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第8話 気持ちを伝えるまで

もしよろしければでもいいので今後の参考に評価だけでもお願いします!

ルークとの男同士の交渉により、いろいろな情報をもとにルークを見逃すことにした。

もちろんむやみやたらと人を襲わないことを約束させて。



「まさか、俺以外にもこの世界に来ていた人がいたなんてなー。 あとセリアさんがまさかあそこまですごかったとは…」



世の中わからないことだらけである。



ルークと別れ、外に出てみると空は明るくなり始めていた。 表にルナとセリアさんの姿が見えないところをみると先に帰ったのか。




俺はとりあえず、もう先に帰っているだろうルナの家を目指すことにした。


俺もそろそろヒモやめて自分の住むとこ確保しないとな。





いろいろ考えつつ帰り、ルナの家に着く。と、家の前にはセリアさんがいた。



「セリアさん、どうです? ルナの様子は」


「ああ、ソウタさん。 それなんですけど、あのあとルナさん家に閉じこもったきりで返事をしてくれないんです」


と申し訳なさそうな顔で言ってくる。



「それは困るな。 俺もこの家に入れないと荷物とかあるし。 とりあえず俺がなんとか説得してみますよ」


「え、 でも…」


「大丈夫ですって! もう遅いっていてもあともう少しで夜明けちゃいますけど、帰ってゆっくりしてください」


「そ、そうですか? では、あとはお任せしますね。 ソウタさんならもしかしたら今のルナさんとお話しできるかもしれないですし」



そういってセリアさんは帰っていった。



さて、どうしたものか。


「ルナー! 俺だ、ソウタだ! なぁここ開けてくれよ!! 」



返事がない。



寝たのか? それは困る。

中に入れるか試す意味でドアを開けようとしたところ、開いた。



「ルナー 、どこにいるんだー」


俺は家の中を探した。 するとルナはリビングのソファーに膝を抱えて座っていた。 泣いてるのか? それとも寝てるだけか?



近づいて肩を叩いてみる。


「おい、ルナ? 大丈夫か?」


ルナは顔をあげずにこちらに答えた。



「大丈夫じゃない」


こりゃ相当だな。



「なぁ、あの変態吸血鬼のいうことは気にすんなよ。 とりあえず機嫌なおしてまた明日から一緒にクエスト頑張ろうぜ」


「私が……ても、一緒に……いいの?」


「え?」


「私が狂戦士とか言われてる女でも、一緒にいていいの!?」


顔をあげたルナの目は涙をいっぱいにためていた。


「私は今まで『狂戦士』だってどのパーティにも好意的にうけいれてくれるところはなかった! やらないようにやらないようにって言い聞かせてるけど、いつも失敗する!! それに私がいたって邪魔になるだけだし、ソウタも一緒に陰で笑われるかもしれない! それでもいいの!?」




ルナはずっと耐えてきたのだろう。 いつも明るく振舞ってはいるが、陰で自分がイロモノ扱いされていることに耐えてきたのだろう。 そして今、ルナは自分のことよりも俺がこの先苦労したり、笑われたりすることを心配している。


俺はそんなルナに


「ああ、いい。 いいに決まってる」


「う、嘘だっ! 信じられない!!」


ルナは髪が乱れるほど激しく首を振り、俺の言葉を拒絶する。


そんなルナに俺は行ってやった。


「嘘じゃない。俺はルナとこれからも一緒にやっていきたい。」


「おかしいよ… 変だよ! 弓兵なのに前線で戦ちゃうような、 こんな頭のおかしい女…変に決まってる! 私が男だったらそんな女きっと…」


「何度だって言ってやる。俺はルナと一緒に冒険がしたい! 頭のおかしい女? 俺はお前がそれだけじゃないのを知っている!」


喰い下がるルナに対して俺は続けていってやる。


「俺が右も左もわからず人生初めてのクエストで困ってる時も、怪我して動けなくなって看病してくれた時とか、ルナが優しかったことを俺は知っている! あの吸血鬼は猫被ってるとか言ってたが、それだけであそこまで親身にはやってくれるわけがない!! 俺だけは知ってるぞ! お前がみんなに言われてることだけじゃない、人にとても親身になって助けてくれる心の優しい女の子だってことを!」



俺はそういってやった。


ルナが弓兵なのに前線で戦うのは、おそらく自分以外誰も傷つかないように、みんなの役に立とうと無意識にやっているのだろう。


ルナはとても優しい子だ。 だから俺はそんなルナと一緒にこれからもやっていきたいと心から思ったのだ。



みるとルナはすでに涙のダムは決壊しており、ボロボロと涙をこぼしている。そして声をつっかえながら、鼻にかかった声でいう。


「後悔する… ソウタはきっとすぐに後悔するに決まってる! それでもいいの?」



「ああ、これからもよろしくな。ルナ」



ここまでが限界だったらしい。 ルナは俺に抱きつき俺の胸で顔を涙でぐしゃぐしゃにしながらわんわん泣いていた。




この一件で俺とルナは本当の意味で仲間になれた気がする。















できれば気に入っていただき、これからも読んでくれるありがたいです!

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