんと並んで座っている。

 どうやら彼女は偉い立場なようで、さっきまでいた丘を降りて家来のような人たちと合流した時にこっぴどく叱られていた。


「そう……。じゃあ一から説明するね。私の名前はエミール、このイセカイ王国の第3王女よ。さっきは息抜きに一人で森に入って狩りをしてたんだけど、どうやらあのロックベアーの縄張りを荒らしてしまったらしくて、追いかけられてたの。ロックベアーは森の番人とも言われていて、私たち人間では絶対に敵わない相手とされていたの。あいつらとまともに戦えるなんて本当にユウキは何者なの?」


「何者なのかな……わかんないや」


「変なのっ」


 そういって彼女はクスクスと笑う。サラサラの金髪が揺れる。

 どうやらここは完全に異世界のようだ。


「それで、今はどこに向かってるの?」


「お城よ、私の」


「お城かぁ」


 俺には武道館での大事な試合が残っているんだけどなぁ。どうしていま、こうなっているのだろう。


「ねえ、ユウキ♡」


 いつの間にかエミールが俺の腕に手を回してもたれかかっている。彼女の甘い香りがする。俺は一瞬ドキリとする。


「私、強い人が好きなの。記憶喪失で帰る場所もないなら、私の専属の付き人にならない?♡」


「え、えーと、そうだなぁ……」


 確かに、元の世界に帰れる保証はどこにもないのだから彼女のお世話になるのが良さそうだ。それにどうやら気に入られているようだし俺も満更でもない。


「それでお願いするよ、エミール」


「うん、よろしくね♡」


 そう言って彼女は顔を近づけてくる。おいおい、これってまさか……。なんて考える暇もなく彼女にキスされる。唇と唇が触れ合うフレンチキス。柔らかい彼女の唇が心地よい。人生で初めてのキスがこんな形になるなんて……。

 口を離した彼女はえへへと照れたように笑う。そのくしゃっとした笑顔が、先程までの美人なイメージとギャップがあって面白かった。




 こうして俺はエミールの護衛隊隊長という役職を与えられた。剣道部の大将から護衛隊隊長。まあ、そんなに大きくは変わってないのかなと思う。

 このイセカイ王国は、隣のニセカイ王国と戦争中で現在は膠着状態にあるとのことだった。またイセカイ王国内部でも、エミール含め3人のお姫様の内紛もあるらしい。俺はそんな権力闘争にまで駆り出されることになった。まだ16歳になったばかりだというのに……。

 その原因は俺があっさり軍の次期総隊長のおじさんに剣技で勝ってしまったことにある。3人の姫の目の前で。彼女たちはそれぞれお抱えの軍隊を抱えており、俺はその軍隊長の就任依頼をエミール以外の二人からも受けたのだ。

 ちなみに3人の未婚のお姫様、長女のローシャは28、次女のクルーゼは24、そして三女のエミールが20歳とのことだった。こんなお姉様たちの闘争に俺は巻き込まれていくことになる。




 4. ローシャと俺


「ユウキ、入るわよ」


 ローシャの声が響く。


「……」


 入るって、ここ浴室なんだけど……。

 俺がこの城にきて三ヶ月が経っていた。いきなり大出世をかました俺は城に住む王族のための施設も自由に利用可能、いわば特権を得ていた。よって今は夕飯前に優雅に大浴場を貸切にしていた。はずだった。


「ユウキ、私の背中を流して」


「ローシャ様、そういうのはご自分の従者にお頼みになった方がよろしいかと……」


「私はユウキがいいの。ほら、上がって来なさい」


 俺は渋々立ち上がるとタオルを腰に巻いて風呂から上がる。

 立ち込める湯気の中、彼女は堂々と仁王立ちしていた。流石に裸ではなく、黒いビキニを身につけている。けれど、布の面積が小さい。下なんてほぼ紐パンだし、エミールより大きい胸、推定Hカップの爆乳が強調されている。

 エミールより長い金髪だが、今は頭の上でお団子に結んでおでこにタオルを巻いている。目は綺麗なコバルトブルーで、くっきりとした二重である。鼻はツンと高い。

 大人な美人。そんな印象だ。


「はい、どうぞ」


 彼女の前まで来た俺にそう言ってふわふわのスポンジを差し出す。


「承知しました、お座りください」


「よろしくねー♪」


 上機嫌に彼女は言う。俺はスポンジに大量に石鹸とつけると、優しく彼女の背中を洗い始めた。彼女の背中はきめ細かく美しいが、どうしても後ろからでもわかる胸が気になってしまう。


「♪♪」


 彼女は鼻歌を歌っている。

 ローシャの体を洗うのはこれが初めてではない。彼女はこうして何かと俺に接触してくる。そしていつも決まって言う。


「どう、ユウキ、私のものになる決断はできた?♡」


「いえ、俺はエミールに仕えていますので……」


 どうやら俺は彼女にも気に入られているようだった。


「でも私の元に来ればこの国のトップになれるのよ?」


 このイセカイ王国は女王をトップとしている。そして国軍の総隊長が代々女王と結婚する慣習らしかった。


「私が女王になる上で唯一嫌だったのが、あのおやじと結婚しなきゃいけないことだったの」


 あの親父とは俺があっさりと破ってしまった次期総隊長のおじさんのことだ。確かに40は超えているだろう。


「でもね、ユウキが私と結婚して、総隊長になれば完璧じゃない? ユウキはかっこいいし♡」


 こういってあの日以来俺はローシャに毎度のように求婚されている。


「しかし、ローシャ様は俺とはだいぶ年も離れておりますし……」


 彼女は俺と12歳、ちょうど一回りも離れている。


「私のことはお姉ちゃんと呼んでって言ってるでしょ。それに大丈夫よ、色々教えてあげるから♡」


「ははは、そう言われましても……」


「お姉ちゃんって呼んで」


「ロ、ローシャお姉ちゃん……」


「よろしい、おいで♡」


 そう言って彼女は体ごと振り向くと、俺を抱きしめる。柔らかい肌がとても心地よい。その大きすぎる胸は俺の胸のところでふにゃりと潰れている。


「ユウキは可愛いねー♡」


 そう言って彼女は俺の頭を撫でる。俺は彼女に抱かれてなんだか少し安心していた。



 5. クルーゼと俺


 次女のクルーゼは少し変わっていた。ローシャもエミールも、ブルーの瞳に綺麗な金髪、そして抜群のスタイルを誇っていたが、クルーゼは違っていた。そもそも彼女は黒髪に染めていて、瞳もブラウンで、背もそれほど高くなく、やや引っ込み思案で胸もそこまで大きいというわけではなかった。

 また、ローシャやエミールみたいに直情的ではなく、落ち着いていて話しやすかったので俺はよく彼女の元を訪れて日の当たる庭でお茶をした。彼女は綺麗なドレスを着ていた。


「だから前も風呂場にまで来られて大変だったんですよー」


「うふふ、ローシャお姉様はそういうお人ですから」


「クルーゼ様は落ち着いてますよね」


「お姉様やエミールと比べたらそうかもしれませんね……でも」


「でもなんですか?」


「わ、私もお姉ちゃんとは呼んで欲しいです……」


 恥ずかしそうに顔を真っ赤に染めて彼女は言った。


「ク、クルーゼお姉ちゃん」


「……はい♡」


 照れ臭そうに、それでも嬉しそうに笑って彼女は応じた。その笑顔はとても可愛いかった。



 昼下がり、芝生の植えられた庭に俺たちは座っていた。気温もちょうどよく、日差しが当たってとても気持ちが良い。

 クルーゼは芝生の上に足を伸ばして座っている。そして俺はというと、彼女の太ももに顔を乗せて寝転んでいる。いわゆる膝枕をしてもらっているのだ。しかも彼女はドレスをまくりあげてくれているため、生足にほっぺたをくっつけているのだ。彼女の太ももは程よく肉がついていてもちもちと柔らかい。

 彼女は右手で俺の頭をなでなでしてくれていた。俺たちはよくこのようにして羽を伸ばす。俺は彼女の空いている方の左手を右手で握る。彼女もそれに応えてくれて、一本ずつの指を絡ませて恋人つなぎをする。


「ねえ、ユウキくん?」


「なあに、クローゼお姉ちゃん」


「私もね、お姉様やエミールには負けたくないって思うんです。別に女王なんて元々どうでもいいんです。でも、ユウキくんは誰にも渡したくないんです」


「うん……」


「ふふ、ごめんなさい、こんなこと言われても困っちゃいますよね。さ、ねんねしましょーね」


 俺は彼女の手を握りながら、柔らかい太ももに頬ずりをして昼寝につく。



 6. エミールと俺


 もともと夕食はお姫様3人だけだった。女王と現総隊長は別室で食事をとる。しかしいつからか、お姫様3人の会食の場に俺も呼ばれるようになっていた。


「ユウキ、この後私の部屋に来て一緒にゲームしましょ」


「わかりました、ローシャお姉ちゃん」


「ふふ、約束よ♡」


「ユウキ君、その後私と映画を観ませんか?」


「はい、クローゼお姉ちゃん」


「待ってますね♡」


 エミールはこの日の食事中ずっと不機嫌だった。




「ふう」


 俺は二人のお姉様との交流というかイチャイチャを終えて部屋に帰って来た。異世界、悪くないな。


「うわあっ、いつからいたの?」


 部屋のベッドにはいつの間にかエミールが座っていた。俺は彼女に歩み寄る。


「んっ!!」


 すると勢いよくベッドに押し倒され、キスされる。それもいつものようなフレンチ・キスではなく、舐るようなディープキスだった。彼女の舌が俺の口の中を舐め回す。


「んんんんん!!」


 俺は彼女の肩を掴んで離そうとするがなかなか動かない。


「ぷはっ」


 しばらくキスした後、ようやく彼女は口を離した。


「急にどうしたの?」


 俺は体を起こして彼女に問いかける。


「ユウキは私のなのに、お姉様たちとイチャイチャしすぎなのよ!」


 彼女はプンプンと頬を膨らませて怒るように言った。


「ご、ごめん……」


「んーん、仕方ないことだってのは私もわかってる。だからね」


 そう言って彼女は俺を見つめる。


「私を選んでもらえるようにこうするの」


「うん……」


 再び顔を近づける。今度はお互いベッドに座った状態で、肩を抱き合う。さっきとは違い、ゆっくりと優しいディープキス。お互いの存在を確かめ合うかのように体を密着させ舌を絡めて行く。彼女の時折漏れ出る息遣いが色っぽい。

 こうして俺は彼女と夜を過ごす。




 7. 後日談


 こうして俺はなんやかんやあって、三姉妹や軍隊の女の子、魔法使いの女の子などいろんな子と結ばれた。女王には順当に長女のローシャがなった。国は平和に保たれた。

 結局、俺はこう思った。

 父? 剣道? 剛田力丸?男臭いのはもう勘弁。年上お姉さん、サイコー!


終わり

異世界サイコー!

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