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第84話みんなを納得させるまで!

「…というわけだ。 これからソウタ君と僕は図書館に戻る。 船は港に入れるみたいだからみんなは降りて休んでていいよ。 みんな頑張ってくれたからね」



アザゼルは甲板に全員集めてそういった。




魔王軍に対抗するため、人間諸国で大同盟を組むという目的のためアザゼル指揮の元前の勇者が残していった(俺のひーじぃちゃんが残していった)戦艦のこの世界で使えるように改修作業を行った。 そして船は無事完成し、アルシノエ国王の港に入り港の人たちや街の人たち、そして会議に来ていた各国の代表をとても驚かせた。 これで同盟が結成されるかと思いきや勇者の遺品はわかったが肝心の勇者がいないと新たな反対意見が出た。 もちろん、今の勇者は一応俺ということなのだが、俺が勇者ですと手をあげるだけじゃ信じてもらえるわけもなくどうしたものかと悩んだ。そこで、アザゼルはいい手が思いついた任せてくれといったのでここはアザゼルに任せることにした。



「師匠、せめてソウタにくらいその案くらい教えてあげたらどうだい?」



「うーん、これは内緒かなー。 というか内緒の方が成功する確率高いし」



「私たちもその作戦を手伝うことはダメなのですか?」



「ああ、ティアラちゃんやそれにルナちゃんは疲れているだろうから休んでてよ。 ソウタくん1人の方がこの作戦はいいんだ」



結局誰が聞いてもアザゼルは諸国の代表に俺が勇者であることを証明する作戦を話してはくれなかった。

結局俺はそのまま大会議場へ連れて行かれる。

大会議場の中は関係者以外立ち入り禁止なので、俺とアザゼルを除いたみんなは別室で待機となった。



「失礼します。 モーデル様、勇者を名乗るものを連れてきました」



「何!? 本当か!」



アザゼルは今まさに議論が行われている部屋にそういって入っていった。

モーデルは待ってましたと言わんばかりの顔である。



「はい。 こちらの少年が我こそは勇者だと申しております」



「あ、どうも」



アザゼルの適当な紹介に驚きつつ、俺はぺこりと頭を下げる。



「そのような少年が勇者? 何かの間違いではないのかね?」



「なんともオーラのない。 この少年の虚言ではないのですか?」




「その少年が本当に勇者なら証拠はないのか?」



当然のように俺を疑う声があちこちから上がった。



「みなさん! 彼の強さは私が証明します。 彼の強さは私が、この目でしかと見ました!」



ここで言われ放題になっていた俺をレイラがかばう。



「これはこれは皇帝陛下。 ですが我々ははそれを見ていない。 それは皇帝陛下の基準で強いというだけかもしれませんよ」



若いレイラをバカにするように老獪な男性がいう。



「どうするのだ! アザ… ではなかった、エドワード!」



「大丈夫でございます。 ちゃんと策を考えて降ります」




不安そうに耳打ちするモーデルに対しアザゼルはそういうと、それではといって皆に言い聞かせるようにいう。



「みなさまも勇者の強さというのをご覧になっていただくのはどうでしょうか? そうすればこの物や、レイラ様のいったことをご信用できるのでは?」



「具体的にどうするんだね?」



「そこはこのアルシノエ王立図書館館長エドワードにお任せを」













「なぁ? そろそろ教えてもらってもいいか?」



部屋を出た俺はアザゼルに聞いてみた。

部屋の外にはみんなが待っていてみんなもそのアザゼルの作戦というのを聞きたがっていた。



「まぁそろそろいいだろ。 ソウタくん、君にちょっと死んでもらうよ」



「な!? おい! それはどういう… ぐぅっ!」



俺はアザゼルに思いっきり鳩尾を殴られその場にうずくまってしまう。



「どういうつもりだい、師匠!!」



「そこの者達もおとなしくさせておけ」



どこから来たのか兵士達がルナ達やミーナ姉妹を取り囲む。



「なんのつもりですか!? アザゼルさん!」



「ティアラちゃん。 これには訳がある。 悪いがこの作戦には君たちは少し邪魔なんだ。 全部終わったらちゃんと解放してあげるから」



「ちょっとお姉さまに触らないで!」



メルは何に怒ってるのかわからないがそのキーナに危害を加えようとした兵士たちに攻撃しようとした時、メルは宝塚の男役のような凛々しい女性に止められた。



「落ち着けメル。 これには訳ありなんだ。 なんなら君と君のお姉さまだけは解放しよう。 いいだろ、アザゼル?」



「ああその2人は構わないよ、アリー。 さてそれじゃあ移動しようかね」



「そっちがその気なら力ずくでいかせてもらうよ!」



「アホだと思ってたけどここまでとは思わなかったよ、師匠!」



ルナとミーナがそういい、兵士たちの隙をつき倒れるソウタの元へ向かおうとする。

だが、何者かによる後ろからの攻撃で2人とも気絶させられてしまう。



「な!? イヴさん!?」



そう、2人に攻撃したのはなんとイヴであった。



「よくやった、イヴ。 それじゃあ君はエディと一緒にレイラ様の身柄の確保に向かってくれ」



「了解しました、マスター」



「アザゼルさん! イヴちゃんに何をしたんですか!?」



「ちょっとデータを書き換えたのさ。 僕の命令を優先するように。 ミーナもダメだよねー。 ちゃんとハッキングされないようにもうちょっとしっかりとブロックしなくちゃ。 さて、ティアラちゃん。 君も抵抗するかい? それとも大人しく付いてくるかい?」



ティアラは抵抗するのは無駄だと悟り、大人しく投降する仕草を見せる。



「素直でよろしい。 それでは行こうか。 あ、君達、この男を例の場所に運んでおいて。 で、この2人は僕のところへ」



アザゼルは兵士達にそういうとティアラと気絶したルナ、ミーナを連れて行く。




























「くそ… アザゼルのやろう…! なにがソウタくんが新たに強くなるために必要だからだ!」



俺はドーナッツ状の建物の真ん中にいた。 周りは高い壁になっており、その上は観客席となっていた。 これはどう考えても元の世界にあった闘技場である。 その闘技場の観客席はすでに大勢の人で埋まっていた。



「マジかよ… ってことはやることは1つだよな」



予想していた通りというか俺の目の前にある大きな鉄の扉がガラガラと開く。

そして現れたのが、



ギャァァァァス!!!!!



嫌な思い出というかもはやトラウマでしかない大きなドラゴンだった。





















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