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第6話 影の正体がわかるまで

夜の墓場で俺たちが出会ったのは、セリアさんだった。

セリアさんがなんでこんなところに? 普通ならそんなことを考えるのだろう。だが、今はそんなことはどうでもいい。


「せ、せせせせせせせ、セリアさん!? あの、その、うううう、うでに、あれが!」


セリアさんが腕に抱きついてきたこの状況。これぞ、怖いところにいったときに男女で発生するイベントじゃないか! 実際のところいままでも隣にルナがいたのだが、なんというか肝が据わっているのかなんなのか、ルナはこういうのは、怖くないらしく、こういう展開にならなかった。そういえば、予想外の敵に同様してはいたが、基本的に物怖じせず、魔物と戦っていた。最初は、先輩冒険者だからかと思ったが、どうやらそれだけではないらしい。


俺もこういう展開を期待していなかったときかれれば、否である。いままさにその願いがかない、しかも予想外の人物によって期待していた数倍は大きいものをあてられたのだ。

これはやばい、とんでもなくやわらかい。そしとセリアさんいい匂い。もはやここで死んでもいいかも!








人類は、いや俺はわすれていた。こんなことが起きてだまっているやつがいないことを…





「ソウタ? ずいぶんと楽しそうじゃない?」


とんでもない寒気を感じ後ろを振り返る。

ルナが笑顔でこちらを見ている。

なんだろう、表情と裏腹にとんでもない殺気を感じるんだが…




「あ、いや、これはその、 じ、事故だよ! そう事故!」


「他に、言い残すことは?」


「ルナ様、どうかご慈悲を」


「成敗っ!」









「ところでなんでこんなところにセリアさんがいるんですか?」


俺は、セリアさんに聞いた。


「あ、あの、大丈夫ですか? ソウタさん」


「いいのよ、セリアさん。これはよこしまなソウタの自業自得なんだから」


文字通りボコボコにされた。俺だが、本来1番最初に聞かなきゃいけなかったことを今更ながら聞いてみた。


「えーと、私がここにいる理由ですよね。私も最初はお二人にお任せしようと思ったのですが、街でよからぬ噂を聞いてお二人に伝えようときたのです」


「よからぬ噂?」


「実はその墓場の不審な影は街に出ては婦女子を襲っていると」


「え? それじゃあ殺されているってことなんですか?」


「いえ、気絶させられているだけで、怪我とかはないみたいなのですけど…」


「ねぇ、ソウタはどう思う? それもこの墓場の怪しい影が関連してるのかな?」


ルナが訪ねてくる。


「わからないが、もしそうならまた被害者が出る前に今夜中に片付けたいな」







とりあえずここからはセリアさんも合流して怪しい影の正体を調べることになった。


「うーん、もうあらかた探したと思うんだけどなー あと知ってない場所とかあったっけ?」


俺はそういってよいしょっと墓石に腰掛ける。


「ソウタ、そんなことしたらバチ当たるよ! お化けとかに出てこられて、夜1人でトイレ行けなくなっても知らないよ!」


そんなわけあるか、小学生じゃあるまいし。


「だって見つからないものは仕方ないだろ? ここは仕方ないから一旦出直した方がいいと思うぞ?」


「そうですね、もう夜もだいぶ更けてきましたし」


この世界の時間とかはよくわからないが、恐らく夜の2時くらいだろう。 もと世界にいた時は徹夜の日にはこれくらいの時間ちょうど夜食タイムだったから身体が覚えている。



「しょうがないか、それじゃあかえろ… あっ!」


ルナが声を上げる。


「どうした?」


「うん、向こうに見える小さな小屋のなかでなにか動いたようにみえて」


「ほんとうですか!?」


ルナが指差すほうをみると確かに小さなボロ小屋があった。

いかにも怪しそうだ。



俺たちは慎重に近づき窓から中の様子を伺ってみる。中には気配もない。


「気のせいだったのかな?」


ルナは首を傾げる。


「いや、一応中に入って確かめよう」


「その方が、いいかもしれませんね」


セリアさんも同意してくれる。

俺たちはドアを開け恐る恐る中に入る。 小屋のなかは窓からの月明かり以外なく、真っ暗で全体の様子がわからない。



「困った、なにかあかり持ってくるんだった」


そう、俺たちはその怪しい影に気づかれないように明かりは置いてきたのだった。


「そういえばセリアさんも明かりなしできたんですか?」


「いえ、ランプを持ってきたんですが、ここへ来る途中突然飛び立った鳥に驚いて落として割ってしまったんですよ、お恥ずかしいながら」


うーん懐中電灯でもあればなぁ


なにか使えるものはないかと袋の中をゴソゴソしてみる。

すると下の方に使えそうなのを見つけた。すっかり忘れていたが、この世界に来る時持ってきたものがあった。その中にはスマホもあった!



これは奇跡! というかなんならライターも異世界じゃ必要かとポッケに入れていたため、落とすことはなかったのだが、この場面じゃライターの火の明かりよりもスマホのライトの方がいいだろう!



とりあえず、久々にスマホに触りライトの機能を使ってみる。


「ソウタ? なにその薄い板!? それもソウタの国のものなの?」


「私もそのような板は見たことがありません。そういえばソウタさんは東の島国出身でしたっけ、そこのものなのですか!?」


2人ともスマホに興味深々だ。


まぁそれもそうだろう。こんな中世ヨーロッパ風の世界に21世紀のものを持ち込んでるんだからな。


「これは俺の国にあったもので、まぁいろいろ便利な機能のある板だと思ってくれ」


これが終わったら私にも触らせてっといってくるルナをなだめ再び部屋の中を見てみる。

山積みになった資材以外特に怪しいところはなさそうだ。

こりゃ、ハズレか?



と思った時、セリアさんが気付いた


「あら? ここの部分だけ床の埃がないですね」


下に目をおろすと確かに一か所不自然に埃をかぶっていないところがある。


「あ、ほんとだ。しかもなんか下から風がきている。」


ルナがそういう、そういう時は十中八九隠し扉があるパターンだ。

いろいろと調べた結果、床がハズレ下に行ける階段を見つけた。その奥はなにも見えない暗闇となっている。



「こんなものがあるなんて驚きです。この先に怪しい影の正体がいるのでしょうか?」


「とりあえず降りて行ってみよう」



階段をスマホの光を頼りに降りていくとそこには長い廊下があった。とりあえず、廊下を進んでみると廊下の突き当たりにドアを見つけた。 ドアからは光が漏れており耳を当てると中から声が聞こえてきた。






「素晴らしいぞ、 今日も豊作だ! ああ、やはりこのツヤといい匂いといいこの街の女性は最高だな!!」



墓場の怪しい影と街に現れる襲撃犯が繋がった証拠でもあった。




「やっぱそうだったのか、ここが襲撃犯のアジトってわけか、 ここは押し入って現行犯逮捕だな!」


おれははそういってドアを開けようとする。


「まって、 相手がの正体も強さもわからないでしょ? ここはいったん街に戻ってギルドに応援を依頼した方がいいよ」


「そうですね、ここはいったん引いた方がいいと思います」



「ルナもセリアさんもなに言ってるんだよ。 犯人に逃げられちゃうだろ? 最悪おれの魔法で巨人呼び出せばなんとかなるって!」



おれはそういってドアを勢いよくあける。

すると中にいた男はびっくりした様子だった。


「誰だ! お前たちは!」


男がそう叫ぶ。


「おれらはここのシスターに依頼を受け、お前を探していたものだ! 街の婦女子連続襲撃犯の容疑で確保する! さぁおとなしく投稿しろ!!」


刑事ドラマよろしくおれが男に言い放つ。

すると、男は



「しかたがない! 我輩の力を見せてやろう!」



すると、男は羽織っていたマントを翻した。


「我輩の名はルーク、バンパイアロードのルークだ! ここを見られたのなら仕方あるまい、人間覚悟せよ!」



剣を抜いてこちらへ襲いかかった。











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