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第60話 研究所を壊滅させる? まで!

「嘘だろ… ミノタウルスだけじゃなかったのかよ!!」



その巨体はゆうにビル3階分に達するんじゃないかという巨体さらには皮膚は岩のようにゴツゴツして硬質感があり、背中には大きな羽、さらにその巨体を支える太い四肢。

どう考えてもラスボス級の相手である。




「フーカ、ドラゴンあんま好きじゃない。 お肉硬いから」




「いや、早速食料としてみないでよ! どーすんの!? ミノタウルス倒しに来たんじゃないの!?」




「うるさいぞ! ハヤカワソウタ!! おのれ、やつらめこんなものまで作っていたとは!」




俺らは今とんでもなく大きなドラゴンと戦ってる真っ最中だった。

ミノタウルスを倒しに来た俺たちであったが、なんでこんなことに巻き込まれているのかというとフーカの道案内(匂いを頼りに)で途中何度か襲いかかるミノタウルスを蹴散らしながらやつらの巣というか製造工場を特定することに成功したのだった。 しかしそこはすでにもぬけの殻でその代わりにいたのがとんでもなく大きなドラゴン出会った。
















「つーか、 これ俺らの仕事と関係なくない? 俺らはミノタウルスの巣を殲滅しにきたんでしょ!? これ見逃すわけにはいかない?」



「だめ、 町壊されたら美味しいもの食べられなくなる」



そういうとフーカは自分の武器を手に取り、ドラゴンへ向かっていく。

俺はフーカの説得を諦め、刀を抜き、フーカの後に続く。

ドラゴンの方はその大きな腕で、向かってくる俺たちをなぎ払おうとする。 それを俺とフーカはかわし、ドラゴンを切りつける。



ガキーン



と金属同士がぶつかるような音がする。




「かたっ! 刃こぼれするだろ、あんなの!」



ドラゴンの皮膚は予想以上に硬く、いくら勇者の剣といえど刃が届きそうにない。 俺とフーカは一旦退いて体勢を立て直そうとする。

すると今度はドラゴンの方から仕掛けてくる。

やばい、 やな予感がする…



「ソウタ! ブレスくるよ!」



くるよ!っても俺にはそれを防ぐ手段はない、とりあえずここは頑張って避けるしかない!

しかし、そこへ、




「はぁぁぁぁぁっ!」




と前と同じように電撃魔法により肉体強化を強化したサーニャが今まさにブレスを吐こうとしているドラゴンの顔を横から思いっきり殴る。

するとブレスはドラゴンの口の中で暴発、断末魔のような咆哮をあげる。




す、すげー!

さすが魔王軍幹部だけはあるな。




「おい、ハヤカワソウタ! 気をぬくな! まだ終わってないぞ」



気が抜けていた俺はサーニャに怒られてしまう。 爆煙が晴れ、自爆したドラゴンの顔があらわになる。

歯はボロボロになり、口からはおびただしい血が流れている。 しかし、それよりも特徴的だったのが




「なんだ、あいつ? 皮膚にヒビが入ってボロボロ崩れてるところがあるぞ?」



そう、サーニャが殴ったところを中心に皮膚にヒビがはいり、ところどころ欠けていたのだ。




「さっき、武器ぶつけた時わかった。 相手は装甲をつけている。 あいつも作られたやつ」



「え? 装甲って要するに防具つけてるってことか? あのドラゴン」




なんてことだ。 つまりやつの装甲を剥がさないとダメージも与えられないということだ。



ギャアアアアアアス!




ドラゴンは怒り狂ったように吠え、その目は俺らを睨み殺さんばかりだ。






「なら、話は早いな。 やつの装甲を引っぺがしてやればいい」



サーニャはそんなドラゴンに臆することもなく再び目にも留まらぬ速さで突撃していく。 さらにフーカもそれに続く。








サーニャはドラゴンの攻撃を掻い潜り、懐に入るそして、




「神武式戦闘術 二十七番 『熊拳(ゆうけん)』!!」



ドラゴンの鳩尾を思いっきり掌で殴りつける。 すると、重鈍なドラゴンの巨体は上に浮き上がり、その衝撃は背中にも伝わり、背中の装甲が粉々に砕ける。




「『火牛の計(アブレイズ・ブル)』」



続いてフーカが牛の形をした炎の玉をドラゴンへ当て、浮き上がった相手を吹き飛ばす。

ドラゴンは壁に叩きつけられその衝撃で、体のあちこちの装甲に再びヒビが入る。



「フーカ、今のあの牛の技か?」



「そうだよ。 サーニャの方もさすがだね」




正直俺の出る幕などなかった。装甲を剥がされたドラゴンはもはやボロボロで虫の息といった様子だ。

しかしドラゴンの目はまだ死んでおらず、こちらと戦おうとする。



すると突然、ドラゴンを中心に部屋の床全体を覆うほどの魔法陣が現れる。




「な、なんだこれは! フーカ、お前はこれを食えるか?」




サーニャもさすがに動揺したみたいでフーカに怒鳴るようにいう。




「たべれるけど、飛ばされるまでには間に合わない」




そう、床一面に広がったのはここに来るまでミーナの研究者や皇都で見た転移用魔法陣出会った。




「くそっ! 衝撃に備えろ!!」



サーニャはそう怒鳴る。

次の瞬間俺たちはどこかへ飛ばされてしまった。




残った施設には先ほどの喧騒とは打って変わって静寂に包まれていた。








































「うっ… ここはどこだ?」




俺らは転移魔法陣によってどこかへ飛ばされてしまった。

幸いにも転移の衝撃でどこかを痛めることはなかった。




すると頭上の方から声がする。




「あれ〜? なんで、ソウタくんがこんなところにいるの? あ、あとツンデレちゃんと食いしんぼちゃんも」




聞いたことのある明るく高い声、上を見上げてみると真っ白な翼を広げ白のトーガ姿の赤目の女性がこちらを不思議そうに見下ろしていた。




「貴様は、ガブリエル! なぜ貴様がいる!!」



サーニャは前と同じように敵意丸出しでガブリエルに噛みつく。

そのガブリエルは特に気にする様子もなく、下へ降りてくる。



「なぜって、突然現れたのは君たちのほうだよ? 君たちこそどうしちゃったの?」




「いや、ドラゴンと戦ってたら転移魔法陣で飛ばされて、 そういえばここはどこなんだ?」




俺はガブリエルにこれまでのことを簡単に説明して、俺たちが今いる場所のことを聞く。



「ああ、ここはね皇都の海を挟んで南にあるアルシノエ王国の首都、プトレサンドリアだよ。 なんで君たちがここに飛ばされたかというとね、多分原因はあれだよ」




とガブリエルは指をさす。




するとそこには傷ついたドラゴンに寄り添う女性の姿が見えた。




「ありえない… 『古代種』の中でも、戦闘に特化した種だぞ?」




そしてこちらを振り向き憎悪を隠さずいう。




「おのれ、反逆者どもめ」




女性は何か呪文を唱え、傷ついたドラゴンに種のようなものを植え付ける。

すると





ギャアアアアアアス!!!!!!





大きな咆哮をドラゴンはあげる。 そして、なんとドラゴンの傷がみるみるふさがっていく。




そして再び俺たちは戦いに巻き込まれていったのだ。










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