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第80話 船を改造するまで!、

駆逐艦 睡蓮

俺が日本にいた時間からすると70年以上も前に当時の太平洋戦争で活躍した船だ。 この船のことは俺のひーばぁちゃんやじーちゃんから聞かされていた。 俺のひーじぃちゃんが艦長をしていたことや周りの歴戦の戦艦が沈む中奮戦していたことなど。 ただ他の戦艦と同じく敵の攻撃を受け、海の底に沈んだと聞いていた。

その小さい時から聞かされていた船が今、目の前にある。




「やっぱりソウタくんはこれ知ってたか」



アザゼルは感心するようにそういった。



「え!? ソウタこれ知ってるの!? ねぇねぇ、これなんなの!?」



ルナは興奮して声を大にして聞いてくる。




「えーっとイヴは知らんかもしれんが、ほれ、ランダスの街に行った時、うちのひーじぃーちゃんの日誌があったろ? あと太陽が描かれた旗、あれとかと同じようにもともと俺のいた世界にあったものなんだ、この船は」



「えっ!? これ、船なんですか!? みたところ鉄で出来てるみたいですけど浮くんですか!?」



俺の説明を聞いたティアラも驚く。

なんか、驚き方がベタだなー




「まぁ浮くよ。 ただ浮くとは思うがもう動かないと思うぞ。 保存状態がいいのはわかったけどそもそも燃料がないし、俺は動かし方知らないし」



そう、アザゼルは期待しているようだが、こんな大きな船を普通の高校生が動かせるわけもないのだ。 やり方さえ知っていればと思われるかもしれないが、前に使った手榴弾とはわけが違うのだ。



「だから、その辺は心配いらないって。 この船は僕がみたところでもどう動かすのかさっぱりわからなかった。 だから、僕らでも操作できるように『この世界』方式に改造しているのさ。 なかなか難しいけど『彼女』ならやってくれるさ」



「彼女? だれなんだ? そんなことできるの?」



「会ってくかい? 多分今中で作業してるから。 君たちも知ってる人物だよ」



アザゼルは笑いながら俺たちを船の中へ案内してくれる。




















俺たちはアザゼルに連れられてデッキに上がった。

ルナはさっきっから目を輝かせてあちこち見ている。

まさかルナがこういうものが好きだったとは…

なんというかどちらかと男趣味じゃないか? こんな鉄の塊の建造物…



アザゼルはデッキから操舵室の方へおーいと手を振る。

その声に気づき、窓からこちらを覗き込んできたのはミーナであった。

アザゼルは覗き込むミーナに向かっておいでーと手招きするわミーナはそれを見ると引っ込んでしまう。

しばらくすると船内からデッキに出てきた。



「やぁ久しぶりだね。 みんな元気そうでなによりだ」



そう俺らにいうミーナはなんだかボロボロでやつれているように見える。

そんなミーナの様子をみたルナは不安そうにミーナを気遣う。



「大丈夫!? どうしたら女の子なのにこんなボロボロで!!」



「大丈夫ではないよ。そこのクソ天使になんせ82時間ぶっ続けで働かされてるんだから」



ミーナははぁと溜息をつく。

82時間ぶっ続けって不眠不休で3日以上働かされるって日本のブラック企業もびっくりの黒さだな…

つーか、よく体が持つな。

そんな俺が思っていた疑問を察してかそれとも自分の身を擁護するためかアザゼルは言い訳のようなことをいう。



「最初に面白そうって乗ってきたのは君だろ? それに今は時間がないんだから頑張ってくれよ。 君が限界になったら回復魔法かけてあげてるだろ?」



なるほど、たまった疲れはまほうで強制的に回復させてるのか…

そこんとこも日本よりシビアだな、この世界。



「まぁ君1人ではないから大丈夫だ。 だからこの間のことをある程度知っているソウタくんをここに連れてきたじゃないか。 これで布陣は整った。 会議が終わる前までにはさっさと調整終わらせないとな」



はっはっはと高笑いするアザゼル。

ミーナから発せられる生気のない視線などもろともしない。

天使ゆえに器がでかいのかなんなのか。

よくもバカとなんとかは紙一重といったものだ。



「そういえばアザゼル、今最強の布陣だとか言ったけど他にだれがいるんだ?」



「ん? ああ、君とそこの人造天使ちゃん、それとミーナと僕とあと妹のキーナちゃんと魔王軍幹部の2人だ」



ケロッとした顔でそういうアザゼル。

ちょっと待て、今なんて?



「えっ!? キーナさんもここにきてるんですか!?」



「いや、ルナ… 驚くとこそこじゃないだろ? 魔王軍がなんだって?」



「いや、だから魔王軍の幹部が2人だ」



「おかしいだろ!? なんでこれから魔王軍と一大決戦やろうって時に魔王軍幹部がここで働いてんの!? ばかなの!? なんなの!!」



俺は頭を抱えシャウトする。



「よかった。 ソウタはやはりスケベだか健常な常識を持っていたか」



ミーナは感心したようにそういう。



「ソウタ様をスケベと呼んではいけません、マスター。 ちょっとそういう雰囲気がありそうだとガタガタ怯える種無しチキンの方が適切かと思われます」



「何気にひどいこと言ってるよね!? そこの2人! それにあれはああなって当然だろ!?」



「あの、すみません、ソウタさん。 ソウタさんの元いた世界にはどんな神様がいらっしゃいましたか? 私今日から改宗してそちらの神様を信仰しようと思います」



「ティアラも気持ちはわかるけど落ち着いて! エドワード…てか、もうアザゼルでいいや、アザゼルがこんなんなのは元々でそれに彼は元天使だから! ナウじゃないから!! 落ち着いて!」




ガブリエルよりマシだと思ったが、アザゼルもまたとんでもないやつだということを理解した。

本当、天界はあの神さま含めてろくなのがいないな!























コンコンと扉がノックされる。



「はーい。 ただいまー」



家でクスリの調合をしていたクロエはノックに対し返事をして扉を開ける。



「あら?」



「久しぶり、クロエ。 お腹すいた、 ご飯ちょうだい」



ドアの外には魔王軍幹部であるフーカがいたのだ。







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