表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
テオとエナの異界巡り  作者: P男
6/26

無法者2-2

「あーあ、殺しちゃった。いいの? 捕まっても知らないわよ」

 エナがニヤニヤ笑いながら揶揄すると、

「構うもんか。目撃者は誰もいないんだ」

 テオは事もなげにそんなことを言った。


 二人は山の斜面を走る、人気のない街道の上に立っていた。街道の先には小さな港町があり、そのさらに向こうには地平線まで続く青い海が広がっていた。

「あたしが通報しちゃうかも」

「そうしたら遺品は回収されるだろうな」

 テオは足元に転がる二つの死体を見ながら言った。

 一人は胸を刺され、もう一人は首を切られている。どちらもまだ出来立てほやほやで、流れた血は白い湯気を立てていた。

「うーん、やっぱりやめるわ。もったいないし」

「賢明な判断だな」

「テオもだんだん悪党が板について来たわね」

 エナが嬉しそうに唇の端を吊り上げる。

「どっかの誰かに似たんだろうよ」

「その人はきっと、ものすごい悪人ね」

「ああ、悪魔みたいな奴だったよ」

 そこで二人は声を揃えて笑い、

「......さあて、さっさと済ませるとするか」

 いそいそと作業に取り掛かった。


「なんだかしけてるな」

 死体の懐から財布を抜き取ったテオが、中身を見て愚痴をこぼした。

「非常時に備えて、財産は身につけておく主義だったんでしょ。こっちは中々の成果だったわよ」

 エナは両手に載せた指輪やネックレスを差し出してみせた。

「なるほど。良い勉強になるよ」

 テオはひとつ頷き、死体を漁りはじめた。ブーツを脱がせ、ベルトからバックルを外し、護身用の剣を奪い取る。

「けど他にもあるはずよ。リスク分散のためにね」

 エナは遺品の鞄を物色すると、二重底の下からいくつかの小粒な宝石を見つけだした。

「ほらね」

「お見事」


 やがて死体は裸に剥かれ、身につけているのは下着だけとなった。

「これでもう全部よね?」

 エナが地面に並べられた金品を見下ろしながら確認する。

「多分......」

 テオは頷きかけて、

「いや、まだだ」

 首を横に振った。

 死体の口を開けると、腕を突っ込み、顎を砕いて金歯を引っこ抜く。

「これで今度こそ完璧だ」

「冴えてるじゃない」


 二人は魔法で深い穴を掘ると、二つの死体を放り捨て、これまた魔法で土を被せた。

「思わぬ臨時収入だったな」

 テオが相好を緩める。

「死人に口なし、ね」

 エナも満足げに呟いた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ