第11話 遺跡の調査に入るまで!
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部屋の中は薄暗くよくわからない器具と本が溢れかえっていた。
「ああ、自己紹介がまだだったね。 僕の名前はミーナ、ここで魔術に関する研究をしている。それでパシリくん、君の名前も教えてくれると嬉しいんだが」
「俺はソウタ、っていいます。 それで僕は何をパシられるんですか? ミーナさん」
「ミーナで良い。あと敬語も良い。 堅苦しいのは嫌いだ。 そうだな、立ち話もなんだその辺の椅子に自由に腰掛けてくれ」
そういい、俺に座るように勧めるミーナ。 俺はそれに従う。
「早速本題なのだけれども、ソウタ、君には僕と一緒に学術調査に行って欲しい」
「学術調査?」
「そうだ。 最近この街の近くに妙な遺跡がみつかったらしくてな。 どうもそれがここ最近の海での魔物増加に影響しているらしい。そこで僕のところに調査依頼が来たのだけれども何せ遺跡の周りには魔物が多い。 だから妹に腕の立つ護衛をギルドに行って雇ってくるように伝えたのさ」
「それが俺だと? でも俺は冒険者になってからそんなに経ってないぜ? 俺らはキーナさんにすぐにお金になる仕事があるって言われたからここに来ただけだぞ?」
「そうなのか? キーナめ、適当な仕事をしよって。 ソウタ、お前のギルドカードを見せてくれ」
言われるがまま、カードをミーナに見せる。
「どれどれ、Lvは25で職業は…なんだこれは、空欄? 覚えてる魔法は『逃走』と『後は野となれ山となれ』? なんだこれは見たことないぞ、こんな魔法!」
と興奮気味に俺のカードをみるミーナ。 そして俺にカードを返し満足そうにいう
「はっはっは、君はなかなか面白いな。 君自身をいろいろ研究したくなる。 君は一体何者なんだい?」
「そんなこと言われてもわかんないですよ。 俺も何が何だかわからないままやってきたんですから」
さすがに異世界から派遣された勇者ですと答えるわけにはいかないので適当にはぐらかす。
「まぁいい。 Lv25もあれば上出来だ。そうと決まれば出発は明日の朝だ。 今日1日は明日の準備でもしてくるといい。 僕もいろいろ準備があるからね」
というミーナ。俺も明日に備えて準備するため、ミーナの部屋をあとにするのであった。
夕方ごろ俺はギルドの酒場に向かう。 ルナとはそこで集合する予定になっている。
「よう、ルナ。 どうだそっちの様子は」
ルナは先に席についていた。
「どうもこうも、恥ずかしいったらありゃしないよ! キーナさん、練習は厳しいし、ソウタ変わってよ! そっちは研究者さんの護衛でしょ? 私もそっちがいい!!」
「野郎が踊ってんのみて誰が喜ぶんだよ。お前が選ばれたのは潜在的センスと見た目だろ? ルナは結構可愛いんだからがんばってこいよ」
「そ、ソウタがそういうなら頑張らないわけででもないけど」
と照れ始めるルナ。
「それはさておいて、メシだメシ!」
こうして俺たちは明日に控える仕事のために英気を養うのであった。
次の日の朝、俺たちはは止まっていた宿屋を出て、キーナさんの家に向かった。 ルナは引き続きダンスの練習、俺はミーナさんと遺跡の調査にいく。
「ソウタ、そういえば昨日からいろいろ調べたんだがどこの文献にも『後は野となれ山となれ』なんて魔法はのってなかったぞ。 その職業の空欄ってのに関係があるのか?」
と、遺跡までの道中ミーナが尋ねてくる。
「さぁ? 俺は普通に冒険者登録して空欄だった。 そしてその魔法はジャックパンサーに襲われて死にそうになった時に使えるようになったんだ」
「ほぅ、ジャックパンサーに遭遇したのか。 あれは手練れの冒険者でも苦戦する相手だからな。 してその魔法はどんな効果なんだ?」
「その時は、なんか巨人が現れてジャックパンサーを追い払ってくれたからもしかしたら召喚系の魔法かもしれない」
「ふーむ、巨人を呼び出すのならゴーレム召喚の魔法があるがソウタの魔法のようにヘンテコな魔法じゃなかったからな」
「そうは言っても俺にもわからないし…」
「それじゃあれにでも試してみればよい」
そう言ってミーナの指差す先には魔物がいた。
ここは先日のルークのとこと違って森の中の道、召喚しても問題はないはずだ。
『後は野となれ山となれ!』
眩い閃光を放ち魔法陣が出現し何かが出てくる。
俺らの前に召喚されたのはピンク色の女性のパンツだった。
「なんじゃこりゃあああああああ!!!!」
俺は叫ぶ。そしてミーナは、
「はっはっはっ! それは巨人じゃなく女物の下着を召喚する魔法だったか! 僕の知らない魔法がまだまだたくさんあるな! あーお腹痛い!」
と大爆笑していた。
魔物も方も最初は強い光を受けびっくりしていた様子だったがそれから立ち直りこちらに襲いかかってきた。
俺は剣を抜こうとするが、ダメだ。 間に合わない!
そう思い身構えたところ、
「やれやれ、面白いものを見せてもらった。『翼竜の爪 !』
俺の後ろから放たれた風の刃が目の前の襲いかかってくる魔物の身体に刻み込まれる。
「ミーナ!? 魔法使えたの?」
「当たり前だ。 一応僕も冒険者の資格は持ってるからね」
「だったら俺、今回いる意味ないんじゃ…」
「バカモノ。できなくはないが、疲れるだろ。 それに調査中襲われては集中できないだろ。それに荷物持ちとして役に立ってるだろ?」
なんと自分勝手な…
と俺は街から背負っている大きな荷物に目をやる。
こんなに何持ってくんだろ。
「ほら、もう少しだ。あそこに見えるだろ」
すると目の前には小さな神殿のようなものが見えてきた。
これが調査に入る神殿か。
でもここ街からそんな離れてないよな。普通すぐみつからないか?
「言っただろ? 最近出現したと。 ふむ、確かに気になるな。 それじゃ早速調べるか」
と機材をガチャガチャし始める。
にしても最近できたという割には随分と趣のある神殿だ。
柱とか壁とかところどころ綻んでる。
そして扉も鍵穴がついてはいるが全体的にボロボロで強い衝撃をあたえれば壊れるんじゃないかというような感じだった。
試しちょっと触ってみるか。
と扉に触れた瞬間、目の前に魔法陣が見えたかと思いきやパリンっと砕けてしまった。
「ソウタ! なにしたんだ!?」
「ご、ごめん! なんか興味本位で扉触ったら魔法陣みたいなのが現れたと思ったら消えて」
ミーナは扉をペタペタと触る
「結界が壊れてる。 ははは、ソウタ、お前は本当に面白いな。 冒険者やめて僕のとこで助手として働かないか?」
「遠慮しておきます」
これからもいろいろ振り回されるのはごめん被る。
「なんだ。 僕の元で働けば、キーナと一緒に暮らせるぞ? それともソウタは僕のような幼児体型がいいのかい?」
とミーナはニヤニヤしながら行ってきた。
俺にロリコンの趣味はねぇっ!
こんな感じで俺たちが扉の外で無駄話をしていると、中から『人』ができた。
いや、『人』の形はしているが、ここの世界に来たばかりの俺でもわかるほどの魔力を感じる。要するにとんでもなく威圧感を感じる。
「ふぁぁ〜ぁ、 もううるさいな。 静かにしてよ。 あーめんどくさい。」
そこにはとんでもない威圧感とは裏腹に寝巻き姿の女の子が出てきたのだ。




