その世界で
取りあえず第二話め。
ちゃんと連載していければいいなと自信少なめに思います。
よろしくお願いします。
……どうやら寝てしまったらしい。
暗い部屋の中でカンナは再び目を閉じ思い出す。
ごろごろと布団のぬくもりを堪能した記憶が最後に残っている。
ここは、暖かい。
寒くないのだ。
まだ、まどろみの中に居たい。
そうカンナは思う。
しかし心の奥ではだめだという声が聞こえる。
「………」
少し悩んだ末、彼女は起きることを決めた。
ただ寝ていてもどうにもならないと分かっているからだ。
自分自身の今の状況。
この、死んでいるのに生きている状況でどうすべきか。
寝室を出て最初にいた部屋――居間に行く。
カーテンを少し開き外の様子を見る。
明るい。
予想以上に暗くはなかった。
空にはきれいな満月が出ている。
カーテンの隙間から月光が部屋を照らす。
神秘的な光景だった。
しかし
「おかしい。なにか、なにか変だ。」
そう言ってカンナはカーテンを閉めた。
微かに感じる妙な違和感。
部屋の時計をふと見る。
机に設置された電波時計は8時を回っていた。
最初に来た時には朝の10時だ。
もうかれこれ10時間もここにいる。
そして気づく。
空腹を感じない、という事に。
「………死んでいるから、か?」
自由に動き回っている手前忘れそうになるが、私は死者。
ならば生きるために必要な食事や排出は、死者には不必要だ。
いや不可能なのだろう。
逆に死者が普通に食事をしているのはなんだか変な気がする。
別に食べることは嫌いではないが、そこまで気を使っていることではない。
それに死者の国での食事ってまずそう、と思ってしまうのであった。
「お風呂に入って二度寝しよう。」
寝室に置かれたタンスの中からパジャマと下着を適当に見繕う。
お風呂、と言ってもシャワーを軽く浴びるだけだ。
今はあまり湯の中につかりたいとは思わない。
「……。」
何といっても死者だ。
もし仮に体が腐ったら嫌だし。
さっとシャワーを浴び、自分の体を眺める。
脇腹にあるはずの刺されたナイフの傷。
それが傷跡すらないというのはどうなのだろう。
そっとその部分を撫で上げる。
触っても特段変な感覚はしない。
他にも数年前にやけどした左腕を見る。
しかしただの、けがのないのきれいな肌だ。
生前の傷や怪我は引き継いでいないらしい。
カンナは少しだけ良好な情報を手に入れたと思い、浮かれた表情で風呂場から出た。
読んで下さりありがとうございました。
次回もぜひ読んで下さるとうれしいです。
もう一度、読んで下さりありがとうございました。