第31話 施設を探索するまで!
俺は今薄暗い廃墟の中をすすんでいた。窓はところどころ割れており外は木が生い茂っている。
いろいろ見ているとどうやらここは昔なにかの施設だった。
雰囲気としては日本の病院のような、だから廃墟になってることによりちょっとしたお化け屋敷のようになっている。
「これ、絶対やばいことやっていた施設だよなー。 だって演出じゃなければこんなベットが黒ずんでないもん。 完全に血が放置された跡じゃん」
俺はこの廃墟の廊下を歩き手当たり次第に部屋を覗いてみる。なにに使うのかわからない道具や薬品、そしておそらく血の跡だろう黒ずんだシーツなどがある。
正直こんなとこさっさとおさらばしたい。俺はどんどん廊下を進んでいく。
そしてある扉の前で止まる。
そこには『ミーナの部屋』と可愛くデコレーションされた吊るし看板のかけてある部屋があった。
ミーナの部屋? まさかな…
俺は心当たりがある人物を思い浮かべたが、さすがに別人だろう。
俺の思い浮かべた人物は確かに学者でちょっと好奇心旺盛なのだが、こんな非人道的なことをする奴じゃない。
俺は一瞬ためらったが部屋に入ると、部屋の中にはベッドと机、そしてなんの本だかわからない本がびっしりと詰まった本棚があった。
部屋を見渡してみる薄暗い部屋にベッドの方の窓から夕日が差し込む。
それが一層物悲しさを演出していた。
「なんかここだけ普通の部屋だな。 他の部屋はあんな猟奇的な部屋があったのに」
俺はとりあえず歩き疲れたのでとりあえずベッドに腰掛ける。
外は夕暮れ、せめて日が落ちきる前には帰りたいなー。
ベッドはあるがここで一夜を過ごすなんてたまったもんじゃない。
「にしても疲れたー。 やばいな、こんなとこで一夜を過ごしたくはないけど寝っ転がったらもう動きたくなくなった。 この部屋鍵ついてるし、いざとなったら窓から逃げればなんとかなるかな。 ん?」
俺はそのままベッドに寝転んだ。 ほこりっぽかったがなかなかにフカフカなベッドでさっきは嫌だと思ったがこのままここに泊まってもいいんじゃないかと思った。
それくらい疲れていた。
そんな中ベッドの枕元の壁に小さな窪みを見つける。
「これは… ふむ、休むのはこの謎解きが終わってからでいいな」
俺は部屋を手当たり次第に探してみる。
だいたいこういうのにはパターンがあってそんなのは散々やってきた。
まず机の引き出しを開け探ってみると案の定なにかのパズルのピースのようなものを何個か見つける。そして次に本棚の本を1つずつ奥に押してみるとある一冊が奥へと差し込まれ壁にかかっていた絵が回転パズルをはめ込む仕掛けが出てくる。そこで先ほど見つけたピースをうまいことはめ込むと絵は再び回転し、本棚の本の一冊が押し出される。 そしてその中に挟んである番号を机の下にある。金庫のダイアルに当てはめると中からウサギの彫刻のハンコのようなものがが出てくる。
「楽勝だね、こんなの。 日本で何回こういう脱出ゲームやったと思ってるんだ」
俺は得意げにその彫刻を先ほどの枕元の窪みに差し込んでみる。
すると何か音がしてベッドの下の床から音がした。
「ん? ベッドの下?」
俺はベッドをどかしてみると下に続く階段があった。
うーんどうしよう?
外は暗くなってるし明日探索でもいいんだけど、自分の寝床の下にわけのわからん空間があるのもやだな。
俺は結局のところ中を探索することにした。
階段は真っ暗で先が見えない。
前のようにスマホのライトで行きたいところなのだが、残念ながらスマホは電池切れただの板切とかしていた。
だが、幸いにも部屋にはランプがあり、俺はライターを使い中の油に火をともし先へ進む。(ついたのが奇跡)
階段はそこまで長くなく、階段を降りきった先には
「なんだこりゃ、なんか漫画に出てくる秘密結社の基地みたいだな」
もちろん暗くてランプの照らす範囲しかわからないのだがそこにはおっきなモニターのある機械やボタンやなにかのランプのある機械が並んでいた。
「なんでこんなこの時代に合わねーものがあるんだ? もしかしたらここ別の世界なのか?」
そう、俺がキリに飛ばされた世界の文化レベルは良くて中世ヨーロッパ程度である。 こんなスパコンみたいなものがあるどころかレーザーディスクは何者だ?な世界である。それなのにここにあるのはどう考えても20世紀以降の代物である。 『逃走』の魔法はそんな遠くには飛ばされないはずなんだけど…
まぁキリは適当なところがあるし、また適当に人を飛ばしたのかもしれない。
「それにしてもこれなにするやつなんだろ? そもそも動くのか?」
この施設の上での様子をみる限り電気は通ってなさそうだ。
俺は文字盤の横に丸い水晶のようなものが埋まっているのに気付いた。
俺はなんとなく手を置いてみる。
まさかな。
俺はそう思い、置いた手に魔力こめてみる。
すると目の前のモニターが急に移りあちこちの計器のランプがともる。
まじかよ… やはり別の世界に飛ばされたわけではなく、あの初めに来た世界だったらしい。
するとモニターの方から音声が流れてきた。
『起動魔力を検知。 システムを休眠状態から通常モードへ移行。 各部のチェックを開始』
なんだ、なんだ!?
『全ての項目チェック終了。 オールグリーン。 通常モードへの移行完了。『人造天使創造計画』を最優先事項として全てのプログラムを起動。検体名『イヴ』の再起動準備中。 再起動まで残り1562秒』
あれ、これやばいんじゃないか?
雰囲気的にはラスボス出てきそうなそんな雰囲気。
俺はその『イヴ』とかいうの再起動を止めようと文字盤をいじる。
やばい! 早く止めないと!
しかし全く停止する気配のない機械。
その代わり『人造天使創造計画』に関するレポートを発見する。
「なんだ… これ… それじゃあ、この施設はそのための… 狂ってる!」
俺は絶句する。
するとモニターの方から音声がまた流れてくる。
『検体名『イヴ』の再起動準備が完了。 再起動します』
プシューっと部屋の中央の床から白い煙が出て円柱状の水槽のようなものが上がってくる。
そして中から白いワンピースをきた女の子が出てくる。
「身体の機能に異常なし。 ゲストユーザー様。ようこそ」




